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2004.11.06

勝谷誠彦、貴方のプライドは守られたのか?

 まだ見てないんですが、昨夜のテロ朝朝生で勝谷氏が、「日中戦争は侵略戦争では無かった」と仰ったそうですが、私は寸分も同意しません。細かい所での論争はあるし、どっちが何処で仕掛けたとかいう些末な話もあるけれど、あれは侵略です。あれが侵略で無いと言ったら、ナチスの戦争の大部分も、侵略じゃないという論法が成り立つ。
 正直、こういう部分の思想性は、日教組教育の洗脳を今でも根に持っているわれわれの世代の良くない所だと思います。
 ぶっちゃけ、建て前や理論としては、戦争というのは、もの凄く複雑な要因が絡み合って発生するわけで、その原因や責任をひとつ、あるいは一人に限定することはナンセンスだと思う。でもね、われわれが最低限やっちゃ行けないと思うのは、それを話すには、膨大な論証を必要とするわけです。いくら朝生が議論の場と言っても、少なくとも、そのテーマに関して3時間議論しているわけでもないことを思えば、その場でその論証を述べることは不可能でしょう。そういうことが解りきっている場で、「あれは侵略じゃなかった」と口走るのは軽率だと思う。

<関西お笑い界の対人マナー?真相はまるでわからん。関係者の共倒れが望ましい。はず?>

 まずこの週刊読売のタイトルに関して言いましょう。品がないことは事実ですが、勝つぁんが、金曜の日記の最後で脅しているように、名誉毀損が成立する余地はほとんど無いでしょう。というのは、ここには、実は論証があって、殴った奴、そしてまともに説明できない奴、両方、共倒れすりゃ良いという主旨ですよ。その通りじゃないですか?

 この金曜日の勝谷氏の3連ちゃんカキコに関して、一番注目すべきことは、実は、ここに書かれていないことです。つまり、勝谷誠彦氏は、そもそもの発端、彼が小田嶋氏に激昂した原因である、先週の放送に関して、自分がその場で何をコメントしたかを全く説明していない。せいぜい<「ひどいデタラメが書かれていますよ」と彼が怒る通りこの描写が虚偽なのは番組を作ったスタッフたちが一番知っている。」>この程度ですよ。スタッフが何を知っているかなんてことはどうでも良いことです。
 これが、もし裁判になって、私が小田嶋氏の弁護士を務めるなら、勝谷氏に「所で、貴方は、その番組で何をどう仰ったのでしょう?」と突っ込みます。それは果たしてコラムスト、言論人、表現者として取りうる最良の選択肢だったと言えますか? と突っ込みます。
あと、これもポイントですが、彼は日記では、タイトルに怒ったと主張しているけれど、実際、3日の番組での発言は下記です。

【「……ホントにね、たとえば今出ているウィークリーヨミウリでもオダジマナントカという人がね、こないだのやじうまのここでボクの反応を書いているんだけど《にやにやしながら10秒ぐらい触れただけだった》とかなんとか。そんなことないよね。ちゃんとあんときもコメントしたし……ホントにいいかげんなこと書くな、コノヤロー……」】

 つまり、ここに明らかなように、勝つぁんが水曜朝の時点で怒って主張したかったのは、「ちぁんとあん時もコメントした」という、この部分な訳ですね。黒幕云々ですら無い。所が、このポイントは、編集長に抗議する段になって消えるんだな。消えるというか、戦略目標の転換があったわけです。たぶん、これは筋が悪いという判断が何処かで作用したのでしょう。
 彼が週刊読売の編集長に抗議したのは、木曜の夕方ですよね。この頃は、もう、ネット上の、ブログや2ちゃんねるも含めて、その吉本所属のコメンテーターとしてのへたれぶりがあちこちで叩かれた後ですから、勝つぁんとしては、自分のコメント云々で反論するのは、やっぱり筋が悪いという自覚はあったんでしょう。
 ただ、この週刊読売の編集長は全く駄目! 新聞社系週刊誌の編集長なんて、ただの順繰り人事で、とにかく事なかれ主義だから、抗議が来たら、とりあえず謝っとけという態度が如実に出てくる。この辺りは、出版社系週刊誌の雄、文春のアンカーマン出身としては、赤子の手を捻るよなものですよ。
 ここで、週刊読売の編集長が言うべきだったのは、「え? 何が拙いの? あんたも文春のアンカーやってたんなら、この程度のタイトルは山程つけただろう。訴える? ああどうぞお好きに。それネタにしてお互い話題を盛り上げて稼ごうじゃないの」で、出版社系週刊誌の編集長なら、鼻で嗤ったことでしょう。それを電話を貰ったその場で、相手の言い分に頷くなんて、バカだよ、この編集長は。きっと勝谷さん、憎っくき読売の編集長をやり込めるなんて至福の瞬間だったでしょうね。

 横道に逸れますが、日垣さんのメルマガにあった、私がアサジャのコーナーを切られて康夫ちゃんを逆恨みした、という部分は、これは裁判になったら、日垣さんには勝ち目はありません。それは事実でないということを、私は当時の証人を10人単位で立てて証明できるから。もちろん、たかがネットワーク上のことで、それはいつでも修正が出来るから私は訴えたいとは思わないし、そう脅すつもりもありません。ペーパーは別ですけれど。勝つぁんが怒ったのも、それがペーパー上のことだったからで、その部分は、私は心情的に理解できます。

 あと、最後のこれね。
「私が事務所に入っている理由はただひとつ。今回のような時に堂々と法的な措置をきちんととれるようにである。」

 なんで彼が、こんな効果の無い脅し文句を使ったのか理解できないし、もしそれが本音だとしたら、言論を巡っての諍いに発展した時に、彼は自分一人では戦えないから、組織に守って貰うんだ。そのためのプロダクション所属だと、とても気恥ずかしいことを表明しちゃっているわけですよね。
 いや、誤解の無いように言いますが、私は言論人、プロの物書きは、法律ではなく、自分の筆で自分の身を守るべきであると主張する気はさらさらありません。ただ、その努力は必要でしょう。私と日垣さんの件に関して言えば、私はその情報が是正されることに、最善を尽くします。一方で、この手の話は突拍子もないほど受けるから、もっと破廉恥で法螺な話を仕込んでくれやしないだろうか? >日垣先生(~_~;)、あの人なら、それが出来る! という微かな期待も無い訳では無いけれど、まあ、それで忙しくされるのも迷惑だし、実際、一度ペーパーになった情報を修正させるというのは、凄い労力を必要として、且つ得るものは僅かですよ。

 どっちにしても、尽くした努力で、自分が望んだ結果が得られないのであれば、司法の手に委ねるのは、われわれの権利です。たださ、そこでプロダクションが出て来て、なんぼのもんなの? それは組織を頼っての虚仮威しという以上に、一帯どんな意味があるんです? 私は、その手の発想は、まずフリーランスで食べていることを誇りとするわれわれの principle に反する思想だと思うし、何より、それは貴方が普段書いて主張していることに真っ向反することでしょう。俺はいざとなれば組織というスカートの襞に隠れて闘うと吠えたって仕方ないでしょう。しかも貴方のような憂国のコラムニストが。

 この一件では、勝谷氏はちょっと気の毒な立場に置かれたとは思います。たぶん大阪だけのマネージャーでしょうし、日常的に着いているわけでもないでしょうから。
 ただ、やっぱり貴方の言論人という立場と、普段の言動に照らして、自分は何も見てないからコメント出来ませんじゃ済まないでしょう。
 あの事件が発生した時点で、勝谷氏には、二つの選択肢しか無かったと思う。自分が知っている事実、つまり、彼女の性格を喋ることに不都合があったとは思えないし、彼女や局関係者から聞いたことを話すことも、たぶん差し障りは無かったでしょう。あるいは紳助という人物の評価に関して。でも勝つぁんとしては、結局、世間に対して、自分を当事者でなく局外者として扱って貰うことを選択したわけですよね。それって、ぶっちゃけ、こういう状況下では、フェアとは見なされないんですよね。普段、そういう言動を批判する側に身を置いてしまった自分が、いざ当事者となった時にどう振る舞うべきかの方針を間違ったとしか思えない。
 もう一つの選択肢としては、ちょっとみっともないけれど、自分にも言えることはあるし、言いたいこともあるけれど、今の辛い立場を解ってくれ。俺は吉本であれこれ言えるような大物じゃないんだから。普段組織人間を罵っているけど、その苦労が良く解った……、とでも言えば、まだしも失うものは少なかったと思いますよ。でも彼は、自分が最良と思った選択で失敗したんだと思う。
 それは表現者として取るべき態度じゃ無かったんですよ。そんな二十歳前後のじゃりタレじゃあるまい。普段、カメラに向かってバカヤロー! を連発している人物が「現場には居なかった。何も見てない、知らないんです」じゃ済まないでしょう。
 少なくとも、言論人・勝谷誠彦にとっての、「コメントする」という意味は、説明責任を果たすという、それ以外に無く、少なくとも、小田嶋氏はもとより、それが果たされたと思っている人間は一人もいないわけです。吉本の一員でありながら且つ正義を追求するジャーナリストとしての名を挙げる絶好のチャンスだったのに。

 決定的なことを言いましょう。今回の事件、あるいは島田紳助に関して、某か傾聴に値するコメントが勝谷氏からありましたか? 無いでしょう。この一週間、世間はこの話題で盛り上がっているのに、ワイドショー以下ですよ。ワイドショーだってさ、吉本の機嫌を窺いつつ、どうこの事件を面白おかしく伝えようかと腐心しているのに、この人はまるで月の裏側の出来事のように無視し、「紳助《司会者》」に対するコメントも無い。「稲垣《メンバー》」の時には、あんなに萌えたのに。
 つまり彼は、今回、徹底して内部を優先させているんですよ。吉本の一員という内部を優先して、コラムニストという仕事を全く捨ててしまった。それで、批判や嘲りに怒っているわけだ。笑いもんにされて当然だろう、あんた。
 プロダクションに所属することで、得るものもあるでしょう。テレビの世界も楽しいかも知れない。でも貴方は、それで得られるもの以上のものを失っていますよ。それは何かと言えば、われわれのプライドです。筆一本で食べている、筆一本で食べるということは、辛いかも知れないけれど、それを支えるものは、自分の思想信条、表現活動は、何人からも束縛されないというプライドでしょう。それを無くしたら、貴方はもうその瞬間から、コラムニストでも言論人でも無い、ただのタレント、電波芸者ということですよ。

 今の勝谷誠彦の口から、原稿料で食べることの苦労話を聞かされたって、俺らどっちらけですよ。

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コメント

かっちゃんが怒ったのは「言わなかった」
ことを指摘されたことではなく、「にやにや
笑っていた」ことを指摘されたことでは
ないでしょうか。

もっとも笑ったかと思ったらいきなり
激昂する人なので私は単に危ない人と
いう評価なのですが、、、

投稿: 団吉 | 2004.11.06 21:48

2chの一部ウヨ連中から勝谷が英雄扱いされてるのには呆れましたよ。何でもチベット問題を取り上げたとか何とかで。
この電波芸者が今まで何をやってきたのかすっかり忘れてるようですよ。
もう呆れるしかないですね。

投稿: 悪党の最後の逃げ場 | 2004.11.06 23:40

勝谷さんとは、一度お話したことがあります。
しなやか会の設立一周年のパーティ会場で。

勝谷さんは、ひとりグラスを手にして立っていただけでした。
周囲には田中県政の実現のために活動した地元の人がたくさんいたのに、
まったく自分から質問したり、話しかけてみようとはしない。

あの人にとって大事なのことは、田中県政の支持でもなきゃ、
それを伝えることでもない。ただ、東京のマスコミの中で
改革派の知事と親しいというポジションが欲しいだけです。
だから、田中知事から直接メールが来たことを繰り返し
喜んで披瀝しているんでしょう。

昔、大学の広告研究会にマスコミで仕事をしていることを
自慢している学生がいましたが、あの水準ですね。

投稿: 斉藤久典 | 2004.11.07 14:28

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