限界集落
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http://www.ne.jp/asahi/eiji/home/main/melmaga.htm
※ 限界集落
昨日のサンプロで、相川さんが面白いレポートをしていました。舞台は高知県の東端と西端。まず東端の大豊町という限界集落を多く抱える所がレポートされるんですが、限界集落が生まれた背景として、国の政策誘導が浮かび上がる。1950年代に、木材需要が高まり、補助金を出すからと、農地から杉への転作奨励があった。国は各自治体で数字を競わせて杉を植えさせた。40年収入が得られないと解りきっているのに。結果として、若者は山を捨てて集落を出て行き、山には一本も売れない杉山が残り、土地が痩せて山崩れが頻発するようになった。
「緑の砂漠化」と呼ぶ専門家がいますが、杉が密集すると、表面に光りが届かなくなり、地表面の緑が失われるわけですね。一見歩きやすくて整備されているように見えるけれども、保水力を失った斜面になるわけです。それが雨が降ったわけでもないのに、乾燥が進むことで山崩れを起こす。
大豊町では、バス路線が廃止され、お年寄りが停留場から一時間山道を上って自宅まで帰る。水道は無いから、何軒かで山の涌水を利用しているんだけど、もうそれを管理できる人間も居なくなりつつある。
一方対照的なのが、同じ高知の西端の旧十和村という所で、こちらは限界集落ゼロで、今全国から注目されているらしい。ここは交通の便では、大豊町より遙かに不便なのに、なぜ限界集落がゼロかというと、その50年代当時、国の政策誘導を蹴って、40年換金できないものを植えても仕方ないだろう、と賢明な判断を下した地元の指導者がいて、「山の複合型経営」という概念で、むしろ広葉樹を植えて、椎茸やお茶、栗の産地としてこの半世紀やって来た。それが地元の特産品となり、Uターンしてくる若者もいるから限界集落ゼロ。
高知県大豊町では、広葉樹対針葉樹の比率が3対7
旧十和村では 6対4
ちなみに日本全国では、1千万ヘクタールの人工林のうち8割が放置状態。なぜこうも杉への過度な転作が続いたかと言うと、1980年に木材価格はピークを迎えて、以降、ずっと下がり続けるわけですね。所が、林野庁がその転作奨励政策を止めたのが1987年。金にならないと解りきっていて、その後7年も続いた。
番組が林野庁の官僚にインタビューしているんだけど、その人は胸を張って「中国で木材需要が高まっていることを思えば、今日的な観点からは評価されるべきではないか」と嘯く。あんたそこまで言うなら、それ日本の木材を中国に良い値段で売っているんだろうな?
番組が描くほど、問題が単純だとは思えない。そういう上手く行っている山沿いの町が、四半世紀後も限界集落ゼロだとはとても思えないですから。ただ、限界集落化をその地域社会の努力によって遅らせることは出来る。そういう所を最小のコストで支援することは出来るだろうな、と思いました。問題は、限界集落を越えて、消滅集落へと突き進む所をどうするか? ですよね。
※ 後期高齢者医療:保険料6万5423円…軽減後平均
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071203k0000m010060000c.html
>軽減後の保険料が最も高いのは神奈川県で9万2750円。最も低いのは青森県の4万6374円で、格差は約2倍に達した。
たとえば国民年金なんて、生活保護以下ですから、その9万円という金額は、明らかに年金のひと月額分を丸々超えるお年よりが大勢いるということになりますよね。何割という世帯に及ぶ。ぶっちゃけ生活保護以下の収入しかないのに、年収の10パーセントを越える増税がやってくるわけです。
いくら年寄りに政治的発言権が無いと言っても、こんなことが許されるのか? という気がしてならない。
先日、ロシア関係の番組を見ていて、シベリアのど田舎の70歳過ぎの婆さんが、自分が貰っている年金の話をしていたんですよ。ロシアの平均月収に照らすと、3割くらい行っているんですよ。たぶんそのど田舎の物価諸々に照らすと、その辺りの平均月収の5割前後は行くのでは? と思いました。日本のサラリーマンの平均年収は400万円台ですよね。それに国民年金を当てはめると、2割行かなかったりする。何しろ国民年金が生活保護の半額だったりするから。そこからまた引くというわけですからね。
こんなことが文明国であり得るのか? という気がしてならない。サラリーマンでも無かった独居老人には「死ね」と言うに等しいと思う。
※ 10月の景気一致指数、50%超へ・先行指数50%割れ続く
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3S2900M%2029112007&g=E3&d=20071130
ちょっと前に書いたけれど、この国ではかつてリチャード・クー対竹中論争というのがあったわけですね。これは竹中氏が小泉政権入りして自説を政策として反映することで一応の決着は見た。
ではその結果はどうだったか? という部分で、結果的にリチャード・クー氏が主張する財政出動は行われなかったから、彼の主張の正しさを証明することは出来ない。一方で、竹中改革路線は成功したと言えるのか? 確かに企業収益は改善した。そのお陰で地方の税収も5パーセント近く回復もしている。所が、国民は一向に豊かにならない、消費も回復しないという厳然たる事実がある。果たしてこれをして竹中路線が正しかったと言えるんだろうか。
経済学者はもう一度、検証しなおすべきだと思う。
※ 太田氏後援会、断念促す 大阪府知事選 出馬困難と判断
http://www.asahi.com/politics/update/1203/OSK200712020066.html
>自民、民主、公明各党が相乗りで独自候補の擁立を模索しているうえ
この期に及んで相乗りなんて府民をバカにしているとしか思えないんだが、ミンスさん。
※ 「サルコジ氏当選、ユダヤのおかげ」 アルジェリア閣僚
http://www.asahi.com/international/update/1202/TKY200712020191.html
>背景には62年まで約130年続いたフランスの植民地支配をめぐるしこりがある。仏側には植民地支配について「肯定的な面があった」との意見があり、サルコジ氏も「未来志向」を理由に謝罪を避けている。
アルジェリア紛争でフランス側が謝罪しないってのも戦勝国ならではですよね。羨ましい。てかカナダ議会やヲランダにチクッてやんなきゃな。非難決議しろよ、と。
※ 女性用下着はいて捨て…100回繰り返す 廃棄物処理法違反で男逮捕
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071202/crm0712021427008-n1.htm
何が羨ましいと言って、その女児の下着をはける体型を維持できていたことだな。
※ 「格安ファーストクラス」も登場か 公取委がIATA運賃を独禁法対象に
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071203/biz0712030136000-n1.htm
日本では無理だと思うけどなぁ。
※ 職務質問中に逃走、川に飛び込み会社員死亡…埼玉・富士見
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071202-00000412-yom-soci
ググってみたらさ、今やシンナー所持程度で「毒物及び劇物取締法」に触れるんですよね。
※ 石破防衛相の元秘書、同じ選挙区で民主党から衆院選出馬へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071202-00000413-yom-pol
なんとこの絶体絶命の時に、背後からとんだ伏兵が現れた。
※ メルマガおまけ 映画4題
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コメント
>この期に及んで相乗りなんて府民をバカにしているとしか思えないんだが、ミンスさん。
大阪は民主の立てた候補に自民や公明が押しかけ相乗りすることが確定なんでどうしようもない。
本来、早々と反太田候補擁立を民主が決め、自民公明が変わらず太田でいく形だったんだけど、大阪市長選で流れが変わり太田があんなバカやったのでトドメとなりました。
>なんとこの絶体絶命の時に、背後からとんだ伏兵が現れた。
石破は大丈夫。だいたいこの人父親の石破県知事が国道9号線など雪国の道路整備をやったことで地元で神格化されていますから長岡の真紀子と同じく親のそれを恩と感じている世代がいる限り安泰。でなければ軍ヲタで地元利益還元しない政党渡り歩きはするはの代議士が田舎で連続当選は出来ません。
投稿: | 2007.12.03 10:16
大阪府知事選挙でタマがないというのは、国政選挙でタマがないのと問題は一緒。
給与が安すぎるんです。
納税者は議員や知事の報酬だけ見て「高すぎる」とか言いますけれども、知事の平均年棒は、たった2000万円(税込み)です。事務次官は2430万円。
http://72.14.235.104/search?q=cache:fP7tHSQH7yIJ:www.nga.gr.jp/upload/pdf/2006_3_x28.PDF+%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E3%80%80%E7%B5%A6%E4%B8%8E&hl=ja&ct=clnk&cd=1&gl=jp
再選されれば、事実上無制限である知事にくらべて、せいぜい数年でおしまいの事務次官とをくらべるのはおかしいかもしれないけれど、事務次官には交際費も選挙費用も要らない。
まったくの新人が選挙活動を行って知事になるまでにいくらかかるか知らないが、少なくとも1年や2年の年棒ではペイしないでしょう。
東工大の橋本大三郎教授が著書で書いてたことですが、次点落選者にも、毎月報酬を出して、日ごろから選挙活動をさせるといい。すると、次の選挙で候補者が見つからないということはありえず、現職と前回次点落選者との選挙は確実に行われ、無投票当選もなくなります。
下馬評で取りざたされている候補者が軒並みテレビタレントばかりなのもげんなりします。知名度があって、落選しても失うものがすくないテレビタレントばかりが政治家をやっていいのか?
投稿: Inoue | 2007.12.03 10:43
> いくら年寄りに政治的発言権が無いと言っても、こんなことが許されるのか? という気がしてならない。
何よりお年寄り自身がそう思うでしょう。
だから、後期高齢者医療制度が立ち上がった直後の解散総選挙で与党が勝つとは思いません。発言権はなくとも投票権はあり、当選させることはできなくても、棄権して落選させることはできます。
投稿: rijin | 2007.12.03 10:52
>※ 職務質問中に逃走、川に飛び込み会社員死亡…埼玉・富士見
私が知る限りの最高齢記録です。パン中の。
43歳パン中・・・・
同じ事やってるのが10代(しかも地方?)って事を考えると・・・・・
多分、10代から続けていたと思うのだが、
30年近く続けて、よく死ななかったものだ。
投稿: 所長 | 2007.12.03 10:54
>>木材の需要
なんか古紙回収業の流れに似てますね。
1.古紙価格暴落
2.ちり紙交換車消滅
3.ゴミ捨て場に古新聞古雑誌捨
4.その僅かな利益目当てで中国系回収業者登場
5.捨ててあるの?じゃぁ貰っていこう
6.をひをひ、それは行政の資産だから勝手に持っていくな
7.すったもんだの末、中国様お買いあげ〜
投稿: | 2007.12.03 11:32
>多分、10代から続けていたと思うのだが、
内田春菊が深夜番組で、言ってた。
(内田)「シンナーやってる人って、あまり老けないですね。この間、会ったら、中学生ぐらいのときとあまり背格好が変わらなかった」
(司会)「それは老けないんじゃなくて、成長が止まってるんじゃないですか?」
投稿: Inoue | 2007.12.03 12:31
> 竹中
以前、竹中が産経に書いた記事を大石さんも取り上げていましたが、結局、デフレ(日銀)がネックなんじゃ。
投稿: | 2007.12.03 12:46
> いくら年寄りに政治的発言権が無いと言っても、こんなことが許されるのか? という気がしてならない。
各先進国ともに高齢化して、先の希望の無い、年金や健康保険の議論に終始するようになった。
アメリカですら、医療保険が大統領選の重要な争点になっている。
有権者の中で年寄りが増えて、政治家も重視せざるを得ない。
「美しい国」って、未来ビジョンを提示するのは悪くなかったと思うのだが、年金に負けた。
投稿: | 2007.12.03 12:51
ロシアの年金生活者は、数年前まで悲惨な状況だったと聞きますが。
石油収入様々で、日本以上の格差社会になろうと、国が富めばおこぼれに与れる。
投稿: | 2007.12.03 13:02
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/8985.html
ロシア人の平均寿命はこれだけ短いということは、お年寄り人口が少ないということですね。
だから、年金を多くしてもやっていけるのではないですか?
投稿: | 2007.12.03 14:37
大阪府知事候補
田中や日垣も連載している日刊ゲンダイによると候補は吉本系でキー坊と洋七。テレビ文化人では弁護士の橋下、評論家の大谷、解説委員の辛坊が有力だそうですが。
投稿: | 2007.12.03 16:02
>吉本系でキー坊と洋七
ノックがどうしてダメだったかというのは忘却の彼方なんでしょうね。西川さんは無難かもしれないけど。
投稿: pongchang | 2007.12.03 17:23
横山ノックって、セクハラさえなければ問題ない知事だったんでしょうか?
東京都知事が青島幸男、大阪府知事が横山ノックとなったときに、私は『Back to the Future』で、過去にタイムスリップしたマーティがドクに
「未来の大統領は誰なんだ?」
と聞かれて、
「ロナルド・レーガン」
ドクが呆れ返って、
「なら、副大統領はジェリー・ルイスか?」
というやりとりがあったのを思い出しました。
投稿: Inoue | 2007.12.03 18:49
>金にならないと解りきっていて、その後7年も続いた。
>番組が林野庁の官僚にインタビューしているんだけど、その人は胸を張って「中国で木材需要が高まっていることを思えば、今日的な観点からは評価されるべきではないか」と嘯く。
こういう誤った政策で国家国民に害を与えておきながら、お縄にできなければ、国会で吊るし上げて退職金返納させられない分、まだ守谷事件よりタチが悪いと思われ。農林族議員の手前、国会で問題化もできづらい。
(内局のお役人の肩持つ気はさらさらないが)
投稿: 土門見人 | 2007.12.03 20:04
木材の国際価格が高騰して、国産材と逆転したのは事実。
森林維持にコストをかけず、長期間我慢できる体制を作る必要はあった。
投稿: | 2007.12.03 21:01
なんつーか、長寿と言うのは一種の呪いですな。
ぶっちゃけ平均寿命が65ぐらいなら
年収300万年金無しでもみんな気にせず暮らしていくでしょう。
景気よくなっても暮らしが良くならない?
働かずに喰っている高齢者が増えているんだから当然です。現役世代は膨大な借金を残されただけでなく搾取までされ続けている。
投稿: 紅 | 2007.12.03 22:53
そーいえばキティの台湾海峡突破にはノーコメントですか先生
投稿: | 2007.12.03 22:58
大阪府知事候補
候補者選びの時間を考えたらキー坊でしょうか。
投稿: 眼精疲労の建築屋 | 2007.12.03 23:23
>森林維持にコストをかけず、長期間我慢できる体制を作る必要はあった。
それなら民間に任せておけば良かったのに。
いまじゃ大きくなった街路樹も邪魔になっているだけだし何を考えて植樹したのやら…。
千本松原みたいに、植えるだけで何らかの利益をもたらすような植樹をしないと。
投稿: ほるほる | 2007.12.03 23:50
>それなら民間に任せておけば良かったのに。
>いまじゃ大きくなった街路樹も邪魔になっているだけだし何を考えて植樹したのやら…。
街路樹は森林整備とはなんにも関係ありませんなあ。
いったい何のお話ですか?
投稿: 湯元 | 2007.12.04 00:48
紅さんに一票
高齢者に健康を維持するための福祉を提供し十分な医療体制を整えれば、寿命も延びてしまう。健康で軒昂なままなら与党のように働いて稼ぐ高齢者というのもありかもしれないが、実際は肺炎で死んでいたはずの高齢者で肺炎から助かったが故に痴呆全開転落骨折とかさらに介助が必要とする状況。高齢者の勤労だって若年者からの雇用の喪失の一助になりうる。特に定年延長の大学教員の分ポスドクは増えるので人事は停滞する。後期高齢者の自己負担だけでは無く健保連も地方自治体も負担に溺れる。「困った人を助ける」という公理や「生存権」というドグマに縛られた格好。資本家は資本家の首を縛る縄を「自分で綯って自分で括る」のだなぁの感嘆するだろう、レーニン。
投稿: pongchang | 2007.12.04 05:34
中国の木材需要が急増し、シベリアカラマツ等がそちらに流れて国産材の価格も上がってきたのは事実ですが、上がった、と言っても漸く底を打った程度で、林道等の整備状況にもよりますが、伐採・搬出にかかる経費をかろうじて上回る程度に過ぎません。苗木の購入・植栽に始まり、下草刈り、間伐、枝打ち等、育林にかかるトータルコストを考えたら、現在の木材価格でも到底割りに合わず、補助金なしでは国内林業なんか成り立たない。木材価格が上がったから、といって皆伐し、それでも儲けはあまり出ないから、あとの植栽等はせずに放置する、ってのが問題になってます。
そんなもの、放っておけば広葉樹林になるって?「放棄農地」を餌場にして増加したシカなどの野生生物が、芽吹いてきた植生を片端から食いつくし、それもままならない、ってありさまですよ。
それから、海岸林のマツですが、松くい虫対策に相当の経費がかかっているはずですね。
投稿: ya-mana | 2007.12.04 05:52
>街路樹は森林整備とはなんにも関係ありませんなあ。
公務員には将来を見通す能力も、失敗をリカバリーする能力も無いってことですよ。
話題を広げてしまってすいませんねえ。
投稿: ほるほる | 2007.12.04 08:02