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2004.05.30

北をどうするのか?

 土曜午後、もう当分太陽は拝めないと思ったので、次男をベビーカーに乗せて長男と丸井屋上へ。午後3時から4時まで、たった一時間遊ばせただけなのに、長男が日焼けする。
 ベンチに座って、週刊ダイヤモンドの憂国阿呆談を読む。
 康夫ちゃんがブレザーの襟に付けているバッジが増えているんだが、この人、ブレザーを勲章だらけにして北朝鮮の軍人さんの真似でもするつもりだろうか。
 床屋談義はイラク情勢ばかりで、長野県政ネタはひとつも無し。この人のバイトは、長野県政の自慢が前提じゃなかったのか? ま、ブッシュ=小泉=田中康夫てのは本当に似た者同志だと思う。この頃は何もかんも他人に丸投げして引きこもる所まで似てきた。小泉は観劇に、康夫は美食に、ブッシュは牧場にと。
 イラクの泥沼をしきりに批判してらっしゃるが、いやイラクの泥沼も長野県政の泥沼も一緒だって。で、それが巧く行くと幻想に浸り、外に向けて吠え続けている所も一緒。長野の場合、その共同幻想に中央のメディアが同調しているだけの違い。ブッシュはまだそれをなんとかしようとする努力が窺えるが、長野の場合は最早それが全く無い。知事さんご本人は、しきりに逃避モードで、県政など上の空でバイトに励んでらっしゃる。

 夕方、川崎、いつものバーでオフ。直前にヨドバシに立ち寄りサブノートを物色。
 東芝は、このボーナス・シーズンに、サブノートを出さなかったんだが、ひょっとして何かの切り札を用意しているんだろうか。

※ 金曜、朝まで生テレビ

* 司会はなぜか宮崎哲弥。大学の教鞭を執っているくらいだから司会をやらせたら巧いだろうとは思っていたが、やっぱり田原総一朗よりまともだったし、初めてにしては十分な及第点を上げられる。
* 日垣(グリーン車大好き)隆、一見真っ当なことを言っていそうで、焦点がずれまくっていたような気がする。米支援問題ですらすら数字が出てくるのは良いんだけど、それってもう終わったことだし、些末な問題でしょう。それに、重村氏から即座に否定されていたけれど、平壌は、日本で小泉の支持率が上がったことなんて構っちゃいませんよ。
* 宮台真司。期待して見てたのに、珍しく全く駄目だった。戦略的コミュニケーションだの世論の誘導だの、およそ現実感の無い机上の空論ばかり。やはりこの人に、国際政治のセンスまで求めるのは無理があったか。
* 勝ちゃん。正直、あの悲壮な表情でテーブル叩いて怒鳴りまくったシーンには一瞬凍り付いた。極めてテレビ向きのキャラだとは思うが、あれはキチガイに刃物だと思う。だからテレビってのは怖い。あれがまともな意見だと錯覚させてしまう。ああいうファナティックな連中が戦争が起こして来たんだよね。

※ 北朝鮮、援助で救えるのか?

 番組中、国益とは何か? という議論があったけれど、テレビで北朝鮮に絡めて、国益の議論をするのは無理があると思う。せめて元帥を招いて、「国益に照らせば拉致問題などどうでも良い」と言わせるべきだったけれど、さすがにそれはスカパーでは言えても、地上波では本音はなかなか言えない。韓国が拉致問題を全く棚上げしているのは、彼らの国益に照らしてそれが妥当だと判断しているからですね。
「一人でも外国で自国民が不運な目に遭遇したら、それを助け出すのが国益だ」という実に美しい議論が番組中、堂々とまかり通っていましたが、これは間違いです。イラクでの人質問題でも書いたけれど、たかだか自国民一人二人(あるいはそれが百人単位でも)のために、対外関係を危うくする値打ちがあるかと言えば、そんなものは無いし、現実問題としてそんなことのために戦争は冒せないわけです。

 北に関して国益を論ずるならば、道は二つあって、生かさず殺さず、あの体制の維持に尽力すれば、こっちは経済援助の額も知れているし、防衛費の増強理由にも使えるという説と、いや、民主化してこそわれわれの生活も安定し、防衛費も削れて、長期的には、そちらこそ国益になるという説があって、恐らくはどちらもそれなりに説得力があるでしょう。
 しかし、ここに、国益ばかりでは無い、人類社会の公益というテーマが絡んできて、われわれが国連憲章や日本国憲法を遵守するなら、何は置いても、北の独裁体制は変革すべきでしょう。私はいつも、あらゆる独裁政権は軍事力を行使しても打倒すべきだという立場の人間なので、当然後者を取ります。そして幸い、北に関しては、何も軍事力なんか行使しなくとも、体制を打倒するアイディアはいくらでもある。

 北に経済援助して、少しばかり国民を豊かにして、内からの革命を促すという作戦は、全く平和的で魅力がある。しかしこれには一つ穴があって、北朝鮮では、国民全てが飢えて暮らしているわけではありません。拉致被害者の家族に見られるように、平壌で暮らす特権階級は、十分に満ち足りた生活と教育を受けています。彼らに対して、米を何十万トンか恵んでやった所で、彼らは、親の仇から慰謝料をふんだくってやった程度の認識しか持たないでしょう。
 われわれが国家戦略として、経済援助による体制変革を目指すならば、情報鎖国に(も)置かれている平壌以外の民衆に、情報も一緒に届ける必要がある。けれども、遺憾ながら、北朝鮮はそれを戦争行為を受け止めるでしょう。
 たとえば向こう10年、消極的な経済援助を行ったと仮定します。平壌市民は日本の米を食べられて、ますます肥え太るでしょう。しかし、それが地方の飢えた民衆に届く可能性は低いし、たとえ届いたとしても、それは金体制の基盤強化には繋がっても、民主化には貢献しないでしょう。
 万に一つの可能性で、中国のように豊かになれたとして、われわれは北京の政治体制がどういう代物で、チベットで何が行われているかを忘れ去っているけれども、北京に対する政治忘却のような態度で、北朝鮮と接することが出来るのか?

 では援助をせずにこのまま締め上げたら、北は倒れるのか? 日朝貿易の総量なんて、北朝鮮の麻薬ビジネスの総額と比較すれば微々たるものです。それに、いくら日本が冷たい態度を取っても、韓国が必ず救いの手を差し伸べるでしょう。
 北を資金面で締め上げるには、中朝国境の麻薬ビジネスの取締と、一定の海上封鎖が必要になる。これも北は戦争行為と受け取るし、最悪の場合は、板門店から援助品が続々と北上する可能性だってある。

 北朝鮮で革命を起こす手はある。一番現実的な案は、やはり中朝国境に難民エリアを堂々と作って、集団亡命を促すことです。しかしそれをやるにしても、韓国と中国を口説かなければ物事は前進しない。金正日は、この二者とうまいこと付き合っている。自国民がそっくり難民となって良いのか? と脅しを掛けて。
 言ってみれば、新興住宅地にやっと一戸建てを構えたサラリーマンの元に、遠い親戚がボロを纏って現れ、「俺は今、職が無くて、浮浪者やっている。この辺りをうろちょろされたくなければ、いくらか恵んでくれ」と迫るようなものです。時々、小遣いを与えるしかない。

 北朝鮮の人民にとって何より不運なことは、そういう、ちょっとリッチだけど、貧乏な親戚までは抱え込めない隣人が周囲にいることです。この議論を進めるためには、まず、北が倒れた後の経済再建をどうするのかの青写真を描いた上で、じゃあどうやって倒すのかの具体策を論ずるしかないけれども、さすがに地上波ではそこまでは無理でしょう。

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