ゆきゆきて神軍
※ 精神科医・和田秀樹 高額報酬は技術を進歩させるか
これは、昨日日曜の産経の正論に掲載されたのですが、非常に面白い論考でしたね。この問題に関して述べられた最も秀逸な論考と言って良いでしょう。
1.アメリカでは、研究者の権利も大きいが義務制約も大きい。だから研究者は自らベンチャーを興したがる。
2.「今回のケースでは、中村氏の第一号の発明であり、また自分の研究内容を外国に売り込みに行ったという理由で日亜化学から訴えられた経緯もあったから、アメリカで同様の結論になったかは疑問だ」
3.研究者の権利ばかり拡大し、義務は今のままでは、企業側の開発コストは見合わない。これではアメリカと競争できない。
4.「現在の教育心理学の考え方では、外的報酬によって意欲が増すのは、もともと意欲がない人間であって、意欲が高い人間については、外的報酬がかえって意欲をそぐということが定説になっている」
5.「ヒエラルキーにうるさい大学より、自由な研究ができる企業のほうでよい研究ができているのもうなずける。実際、上記の二つの理由のためか、技術者の待遇の悪いはずの日本のほうが特許件数はアメリカより多いのである」
6.「今回のような極論から極論に流れる思考パターンは、マスコミの不勉強と日本人の不適応な認知パターンを反映し、技術立国日本の将来に不安をもたらすように思えてならない」
これは、全編引用して紹介したいほど優れた論考でして、もしお近くに産経新聞があったら、ぜひ目を通して頂きたい所です。その全てが筆者の専門分野における理論的な研究に裏打ちされている。和田秀樹はお友達だと仰るどこかのジャーナリスト氏にもぜひ送って欲しい所ですが。
この裁判のニュースは、第一報が伝えられた時に、企業側や経済団体から一斉に反発が出たせいで、マスコミは判官贔屓な伝え方に走り、世間全般の受け止め方も、日垣隆に見られるような、多分にエモーショナルで、ありがちなエピソードを針小棒大に捉えてのまことに低次元な物言いが流行ったけれど、冷静に考えれば、昨日のCXの朝の番組でも言われていたけれど、青色発光ダイオードの前には、そもそも発光ダイオードの開発があり、つまり彼の特許は、青色発光ダイオードへジャンプする最初のキーを開きはしたけれど、それが全てでは無かったわけですね。まあ、億程度の報奨金は得ても良いだろうけれど、それにしても、200億は無いだろうということなんだろうな。それすら、和田さんは、技術者のためには良くない、現にその後の中村氏は、たいした仕事をしていないじゃないか? とまで喝破している。
何はともあれ、日本のジャーナリズムのお寒いオツムを証明する出来事ではありました。産経新聞の科学音痴を揶揄する前に、まずはジャーナリストとしてのセンスを磨いた方が良いね、日垣さん。
※ テロ朝サンプロ
新幹線開通と在来線問題のレポートだったんだが、たまらんわぁ。この番組はこんな時にも「田中康夫は偉い!」を一本入れないと気が済まんのだから、相川さん、あんたらお病気だよ。
在来線をどうするのか? 今後ともこのまま新幹線建設を進めるのか? は大きな問題だけど、道路公団問題に共通する所があって、一つは、利便性云々と、じゃあそれが開通した商業圏が発達するかどうか? というのは全く別の問題なんですよね。「地元発展」を謳わないと新幹線が来ないからそれをスローガンにするけれど、それで栄えるなんて思っている住民はたぶんいない。それは新幹線や高速を呼ぶための方便に過ぎないことは皆百も承知している。マスコミが知らん振りして「こんなはずじゃなかった!?」という番組を作るだけ。
スピードへの欲求というのは、文明社会の本能みたいなものですよ。それは地元発展云々とか、土建屋がどうのこうのとは別次元の欲求だもの。公共輸送網をどうするかの視点無くして、経済原理だけで語っても仕方ないでしょう。
※ 本隊イラク入り
何を期待してかTBSは杉尾キャスターが伴走しながら生中継。しかし、あの光景を見て思わず「ゆきゆきて神軍……」と呟いてしまった(~_~;)。
見てて面白かったのは、車列が一直線じゃないんだな。右へ左とうねっている。なんでかなと思ったら、後方の車両が前方視界を得るために右へ左へと車体を振るんですね。ただでさえ視界の悪い軍用車で、神経使う移動です。
あと、報道特集の中で、自衛隊がテロ情報収集に地元警察へ出て行くんだけど、英語が不案内だからと、たまたま居合わせたカメラマンが通訳を買って出るみっともないシーンが映された(この話は、散々ネット上で叩かれた)。TBSさん、武士の情けってものを知らんのか? そんなシーンを出すなよ。だいたい、なんでこの場に日本の外交官が20人かそこいら通訳に就いていないんだ。外語大辺りでバイトの学生を募れば良いだろうに、断り切れないほど手が上がるぞ。情報収集って、自衛隊の業務に含まれてないよ。それはオランダ軍が果たしているという前提なんだから。
所でサマワの陸自の宿営地は、町から10キロほど離れているそうですが、ま、これはやむを得ないとして(これ以上町に近いと、町中からのロケット弾攻撃に晒されるから)、ただ、10キロもの通勤ルートの安全を確保するのって、結構難しいですよね。陸自はどうするんだろう。
※ イラク人医師研修第1弾は3月中旬にカイロで100人
これは良いアイディアで、日本政府が金を出して、一週間研修させるというプランです。中東域内でやれば語学の問題もクリアできるし、医者にとっても良い骨休みになるだろうし。ただ一週間というのはいかにも短すぎる。たぶんテストケースの意味合いが強いのでしょうが。
一ヶ月、1年とかの中長期の留学も睨んで、逆に中東全域で医師をリクルートしてイラクや、とりわけアフガンに送り込むような援助もすべきでしょう。にしても、最優先事項は、サマワに日本の援助で建てられた病院の再建ですね。
※ 関学遭難
早々と「遭難」という単語を使ったメディアの皆様に、「遭難」という言葉の定義を訊きたいですね。全員無事で生きていて連絡も取れているのに、どうして「遭難」なの? 公に救出を求めたら「遭難」というのは、ちょっと違うと思いますね。
コースを見てみると、冬季の縦走訓練ですね。そんなに難しいコースでは無いけれど、ラッセルを強いられたりして天気に祟られたらしい。ただ、予定では最悪10日頃の下山を組んでおきながら、もう無線機のバッテリーが切れかけたりして、ちょっと不備な点が窺える。
高気圧が接近しているので、日没辺りには救出できるでしょう。冬山ではこんなこともありますよ。ただ、遭難するというのは、何処かに準備ミス判断ミスがあるんですよね。彼らの周囲では、同じ条件下で無事に下山しているパーティがいくつもあるんだろうから。
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