技術者のインセンティブ
※ 振り込め詐欺:「戦車弁償代」と百数十万円、主婦被害
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050112k0000m040166000c.html
いかにも北海道らしい犯罪だが、お母さん、いくら国が貧乏だからって、個人弁済させるほど窮しちゃおらんです。時々、個人弁済させたくなるポカミスでの物損があることは事実だが。
※ 中村教授「和解、納得していない」 青色LED訴訟
【 中村教授は今回の決着について「日本は大企業を重んじ、個人の権利を全く無視した国家であったのが証明されたと思う」「これからは講演等を通じ、理系を目指す人にはぜひ、実力が収入に反映される米国に来るよう勧めたい」と述べている。】 朝日
金額的には、こんなものでしょう。裁判で勝っても2億まで減る可能性があったということだから。ただ、この人のこのコメントは、全く頂けない。エンジニアのインセンティブとなるもの、それを向上させるものは、必ずしも金銭的動機では無いことは、この裁判がクローズアップされた時の議論で、国内的にはもう決着が付いたことでしょう。
「個人の権利を全く無視した」というのも甚だしい言い掛かりに過ぎず、貴方は、いったい、どうやって生活しながらその成果を出したのだ? と問いたい。アメリカ行きたい人は行けば良いんですよ。「実力が収入に反映される米国」という発想も単なる幻想に過ぎない。より正確に言えば、実力では無く「結果、成果という業績を個人が独占できる社会」が米国であって、その業績を出す自信がある人間は、渡米すれば良いんです。必ずしも「実力が収入に反映されるわけでしない」ことを自覚した上で。
中村氏に極めて同情的だった日垣先生は、この決着をどうお書きになるんでしょうね。あの人のことだから、まあこんなもんだろう、私の予測通りだった……と、お茶を濁すんだろうか。
* 今朝の朝刊瓦版で、勝つぁんが、自分たちの言い分を載せた本を出した日亜は嫌らしい、というニュアンスで中村氏を支持していたが、それって、会社には言論表現の自由は無いってことか? SPA!の最新号コラムで、奈良の事件に関して、「軽々に表現の自由を奪うようなことを言うな」とマスコミを窘めた少女漫研出身文化人の立場と矛盾するよな気がするが(でもそれ、大谷さんの前で言って欲しいけどね)。
※ 「この男もまた、野に放たれたのである」
週刊エコノミスト最新号の日垣隆先生のコラム敢闘言は、奈良の女児殺害事件をテーマに、『そして殺人者は野に放たれる』の自著宣伝なわけですが、それは良しとして、この事件を、まず触法精神障害者者の問題と同列に扱っても仕方ないでしょう。
この人のいつもの論法だけど、弁護側が精神鑑定を言い出すというのと、それが通るかどうか? というのは全くの別問題。ドンキホーテの放火事件の場合は、それが通って、しかも無罪になる可能性がかなり高いけれど、奈良の事件に関して、あたかもそれが通ってしまう可能性があるかのように論じるのは笑止。牽強付会な話で、触法精神障害者の問題を論じる上でも、酷い誤解を持ち込むことになる。
このコラムのオチは、上に書いた、「この男もまた、野に放たれたのである」となるんだが、敢闘言によれば、この犯人は、過去8件の性犯罪で執行猶予、その後の殺人未遂で3年の実刑を喰らったとある。以降、今回まで、殺人事件を含む事件は起こしていない。恐らく、余罪は山程あるだろうし、ひょっとしたら、何処かで幼女殺害の未解決事件を起こしているかも知れないけれど、少なくともこの犯人は、娑婆と刑務所、もしくは病院を往復しながら、殺人を繰り返していたわけではない。出所後も性犯罪を繰り返していただろうことは推測できるが、「野に放たれた」と言われると、ちょっと違和感がある。
いずれにしても、触法精神障害者への対応と、性犯罪への対応は、これは別儀な話で、これを混同してヒステリックに論じると、両方への対応を誤る、極めて不幸な状況を招くでしょう。そしてまたこのジャーナリストも、「野に放たれた」ままなわけだ。
※ メルマガおまけ THE GUARDIAN&愛ちゃん&tmpファイル
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コメント
こんな振り込め詐欺が横行したら、戦争責任でも請求されそうですね。
払う方も払う方だけど。
投稿: おめだ | 2005.01.12 12:40
中村教授はキャラクターとしては好きです。大学に入ったら、一般教養科目は放り投げて、下宿にこもって専門分野の本ばかり読んでいたとか、就職した会社が中小企業だから営業に行っても相手にされなくて腹を立てたりとか、米国に留学したらPh.Dがないからテクニシャン扱いされて研究をやらせてもらえなかったが、そのときに結晶成長装置の改修をやっていたことが、ツーフロー方式の開発に後に役立ったりとかいうエピソードは読んでいて楽しい。
ただね、研究に自信があるなら、日亜を退社して、自分が社長のベンチャー企業を作って技術開発をしてしまえば、成果は独占できたんです。米国にはそういう発明家がたくさんいます。
生活の心配はあるし、社内技術の持ち出しについて後から日亜に訴訟おこされる心配もありますけど。そのリスクを取らずに、会社員の身分を維持したまま会社の設備で研究を続けたのだから、日亜に成果の大半を取られても、これは仕方がないと思う。
それと、研究者だけが職務発明の対価を得るという現行の特許法もおかしい。ゲームや映画製作なら、プロジェクトのたびに人を集めて終わると解散するなら、成果を金で報いることは合理的かもしれませんが、会社員はずっと同じ企業で仕事をするわけで、多額のボーナスを支払うよりは、社内の地位や職務で報いるべきでしょう。
投稿: Inoue | 2005.01.12 12:55
>振り込め詐欺:「戦車弁償代」と百数十万円、主婦被害
空自版なんかも出て来そうですね。御宅の息子さんがイーグルを(ry
投稿: 名無し二等空士 | 2005.01.12 13:47
>「個人の権利を全く無視した」というのも甚だしい言い掛かりに過ぎず、貴方は、いったい、どうやって生活しながらその成果を出したのだ? と
問いたい。
まったくその通りだと思います。
彼の発明は本当に彼たった一人で
なしえたものではないと思います。
投稿: 微風 | 2005.01.13 06:41
中村修二のコメントをマスコミを通じて読むと、「アメリカで発明すると巨額の報酬が得られるから、優秀な研究者はアメリカに行ったほうが得だ」と思っているらしいのですが、とんでもないウソです。
そもそも、USAの特許法には「職務発明」の規定はありません。「相当の対価を受ける」法的根拠が存在しないのです。
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/
日本の特許法はともかく、外国の法制度は言葉の問題があって専門家の解説を信用するしかないのですが、上記のblogによると、独仏いずれにおいても、会社の社員として、「成功報酬を収益のxx%支払う」とかいった類の特別な契約なしで雇われた場合は、6億円どころかせいぜい数千万円、米国ではゼロだそうです。
USAで個人発明家が巨万の富を得ているように見えるのは、単に発明をしたからではなくて、ベンチャー企業を設立して発明の利益を独占したからで、起業しない人には、スレイブ中村程度の報酬しかないのでしょう。
投稿: Inoue | 2005.01.14 07:08