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2004.11.25

ニートをどう捉えるか

※ 「迫撃砲数発で危険と判断しない」 防衛庁説明に反発が 朝日
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/seiji/20041124/K2004112402430.html

 今朝のテロ朝朝刊瓦版では結構大きな扱いだったのに、ネット上のニュースでは扱いが小さいんですよね。防衛局長が、加藤古賀亀井の前で言って、加藤が「国民が聞いたらどう思うでしょうね」と言ったらしいんだが、建て前はともかく、戦場に出掛けているんだから、その程度のことでガタガタ言っても仕方なし。
 むしろ、こんなことをあげつらって叩いて、役人や現場を内向きにさせることの方が損失だと思うんだが。

※ 同友会代表幹事「首相の靖国参拝、控えていただきたい」

 ちょっと不愉快なニュースだな。対中ビジネスは大事だけれど、それでも、たかが商売ごときで、国家の原理原則に関わる部分でこんな連中に口出しして欲しくない。
 私はこういうニュースに接するたびにいつも思うんだけど、マスコミはこの手の「反対」の意見は積極的に採り上げるが、あそこに為政者が行くのは当然じゃないかと考える、遺族会とかの意見は一切無視するんだよね。

*「首相は参拝続けるべき」 靖国問題で安倍幹事長代理

 真っ当な意見でしょう。この問題てのは、実際に遺族会等の支援を受けている自民党の政治家すらが口を噤んで、反対する中国派要人(加藤紘一だぁ)の声ばかりがメディアでちやほやされるから、また中国を、もう一押しだと誤解させる原因になっている。

※ 沖縄・四国の陸上自衛隊を増強 防衛庁の「将来像」

予想の範囲内の展開で、イーグルを那覇へ移動させるというのは、米軍のトランスフォーメーションも睨んでのことでしょう。問題は、沖縄県民が歓迎しないということで、早速那覇市長が陸自の拡充に反対している。こういうのは、那覇を素通りすれば良いんです。防衛庁側は、「いや、残念ながら那覇市からは不快な反応が伝わって来ているので、われわれは手を挙げて歓迎して貰える所に行きますから。何なら那覇の部隊も余所へ引っ越して良いですよ」としれっとして言えば良いんです。
 これから半世紀、中国と対峙しなきゃならんという状況下で、そろそろ沖縄県民の心情だけ優先はできんという事実を県民にも認識して貰わないと。

※ ニートの親殺し

 両親ともに教職で、しかも父親は進路指導担当だったという所で「教育熱心」な家庭という虚像が作られていますが、それはたいして問題じゃないと思う。せいぜい親が世間体を気にしていた、それが息子にとっては不愉快だったという程度でしょう。普通は殺さないんだから。
 気になったのは3点で、盛んにニートという流行りな言葉が濫用されているけれど、これは止めましょう。そんなに格好良いもんじゃないんだから、ここは「引き籠もり」という差別用語を堂々と使うべきだ。
 こういうことを言うと、引き籠もりにもいろいろ理由はあるんだから……ということになるだろうし、私の日記の読者にもそういう人はいて不快に思うでしょう。でも、自分で、自分の引き籠もりを動機付けられる人間は、世間から後ろ指刺されても堂々としていれば良いんですよ。今は充電期間だなんだと割り切るだけでも良い。
 第2に、何やら国は、この引き籠もり対策で、来年800億円以上の金を使うらしい。これ、ぜひ何に使われるのか解明したいですね。たぶんとんでもない無駄遣いが潜んで、文科省の外郭団体とかに流れて、実態は天下り役人の小遣いに化けるはずです。てか、文科省の総予算を考えると、どこにこんな金額を紛れ込ませたんだろう。
 第3に、今の若者にとって、人生は80年90年ですよ。若い時分に、働きもせずにプラプラ過ごすことを責めるべきじゃないし、社会はそれに対応すべきだと思う。大学を出るのが30歳目前で、新卒の入社がその時期になっても良いでしょう。
 現状はどこに問題が潜んでいるかと言うと、まず社会や企業の側に、そうやってプラプラ人生を過ごした奴が使い物になるわけが無いという軽蔑がある。若者の側にも、一度そこで寄り道したが最後、社会はもうわれわれを受け入れてくれないという諦めがある。だから無目的な引き籠もり状況を加速してしまう。
 私は、引き籠もりであっても、何か将来の自分に繋がるような前向きな引き籠もりになるよう、それなりの努力はして欲しいと思う。昔は引き籠もりと言えば、本を読むか、海外に貧乏旅行するしか無かったけれど、今はネットを使って外との繋がりも持てる。引きこもるにも良い時代になりましたよ。
 企業や大学にも意識改革して貰って、そういう人材の中にも、きらりと光る個性的な人材が隠れていることを認識すべきだと思うし、親や社会にもそういう自覚を持って欲しいと思うわけです。

※ メルマガおまけ 本日の朝日社説&天声人語

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コメント

「働いたら負けかなと思ってる」と言っていたニート君のおかげで、ニートという呼称にはかなりかっこわるいイメージが定着してません? 特にネット上で。

投稿: dokusha | 2004.11.25 12:55

 速報が出ています。
 またマスコミに追いつめられたニート君が、唯一の肉親を
手に掛けてしまったようですね。
 私だって、もし親と同居していたら、自活していなかった
ら、ここ数週間の馬鹿騒ぎの中で、苦しんだろうと思う。
 時間があればなんとかなったかも知れない、わずかなりと
も夢や望みも合っただろうに、小さい頃の幸せの象徴であろ
う肉親を、手に掛けさせる所まで追い込んだのは何者か?

 いつもいつも、こうやって罪のない人を何とか族とか言っ
てカタに填め、興の赴くままに責め立てて、何が起ころうと
自分たちは第3者で居続ける。
 あまりにも醜い。
 これで一つでも日本の問題が解決するというのか。
 こいつらはバブルも煽ったし、小泉ブームも煽った。
 今はその時のことを何と言っているか。
自分らの理解できない生き方を世ってたかって犯罪者呼ばわり
する、言われる側に反論の機会はない、まさに彼らの言う
「イジメ」以外の何物か。

 こんな連中のばらまく事を、深刻に受け止める必要も価値も
もう一片もないと言うこと、この認識を広めないと、また犠牲
が出てしまう。

投稿: 夜勤フリーター | 2004.11.25 14:45

>若い時分に、働きもせずにプラプラ過ごすことを責めるべきじゃないし、社会はそれに対応すべきだと思う。大学を出るのが30歳目前で、新卒の入社がその時期になっても良いでしょう。

>現状はどこに問題が潜んでいるかと言うと、まず社会や企業の側に、そうやってプラプラ人生を過ごした奴が使い物になるわけが無いという軽蔑がある。若者の側にも、一度そこで寄り道したが最後、社会はもうわれわれを受け入れてくれないという諦めがある。

 この見解には「激しく同意!」ですね。日本の社会慣行(雇用慣行やライフスタイル)には人生の寄り道をする余地が全く存在しない。少なくても企業社会においては常にレールの上を走り続けていないと「脱線=即ドロップアウト」と言ってよい運命が待ち受けているように見えます。
 アメリカの大学生活を短期間であっても体験した身としては、大学3年になれば授業もそこそこに全員一斉に就職活動を始め、大学を卒業する22、3の4月に皆横並びで就職していく様子が異常に見えて仕方ない。在学中も卒業後も平気で半年や1年自分のための時間を取り、気が向いた時期に卒業や就職をしていくアメリカの学生が非常に羨ましく思えます。

 ちなみに聞いた話ではドイツでは多くの学生が27、8まで平気で大学に居座るらしいですね。学費がタダで各種の学割を受けられ、しかも明白な修業年限や学士の学位が存在しないとあっては早めに卒業する理由がないのでしょう。若年失業率の高い国ですしね。ただこれはこれでドイツ国内で社会問題になっているようですが。

投稿: 名無し三等兵 | 2004.11.26 00:35

 「ニート」という言葉に対し、必ずしもネガティブには、特にペーパー等はむしろ擁護の論調を感じますが、しかし用語が例によって一人歩きしてますね。

 これは今回のニートに限らず、カテゴライズとレッテル貼りが同時進行し、レッテルがそのままネガティブに用いられる傾向が日本、特にマスコミ主導でその性向が強いような気がします。

投稿: 牟田口連夜 | 2004.11.26 17:14

 失業者(求職活動中だが仕事がない人)数が戦後空前の数に達している状況で、「能力があるのに働かない人がいるのは怪しからん」とバッシングする人はどうかしていると思う。
 みんなが労働条件に文句を言わずに働き出したら、労働需給は均衡するだろうが、自分の賃金が3割安になるかクビになると考えないのだろうか。

投稿: 井上 晃宏 | 2004.11.26 18:46

無職で親に頼って生きている20歳過ぎの人はけしからんですよ。
親や親族縁者も心配するでしょ。

投稿: おめだ | 2004.11.27 23:24

 そういう素朴な「正論」を社会レベルに拡大すると、逆の結果を産むと言っているのです。大げさに言えば「合成の誤謬」です。
 親が金持ちなら、ドラ息子は働かずに財産をどんどん使ってしまえばよろしい。金持ちの息子が勤勉に金を稼ぐと、ますます社会的不平等が拡大します。
 一番良くないパターンは「一生懸命働いて、金はあるけど使わない」という人です。他人の雇用機会を奪う上に、倹約をして需要を減らしている。マンデヴィルの「蜂の寓話」ってご存知でしょう?

投稿: 井上 晃宏 | 2004.11.28 05:41

 全体の労働需要が回復しない制約の下で若年失業者を減らすには、中高年の給与を減らすか早期退職させて年金生活に入ってもらうか(オランダがその例)しかないと思う。短期的には中高年が失業しても若年が失業しても同じことですが、長期的には中高年を失業させて福祉で養って、若年に働いてもらう方が、労働者の質を向上させると思いますね。

投稿: 井上 晃宏 | 2004.11.28 06:49

>中高年を失業させて福祉で養って、若年に働いてもらう

次世代につなぐと言う意味では、そのほうが良いのかも知れません。
でも、受け入れる職場のほうに、新人に職業教育を行って、戦力として鍛えるだけの余裕があるのかどうかが気になります。
やっぱ、きょうびスキルのある即戦力が欲しいですよね。(だから、未経験者にはどんどんスキルの着かないと言うワナ)


投稿: Y-MAT | 2004.11.28 15:03

最近の稲葉振一郎氏の読書ノートを読んで、ふと思ったこと。
ニート問題で、働かざる者食うべからずみたいなことを言う人って、本人に自覚がなくても、実はマルクス主義の呪縛から自由になってないんじゃないかってことに。

投稿: Y-MAT | 2004.11.28 15:29

 若年失業率が10%にも達する現状で、家の中にいる若造を引っ張り出して職安に向かわせても、失業者としてカウントされる人を増やすだけだと思いますけどね。労働力の需給ギャップが存在する限り、その人が就業しても、別の人がはじき出されるわけで、全体では状況はちっとも好転しない。いす取りゲームなんですよ。いすの数を増やすのが政府の仕事だと思うんですが、小泉(ポチ)内閣はそんなことは意に介さない。
 金は貯めたり借りたりすることでタイムシフトができますが、労働力は今使わなければ無駄になるばかりです。大規模な財政出動ができないなら、せめて、一人当たりの総労働時間短縮をしてワークシェアリングをすればいいのに、法整備は行われていません。

投稿: 井上 晃宏 | 2004.11.28 16:41

女の場合は学校を出ても働こうとしなくても家事手伝いで済むんですよね。
男は働いて家族を養うもの、女は結婚して主婦になるものって
いう古い価値観も根底にあるんじゃないかとか思ってしまいます。

専業主夫にあこがれる今日この頃。少しだけ。

投稿: 茨城在住 | 2004.11.28 20:15

引きこもりの人が呼んだら喜びそうだね。

投稿: おめだ | 2004.11.28 21:16

 「専業主婦」という家族制度自体、戦後の産物ではありませんでしたっけ。戦前は経済的余裕がなかったから嫁も労働力とされていたと聞いています。社会構成主義じゃありませんが、「男=外で働く、女=家事」という固定観念だって社会的に作られたものでしかありませんから。

投稿: 名無し三等兵 | 2004.11.28 21:23

>無職で親に頼って生きている20歳過ぎの人はけしからんですよ。
>親や親族縁者も心配するでしょ。

>引きこもりの人が呼んだら喜びそうだね。

煽りはスルー汁が原則だけど…

まずは隗よりはじめよの由で、おめださんが、雇用者となって彼らに職を与えていただけませんか?
ええ、彼らに労働の楽しみを教えてやってください。

投稿: Y-MAT | 2004.11.28 21:36

To 名無し三等兵さま
>大学3年になれば授業もそこそこに全員一斉に就職活動を始め、大学を卒業する22、3の4月に皆横並びで就職していく様子が異常に見えて仕方ない。
 蒸し返すようで申し訳ないんですが、日本の大学は既に教育機関としての機能を喪失しています。大学生なんて、はっきり言ってモラトリアム付きのプータローですよ。そこそこオツムがあれば入れてしまうが故に、海外では「ニート」になるような連中が日本では大学生になってしまっているだけです。日本での学士号など、既に学問的価値は全くありません。海外で真っ当に評価される日本の学位は、最低でも修士以上でしょうね。
 ですから、日本の大学生が横並びで就職していくのは、その本質を考えれば、ある意味当然とも言えましょう。卒業年限ってのは、「この年限までに就職出来なければ、お前は本当にプータロー扱いだぞ」というものですからね。


To 井上 晃宏さま
>金は貯めたり借りたりすることでタイムシフトができますが、労働力は今使わなければ無駄になるばかりです。
 あくまでも暴論ですが、何も労働力に対価を払わなくてもいいのではないでしょうか? ニートがニートとして生活出来ているのであれば、別に無給でも何某かの手段で生活は出来る事でしょう。給料のインカムがなければ生活できないという人は、実際既に就職しているのであって。
 ニートの労働力を如何にローコストで使い倒すか、という視点は、ニート問題において少しは検討されてもいいのではないかと思います。但し、あくまでもニートが「労働力」として使えれば、の話ですけどね。


To Y-MATさま
>受け入れる職場のほうに、新人に職業教育を行って、戦力として鍛えるだけの余裕があるのかどうかが気になります。
 私が穀潰しをやっている情報システム業界では、まさに新人教育の有無という点で二極分化がはっきりしています。教育する余裕のある企業に好条件の仕事が集中し、OJT頼みの余裕がない企業にはキツい条件の仕事(納期が短い・単価が安い)しか来ない状態です。
 情報システム業界に限らず、まともな教育も出来ないギリギリの企業は、何れ自然淘汰される事でしょう。そんな企業が潰れるまで自力脱出できないような低スキルの労働者は、更に低方へ低方へとキツい労働条件や契約条件に甘んじるしかなくなる事でしょう。まぁ、私自身の事なんですがorz

>彼らに労働の楽しみを教えてやってください。
 いやいや、労働なんて本当は楽しくも何ともないものですよ。只管苦痛の連続です。それでも、人は労働しなければならないんです。何故なら、労働によって収入を得なければ、生活する事が出来ないからです。
 今の日本は、なまじっか経済的に豊かになってしまったがばかりに、この当たり前の事が成り立たなくなりつつあります。ニートだろうが引き籠もりだろうが、何だかんだで生活していけてしまう、これがニートにおける最大の問題です。「働かざる者食うべからず」という事を如何にニートの連中に徹底するか、その議論が最も重要でしょう。その結果、彼らが奴隷労働のような職にしか有り付けないとしても、奴隷以上の価値を雇用者に付けさせられなかった彼らの責任です。
 まぁ、こんな事を言う私もマルクス主義に呪縛されている一人なのかも知れませんが、少なくとも今の日本にニートを許容する財政的余裕なんかありませんからね。

投稿: 五月原清隆 | 2004.11.28 22:31

>日本の大学は既に教育機関としての機能を喪失しています。

 日本の大学が最低だと誤解なさっているあなたは、「世界の大学危機」(中公新書)という本を読むことをお勧めします。
文部科学省による大学設置基準によって、教員数や設備に規制がある日本の大学はまだましな方です。

投稿: 井上 晃宏 | 2004.11.28 23:14

>今の日本は、なまじっか経済的に豊かになってしまったがばかりに、

 これについても、労働経済学者の見解は少し違います。
 パラサイトが可能なのは、中高年の賃金水準が高く、雇用が保証され、新規雇用が抑制されているからです。
 とすると、若者を働かせるには、中高年の定年を早めてクビをきるか、賃金水準を大幅に落として、企業の雇用余力を高めるしかないのですね。
 高校の進路指導主任によると、高校新卒の求人数が以前の四分の一とか五分の一ぐらいになってしまって、フリーパスで入れる大学や専門学校へ行くか、パートタイムジョブに就くぐらいしかないという状況があるんだから、フリーターを批判するのはおかしいといいます。

投稿: 井上 晃宏 | 2004.11.28 23:58

To 井上 晃宏さま
>パラサイトが可能なのは、中高年の賃金水準が高く、雇用が保証され、新規雇用が抑制されているからです。
 上記の件は、過去の話ですよね。最近では、人減らしを目的とした中高年の首切り(何故か日本では「リストラ」などと呼ばれていますが)が一般化し、必ずしも親世代に頼れるとは限らなくなってきています。しかも、その親世代は早晩引退し、自らの生活を支えきれるかどうかという程度の年金で生活するようになります。最早、親の収入なんか当てにならない時代だからこそ、ニートをどうにかしなければならないというのが私の考えですが、この考え方に問題はありますでしょうか。

>とすると、若者を働かせるには、中高年の定年を早めてクビをきるか、賃金水準を大幅に落として、企業の雇用余力を高めるしかないのですね。
 昨今の人事・採用傾向からすれば、中高年の解雇や減給を行ったところで、企業の採用活動が活発化するとは到底考えられません。解雇や減給の対象になるような人々は、元々生産性が低く、労働力としての価値がない人々ですから、企業にとってはいてもいなくても戦力としては同じなんですね。寧ろ、穀潰しとして企業財務を圧迫しているだけですから、解雇や減給はある意味当然の帰結です。
 しかし、中途採用の即戦力人材でもなければ、戦力として活用できる水準に引き上げるまで、教育・研修でかなりの資本投下が必要となってしまいます。たとえ研修中は3年なり5年なり無給とした所で、教育に掛かるコストは純粋に持ち出しです。とあれば、教育の費用対効果を考えると、自然と採用活動は少数精鋭を指向してしまいます。こんな時に、ストレートに大学までの課程をこなし、卒業見込みであるという人間と、人生で寄り道していたニートとでは、当然ニートの評価が悪くなってしまうでしょう。
 また、現在以上にラディカルな解雇・減給ともなれば、訴訟沙汰になる事も十分にあり得ます。労働者にも幾ばくかの既得権益は保障されていますから、それを剥奪しようとなると、国労訴訟のような泥沼に陥ります。しかも、訴訟でのコストは、教育のコストとは異なり、将来的にも何の見返りも持たない企業損失です。企業も訴訟沙汰すれすれの線まで解雇・減給を行う事でしょうが、その程度の人減らしでは、とてもニートを企業戦力に仕立て上げるほどの体力にはならない事でしょう。

>高校の進路指導主任によると、高校新卒の求人数が以前の四分の一とか五分の一ぐらいになってしまって、フリーパスで入れる大学や専門学校へ行くか、パートタイムジョブに就くぐらいしかないという状況があるんだから、フリーターを批判するのはおかしいといいます。
 それは、フリーター自身の労働力に、正社員として採用されるだけの商品価値がなかったまでの事でしょう。ましてや、最近ではオフショアなどで企業は簡単に海外の安価な労働力を確保できます。自らの無能力を棚に上げて、正社員の求人が少ないなどと不満を言うようなフリーターは、景気が好転した所で、正社員としては採用されないでしょうね。
 ただ、勘違いしないで頂きたいのは、決してフリーターの存在を否定してはいないという事です。「職に貴賎なし」とは言いますが、サービス業や肉体労働などを中心に、フリーターの存在なくしては成り立たない業種は沢山あります。単純労働ではあっても、不要な労働ではないんですね。但し、それほど付加価値の高い労働でもありませんから、待遇もそれなりでしょう。
 逆に言えば、フリーター程度の身分であれば、ニートからの転移は容易であるという事です。勿論、社会保険などでフリーターは非常に不利(と言うよりは実質自己責任)ですが、正社員並みの負担をしていない以上、当然の事ですね。

 ところで、井上さんは
>いすの数を増やすのが政府の仕事だと思うんですが
 と仰いますが、具体的にどの業種なら椅子が増えると思われますでしょうか? 私は、残念ながら椅子は減る一方になるとしか考えられません。但し、その大部分は定年退職などの自然減によって行われるものと思いますが。現代の高度情報化・自動化というものは、要するに椅子を減らす手段です。即ち、私が携わっている情報システム産業というのは、企業の椅子減らしに荷担する産業なんですね。この時に、どういう椅子が減らされ、どういう人々が職にあぶれるかは、言うまでもありますまい。
 で、政府の仕事なんですが、IT投資促進税制とやらで、寧ろ椅子減らしに加担している状態です。とは言え、椅子を増やす為に情報化を阻止するなんて事はあり得ませんし、そんな事をすれば日本企業の国際競争力を殺ぐだけです。椅子を水増しして国力を殺ぐか、低付加価値の労働者を切り捨てて国力を維持するか、実はこの二択なのではないかという気がします。

投稿: 五月原清隆 | 2004.11.30 12:49

 掲示板で細かい議論はできないので、参考資料を挙げておきます。皮膚感覚ではなくて、統計に基づいた若年失業問題の本です。かなり売れた本ですので、読んだ人も多いでしょう。
「仕事のなかの曖昧な不安」

 一つだけ指摘しておきますが、フリーターや無職者が増えたのは不況のせいであり、労働者の能力が低下したからではありません。誰が就業して誰が失業するかは、個人の能力によりますが、全体として失業者数が増えるのはマクロ経済の問題で、個人や企業の対応ではどうにもなりません。ミクロの問題とマクロの問題とは切り離して考える必要があります。
 ですから、無職者が増えているからといって、そのことを個人の問題と考えてはいけないと思うのです。

投稿: 井上 晃宏 | 2004.11.30 17:06

誰かがなんとかしれくれるまでニートは家から出られない訳か。
井上さんと話をするためには提示された参考資料を読まなければ、その資格もないのか。
何かと敷居が高い世の中ですね。

投稿: おめだ | 2004.11.30 17:42

んー、でも「合成の誤謬」という考え方くらいは知っておいて損はないかと。大石先生もよく使っている表現ですし。

投稿: 名無し三等兵 | 2004.11.30 22:56

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