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2004.12.14

新刊見本完成!

月曜、そわそわして眠られず。睡眠四時間で外出。まず京橋にて、「神はサイコロを振らない」の見本10冊を受け取る。
 それを持って有楽町線に飛び乗り、音羽へ。とある専門学校の協力を得て、冒険作家クラブ・サイトのタイトル・バナーのコンペをして貰っていたので、幹事一同にてその選考会。良い物を作ってもらう。
 9時半帰宅。見本10冊が重い。普段なら、宅配してね、で済ませるが、今回は一瞬でも早く貰わないと、こちらの仕事が進まないと思って、貰い受けに行く。
 午前0時、ほんの2時間寝た後に起きて、ティッシュ片手に鼻を噛みながら見本を読む。うーん、つくづく良い本だ(~_~;)。

 実はこの本は、私にとって初めてのハードカバーの書き下ろしになります。「ジャパンカード」があるじゃないか? という人もいらっしゃるでしょうが、実はあれは私が二十歳の時に書いた習作をリライトしたものでして、純然たる書き下ろしじゃありません。その前後も四六のソフトカバーは書いたけれど、なぜかハードカバーには縁が無かった。とりたてて書きたいと思ったこともありませんが。
 正直、ここ数日はそわそわして何にも手が着かなかった。何かこう、新人作家が自分の本の完成を心待ちにしているような焦燥感と充実感がありました。ちょっと舞い上がっています(~_~;)。

 ただ、誤解されると困るんですけれど、私は別にノベルズを軽んじているわけじゃありません。ノベルズという版型は、お値段も手頃で、書き手も読者も出版社もハッピーにしてくれるとても良い版型だと思います。にも関わらず、書店の専有面積が年々小さくなるのは残念なことです。
 言ってみれば、今回の私のハードカバーは、20年、もっぱら磯釣りを本業として波を被りながら大物狙いしていた釣り人が、ある日ふと思い立って、竹竿を担いで自転車で、近所の淵へと出掛けて、鮒釣りしてみたようなものです。いざやってみたら、これが意外にも面白かった。たまにはこういうの良いねえと、語っているようなものです。

1.それで、この本のカバーをブログの方に張り付けました。ブログの方は、タイトルバナーまで、これ仕様に変更しました。残念ながら、NIFTYのブログには、サイズの制限があって、帯の文字が読めるだけの大きさでアップロードできないので、急遽、それ専用の頁を創って、下記にスキャンしたカバーを張り付けました。辛うじて文字が読めるかと思います。ブログでは左のリンク集からそのままジャンプできます。
http://www.ne.jp/asahi/eiji/home/main/20041220.htm

 表紙の全体の三分の二を占める水色バックの部分は、実は帯でして、この帯を外すと、全体これ青空のペイントで、更にこのカバーを外しても、良い感じに出来上がっています。このカバーに関しては、結構しつこく駄目出ししました。

「神はサイコロを振らない 2004.12.20日発売 中央公論新社刊 定価(本体)1.800円+税 ISBN4-12-003594-8」

2.公式の発売日は従来通りの来週月曜ですが、首都圏の大規模書店では、金曜日の午後には並ぶそうです。変更があったらまたアナウンスします。

3.クラッシック・ファンの方は、この小説をより深く楽しむために、チャイコフスキーの弦楽セレナーデの入手をお勧めします。「おぉ人事おぉ人事」のテンプスタッフのテレビCMで、その冒頭部分が使われている弦楽曲としては、非常に有名な曲なので、私鉄沿線の名もないレコード・ショップでも、もちろんTSUTAYAにも必ず置いてあります。
 この曲は、33、4分ありますが、最後の第十二章「虹の彼方に」入る直前に、これを掛けると、丁度エピローグを読み終える頃に曲が終わる感じになります。

4.一番肝心なこと。

 実はこの小説はレアものです(~_~;)。初刷りの部数は、普段の私のノベルズの、5分の1以下になります。ま、ハードカバーはこんなものです。版型が違えば、全くの別の商品ということになりますから。
 たとえば、この本が、首都圏で初回配本としてばらまかれる冊数は、ほんの2、3千冊ということになるでしょう。
 この作品は、舞台として宮崎県が登場し、半分の登場人物は宮崎県出身者なのですが、ではその宮崎県に何冊届くかというと、上を見て10冊届くか否かでしょう。それも年内に届けば良い方。そもそも関門海峡を何冊渡るかということを考えると、たぶん上を見ても200冊行かないのではないかと思います。再販制度は何のためにある? そう、無意味です。全く無意味です。だってはなから地方を切り捨てているのに、再販制度の維持もへったくれもない。ただ、現状の書籍の状況を考えると、そういうことになっちゃうんですよ。
 本は首都圏で売れれば良い。金掛けてまで地方で売ったって、コストを考えれば、とても元は取れないから、はなから、そこに届く分の冊数までは刷らない。現状では、小説の99パーセントが、事実上単なるレアもの商品としての運命を背負って市場に出て消えて行くんです。出版業界は、0.1パーセントのベストセラーと99パーセントの稀少本で持っていて、残り0.9パーセントとして存在する私らみたいなのが辛うじて食えている。

 そんなわけで、普段、私の小説を買って頂いてる人々のかなりが、この本は入手できないことになります。
 痛し痒しでして、何のためにハードカバーで書いたかと言えば、普段ノベルズなんか読まない人々にもアピールして市場を開拓しようじゃないか? というのが、そもそもの動機だったわけです。それを、いつもの固定読者だけで商品が無くなるというのは、ある意味本末転倒なわけですが、そこは仕方ない。
 これはハードカバーですから、書店でもノベルズの棚にはありません。うちの近所の量販店でも、まず平積みは無いでしょう。そういう所で、確実に発見する自信の無い方は、予約でもして下さい。
 地方に限らず、書店で入手するだけの自信や書店に赴く余裕の無い方は、今回だけはネットでオーダーを掛けてください。ブックオフに期待するのは無駄です。何しろ初刷り部数が限定されているから、そもそもブックオフに流れる量も知れているから。

 それで、これ、仮に運良く重版が掛かるとしても、それが店頭に並ぶのは、1月末になるそうです。というのは、表向き20日の配本となると、スリップの回収がクリスマス前後。もう実質取次も止まっていますから、年内に二回目の配本も無い。従って、よほど動きが良くても、重版を掛けるか否かの判断は、来月の10日前後になるそうです。それで印刷製本となると、どうしても1月末ということになる。これは重版の可能性があればの話。もうそれが無かったら私しゃ首括るしか無い。
 現実問題として、アマゾンコムにオーダーを掛けて頂いても、あそこに配本される冊数も決まっているわけで、せいぜい新宿の紀伊国屋程度です。先着順となると、これを例えば来週半ばにネット書店にオーダーを掛けても、入手は、やっぱり来月末なんてこともありうるでしょう。
 唯一の可能性としては、まだ配本前なので、百人2百人単位で発売前に、そういう大手のネット書店にオーダーが掛かれば、そこだけ重点配本はありうるかも知れませんが。
 首都圏で一日も早く入手したいという方は、今の内に首都圏の量販店に予約してください。地方在住の方や、書店は足が遠い、年内に入手できれば良いという方は、ネット書店で早めに。

 私は、いろんな意味で、この作品に思い入れがあって、それは、あの「カナリアが囁く街に」に連なる、青臭い物語が、20年近く経過し、苛ついてカリカリしていた作家は結婚もして、子供も出来て、それなりに成長して、家族の絆や何やらを大人の視座で捉えるようになった、その一つの実りとして読んで貰いたいと思います。
 だから、より多くの人々に読んで貰いたいと思っているけれども、とにかく、入手難という状況はいかんともし難いわけで、仮に、その刷った部数全部が、私のコアなファンにそこそこ行き渡ったとしても、それはそれでもうそこからの拡大生産無く終わってしまう可能性もあるわけで、この業界、本当に思うようには回らんなという部分はあるわけですが、ま、これが入手難なレア本だということは、もう、ここで告知したので、後は、皆さんの手元に、無事に本が届くことを祈っています。
 クリスマス・シーズンでもあることですから、運良く入手できた方は、読了後、綺麗なラッピングでもして、恋人や、恋人にしたい女性にプレゼントして下さい。

※ メルマガおまけ そんなわけで~

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コメント

>定価(本体)1.800円+税

今月は、先生のハードカバーや世界の艦船増刊・世界航空機年鑑等、本での出費が著しいですw

投稿: 名無し二等空士 | 2004.12.14 10:57

 連続刊行?

 近場の本屋の存続のためにも、まず書店でも購入を試み、それでもダメなら、イーエスブックス(コンビニ受け取りなら送料無料なので)で注文します。
 でも出版元のホームページでは、「これから出る本」のコーナーに名前があるけど、表紙紹介はnow printingのままです。同日発売のC★NOVELSは表紙イラストがアップされているのに。担当(部署)の違いですか?。
 しか~~し、C★NOVELSのコーナーにある「中公エンターテインメントニュース 2004.12 【PDF】」では違います。青空いっぱいの表紙はもちろんのこと、来年1月刊行予定の新刊案内まであります。 「ダーティー・ボマー」上下巻を一挙刊行とのこと。
 ファンとしては嬉しいですが、ホント体にだけは気をつけて下さい(体力より、クレーマーへの対処にとられる時間の方が問題ですかね)。
 さあ、「月刊大石英司」への第1歩です。お年玉を貯めて(というより、親戚の子供へへばらまくのを減らして、という年齢ですが)発売に備えましょう。

投稿: book808 | 2004.12.14 11:47

新刊おめでとうございます。
でも、
(ただでもこっちじゃ本棚や配本の割り当てが減らされて入手し憎い)ノベルス本の1/5しか発行されないと言う情報、もう少し早く出して下さいよぉ(;_;)

今回は馴染みの本屋でもこれから発注かけるから重版の時期になる可能性が高いとの事で入手できるかどうかぁゃιぃので神奈川大手の某書店に押さえるように頼みました (;´Д`)
駄目なら急ぎでアマゾン使うことになるです(;´Д`)

# 因みに、今私に渡すべき人はいません(T_T)将来はいるかもしれないけど。

投稿: Artane. | 2004.12.14 14:23

現在まだアマゾンにもクロネコヤマトのブックサービスにもリストアップされていません。

有隣堂か八重洲に予約しないとダメでしょうかね?夫々最寄駅の近くにありますから。

投稿: ハマの住人 | 2004.12.14 18:03

>>現在まだアマゾンにもクロネコヤマトのブックサービスにも

 何だか、脱力するよな話で、商品の予約が普通に出来ないなんて、出版業界だけじゃ無かろうか。この業界って、まだまだ出来ることが多いのに、それをやらずして、本が売れなくなったと嘆くんですよね。やっぱり再販制で守られているという安心感があるせいだろうか。

投稿: 大石 | 2004.12.14 20:53

麗美な飛行艇の写真が台無しに…あの広い帯はノン・ミリ層を狙うには仕方無しや。S御大なんて、ISBN付きでアマゾンに発表になった本が何冊実際に上市されたことか?

投稿: sionoiri | 2004.12.15 09:01

とりあえず近所の本屋に予約を入れました。
ノベルズも発売日の4〜5日後に入ってくるような地域なので配本が
あるかどうか、、、、、、、、。年内に入れば休み中の課題図書かな。

投稿: zu | 2004.12.16 21:31

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受信: 2004.12.14 16:38

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