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2005.01.04

人口動態に於ける合成の誤謬

 激しく仕事モード。やっとしんどい所を抜ける。何かここしばらく、青函トンネルを歩いていたような気分だ。全然出口が見えなかった。
 女房に、出来れば週末まで実家にいてくれと頼む。長男はジジババとゴジラなんか見に行って、それなりに楽しそうなんだが、女房は、次男のお守りで、しかも、昔の友達と子連れで会う予定を組んでいたらしいのに、ちえ熱とは言っても感染症には違いないから、それも出来ずに、当然パソコンも持参していないからひどく退屈らしい。

※ 島田紳助「引退だけはお許しを」

 番組のあとに記者会見があったわけだが、それを報じる記事を読むと、いかにも、吉本側の意向に抗しきれずに、不本意ながら番組に復帰したような言い方なんだが、これってフェアじゃないでしょう。もしそうなら、吉本の幹部が堂々とテレビの前で会見して、かくかくしかじかの事情で島田を復帰させることにしたと、説明責任を果たすべき。なぜこういう時にタレントにおっ被せるんだろう。

※ 「防衛省昇格」法案、次期国会提出へ…公明が容認方向

 当然のことで、この際、「国防省」と改名すべきだと思うけれど、あまり意味が無いと思うのは、省庁の格は、結局、官邸の閣僚会議で事務次官が座る席順で決まっているんですよね。それは半世紀前から固定されたままで、防衛庁はずっと下っ端なわけです。ここを動かさないと意味ないでしょう。

※ スマトラ沖地震で1日の長さが100万分の3秒変化?
【 ワシントン=笹沢教一米地質調査所のケン・ハドナット博士は28日、読売新聞の取材に対し、インドネシア・スマトラ島沖地震(マグニチュード9・0)の影響により、地球の1日の長さが100万分の3秒変化し、地軸の位置が約2センチずれた可能性があることを明らかにした。 】読売

 もう何が何だか良く解らないけど、事実だったら、きっと凄いことなんだろうなぁ、というニュース。年末に再放映された、人類進化の番組では、メタンハイドレートの大爆発とかで、急激に地球の気候が変わってしまうんですね。急激と言っても万年単位だろうし、本当にそれが地球激変の引き金になったのかぁ? という疑問もあるけれど。
 ま、どっちにしても、私が生きている間は関係ないと祈ろう。

※ 少子化の話

 ブログの方で、少子化は怖くないというご意見を頂戴しました。少子化は景気動向とは無関係だとか、少子化こそ、諸々のビジネス・チャンスだという説も、十分な説得力を持つと思います。この辺りの話は、これまでにも実は何度かして来たのですが。
 ただ、私が少子化のデメリット&メリットという視点で考えていることは、たぶん、メリットよりデメリットの方が大きいだろうというのが一つと、そのメリットを活かして、経済や高齢化社会の維持に貢献させる努力、あるいはハードルより、移民政策を取って、単純に人口増を計った方が、安上がりにつくし、簡単で確実でもあると思うんですよ。他民族流入によるコスト増よりは、メリットの方が大きいでしょう。
 たとえば北欧にしても、積極的な移民政策を取って、出生率の回復と合わせて、なんとか人口を維持しているわけですね。
 移民は入れない、子供は減り続けるという状態の国は、たぶん日本だけでしょう。少子化を受け入れて、それをポテンシャルとしようという国民合意があって、実際に国がそういう政策を主導していれば、それでもなんとかなるかも知れない。けれど、税制や年金ひとつとっても、少子化は止まる前提でやっているわけですね。そういう矛盾から脱しないと、日本社会が少子化メリットを享受するのは無理でしょう。

 現実問題として、今も、私が住んでいる高津区周辺では、バカスカ、マンションが建っているわけですね。小学校も幼稚園も足りないという状況がある。川崎市は、過去十数年、「どうせ人口は減るんだから」という理由を堂々と掲げて、諸々の整備を怠ってきた。でも人口は増える一方です。
 一方で、もう集落を畳むしかない地方の村々がごまんとある。少子化のメリットを都市部の住民が享受できる日が果たして来るんだろうか? という疑問は大きいわけです。この20年、子供は減り続けたはずなのに、どうして川崎では、未だに小学校が足りないのか? どうして田園都市線の劣悪な混雑は解消されないのか?
 この辺りは、ひょっとしたら合成の誤謬ですよね。そうなるはずだと思ってみんな動いたはずなのに、実際は、違う方向へと状況は展開してしまった。少子化と過疎化と都市部への集中が最悪のパターンで進行している。人口動態の三つの要素が、最悪の連携を取りつつ進行している。そんな気がしてならない。

 これがもう一つ悪影響を及ぼすのは、何しろ人が減って都市部が住みやすくなったわけじゃないから、都市部の住民にとっては、子供が減っている実感が無いわけですね。それで何かメリットを受けている実感となると、更に希薄でしょう。だから危機感が芽生えない。せいぜい田舎の高齢化で税金取られのは嫌だなという程度の認識しか生まれにくい状況がある。

※ メルマガおまけ 麻雀

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コメント

 都市部への人口集中は移動や情報伝達のコストを低下させ、経済発展に寄与します。
 都市部の住環境が改善されないのは、政治的理由で地方政府に財政移転が行われ、公共投資も地方優先でやってきたからです。
 地方経済が不景気で状況が悪いからといって、投資収益率の低い地方に公共投資を行うのは愚の骨頂であり、都市部に重点的に投資すべきでしょう。そうして国全体のパフォーマンスが高まってこそ、不況脱出の目も出てくるというものです。
 人は土地に根を生やしているのではないのだから、仕事がないなら大都市圏に来てもらえばいい。いまさら転職できないような中高年者もいますから、突然、都市部から地方への援助は打ち切れませんので、10年程度のタイムスパンで徐々に財政移転を縮小していくというのが穏当なところでしょう。(井堀利宏の受け売り)

投稿: 井上 | 2005.01.04 14:33

ところが、地方も地方で惨憺たるものです。
都市部はまだましなのですが、都市部を外れると電車もない・バスは一日に両手が余る程度しか通らない所などザラでして、
私の住んでる所(神奈川県内)の隣町など「規制緩和」のお蔭で幹線道路の営業所とハブ駅の間以外は、路線上にある学校の部活時間の前に終バスが出てしまうと言うのが普通になっています。
これが三大都市圏を離れるともっと悲惨で、バス自体が無く、職も限定されてくるし、喰える職となるともっと限られる。
 これは自説なのですが、地方交付金が地方をコントロールするのに使われていたのではなく、実際に中央が地方をコントロールするために使っているのはハコモノ行政とそれに伴う雇用や幻想の配分であり、
中央官僚や政治家から見れば都市部、特に大都市圏には公共事業をばらまく旨味もスペースも殆んど無いから(せいぜい地下鉄と圏央道位か?)ばらまかないだけで、
パッと見た目には地方が優遇されているように見えるのでしょうけど、実際には違うのではないかと。

投稿: Artane. | 2005.01.04 21:23

 東京において過去10年間に新規開通した地下鉄は大江戸線しかありません。これが果たして需要に見合っているかというと、ちっともそんなことはないのです。混雑は解消には、まだまだ鉄道の路線延長が必要です。
 盛岡以北の東北新幹線や九州新幹線なんか作るよりは、地下鉄や近郊都市線を増やす方がはるかに儲かるでしょう。
 羽田や成田を拡張する方がずっと収益率が高いのに、なぜか中部や関空が優先されますよね。
 新幹線品川駅は20年前にできていてもおかしくなかった。

 職がないなら、あるところに引っ越していただきたい。若者が地元に就職する必要なんかありません。日本全体で十分な雇用が創出できればいいのです。

投稿: 井上 | 2005.01.04 21:56

To 井上さま
 日本の公共事業の常は、「やらなければならない所」ではなく「簡単にやれる所」からやっていく事です。道東道然りセントレア然り。こんな事は私が言うまでもなく分かっていらっしゃる事でしょうが。
 そういう意味では、「これからは地方の税金で羽田や成田の拡張を行うべきだ」と10年前に主張していた慶大の中条潮教授は、それなりに先見の明があった人と評価して良いでしょう。要はゼニなんですから、あとは制度上の問題です。縦割り行政の弊害云々なんてのも、既に耳にタコ状態ですね。
 因みに、都市部の公共事業が遅れた理由の一つに、プロ市民(とそれを甘やかした三権)の存在を忘れてはなりません。日本でも、本能的にはプロ市民倦厭の輿論形成が出来つつあるので、もう1つか2つプロ市民が大チョンボをかませば、日本のプロ市民は絶滅するでしょうね。

投稿: 五月原清隆 | 2005.01.04 23:36

麻雀も出来て大酒のみのヲタクです。
「プロ市民」の絶滅とやらはどうでも良いですが、都市部の公共事業を最速化したいのならファシズムを目指すべきですな。
民主主義のプロセスは時間がかかるというのは常識だと思っていましたが。

投稿: おーつか | 2005.01.05 01:48

 千葉県の特殊事情について申し上げます。
 16年前に収用委員会委員長が都市ゲリラに襲撃され、収容委員全員が辞表を提出。これにより、強制収用は全くできなくなり、公共事業の土地買収が停滞し、買収できた事例でも法外な支出を余儀なくされました。
 歴代知事はこの問題を等閑に付していましたが、堂本知事の登場でようやく収容委員会が再建され、強制収用も再開されます。ただし、成田には触らないという予防措置が取られています。
 第二滑走路が短いのも、誘導路が折れ曲がっているのも、未買収地を避けるためです。

投稿: 井上 | 2005.01.05 02:51

>>民主主義のプロセスは時間がかかるというのは

 これはともかく、都会の場合、このバカ高い土地代を考えると、インフラ整備って、アホらしく思える部分はありますよね。ま、都会の場合はそれでも投資した分の効果は得られるんだろうけれど。

投稿: 大石 | 2005.01.05 07:33

都職員の話を聞くと、二年前の話ですが道路用地を買い上げるのは
年々楽になって来てるらしいですよ。
土地の価格が下がっていて、早く手放した方がそれだけ得だと思っているらしいです。

>一方で、もう集落を畳むしかない地方の村々がごまんとある。
畳めばいいんですよ。そんなの。一生一つの土地に住み続けられる人や、
同じ職業を年金受給までずっと続けらる人は
日本にどれだけいるのでしょうか?
新潟の地震で住む場所が無くなった人たちには同情しますが、その人達が
同じ場所に住み続ける為のコストって俺たちが払わなきゃいけないの?と思いますね。
自分の納税額のうち幾らが使われるのか知りませんけど。
避難所の映像で映る車もみんな比較的新しい車ばかりに見えて、なんというか
新潟の人々のほうが豊かに見えるんですよね。
7年落ちの10万キロ以上走ってる乗用車に乗り続けて、その車をとめて
置くだけで毎月42000円払ってる自分を振り返ると、ですが。

投稿: おめだ | 2005.01.06 01:36

>畳めばいいんですよ。そんなの。

 三宅島の復興費用が総額いくらかかる予定なのかは、いくら検索しても出てきませんが、被災直前の人口が2000世帯、4000人しかいませんので、世帯に生活費を毎月平均200000円ずつ支給したとして、毎月4億円、年間で72億円しかかかりません。しかも、この費用は時間の経過とともに、どんどん減っていきます。
 被災したということで、島の不動産をすべて買い上げるのと引き換えに、資産査定をせずに全員に10年間ぐらい生活を面倒見たとしても、720億円。
 どう考えても、復興費用より安くつくと思いますがねえ。
 周期的に噴火したり災害が発生しやすいところは、事前にわかっているんだから、国が土地を強制収用して、居住禁止にした方がいい。100年に一度の災害を防ごうなんて思うから金がかかるんです。
 洪水対策のダムだって、大半は金のムダです。床上浸水を防ぎたければ、危険地域の新規建築の認可基準に、床のかさ上げを義務付ければ済むことです。

投稿: 井上 | 2005.01.06 03:44

おっと計算違っていた。年間48億円。10年間で480億円です。

投稿: 井上 | 2005.01.06 03:48

 この手の話は、昔炭鉱不況の時にありましたよね。炭鉱に国費を注ぎ込むより、鉱夫に、給料を税金から払った方が遙かに安いじゃないか? というロジック。

 市町村合併の問題でも感じるのですが、自然災害に拘わらず、人口が減る集落をどうやって畳むのかの戦略をそろそろ立てなければならない時期でしょうね。

投稿: 大石 | 2005.01.06 06:54

独裁者が出てきて、ハザードマップに載ってる危険
地帯の強制執行でもできれば、話はカンタンなので
すけれど。
(都市計画における独裁者待望論と同じですが…)

危険地帯に住んでるということだけで、リスクを取
っているってことを住人に納得させなきゃダメだと
思います。世の中には、いつ起こるかも知れない災
害よりも、目先の家賃や土地代が安いと言う方を優
先する人がいますから。(たいてい、実際に自分が
痛い目に遭うまでは、こっちの人のほうが多いんじゃ
ないかと)

投稿: Y-MAT | 2005.01.06 08:29

危険地帯や行政的に採算が合わないところには公共施設を作らない、
道路の拡張や補修以上の整備をしないで、その土地を迂回することを
徹底すれば新たにそこに住み着く人も少なくなって、集落が縮小解体
していくのではないでしょうか。

投稿: おめだ | 2005.01.06 20:24

人口・資産の一極集中は、災害やテロに対してリスクが高くなります。東京なんて、地下放水路が必要なくらい、実は危険なところだったりします。まあ、資産の集中度が高いから、そのぐらい防災設備に金をかけてもいいのでしょうが。
用地費が高いにもかかわらず都市部に投資したほうが効率的、というのは過密化の裏返しでもあるわけですよね。これで地方離れ・都市への人口集中が加速したら、都市の生活環境がさらに悪化しそうな気もするのですが。
日本の山林は現時点ではまだ管理が必要な人工林が多いので、集落が解体して山守が居なくなると山林が荒廃し、災害が頻発した戦後のはげ山時代に後戻り、という心配もあります。既に過疎化で鹿などの食害から農地を守る力を失い、増えた鹿が山野の植物を食いつくし災害発生、という事例が散見されるようになってきています。
あと、日本の場合、比較的地形が急峻なので、洪水はひたひたと水位が上がるパターンだけでなく一気に押し流すタイプも比較的多いので、床の嵩上げよりは雨水貯留槽等を義務づけた方が有効ではないかと思います。

投稿: ya-mana | 2005.01.06 23:00

 都市への人口移動は全人類的な傾向ですから、止めることはできません。少子化みたいなもので、止めようとして地方振興事業を行うと、金を浪費するだけです。公共事業の経済成長寄与率が低下する一方なのはご存知でしょう。乗数効果の係数は、たったの1です。
 山林や中山間部農地の治水作用の件は、条件の悪い地域への直接所得保障(デカップリング政策)が始まっていますよね。

投稿: 井上 | 2005.01.07 04:42

直接所得保障も補助金のばらまきも変わらんじゃないか、という話もありますからね。金で地方に繫ぎ止めるのでなく、そこでの暮らしに魅力を感じる人が増えないと意味がない、ということです。結局のところ、補助金・公共事業にしても、交付金(所得保障)にしても、それに繋がる生きた金の使い方が出来るかどうか、でしょう。
農地の方の最近の状況はよく知りませんが、林地で問題になっている小規模所有者の多くは所得保障を受けることもままならないのが実態のようですが・・・。

投稿: ya-mana | 2005.01.08 02:27

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