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2004.03.15

ブッシュ田中対フセイン有賀

※ 松本市長選

 ぶっちゃけ、私は有賀前市長を応援する立場には全然無かったんだが、正直、この結果には驚いてもいるし、酷く落胆もしています。落胆している理由は、ただ一つ。康夫ちゃんの高笑いが聞こえるから。選挙は解らん(-.-)。
 長野県政における田中康夫と有賀正、あるいは松本市民に於ける田中康夫と有賀正の関係は、世界にとってのブッシュvsフセイン、あるいはイラク国民にとってのブッシュvsフセインに酷使しています。つまり政治家としてはどっちもどっち。たとえば有賀さんという人は、一方で熱烈な支持層を持っているけれど、他方で嫌われてもいる。それでも、余所からブツブツ言われるのはまっぴらだから国民の大勢はフセイン(有賀)を支持する。世界にはとっては、ま、とにかくブッシュ(田中)は酷いし、大義もへったくれもないけれど、フセイン(有賀)の存在は許せないからっさと排除しろと主張する。そのためにブッシュ(田中)の出鱈目には目を瞑る。これが東京メディアの距離感ですね。その構図で報じられてきた。

 選挙というのは、どんなに予想外の結果に終わっても、いざ蓋が開いてみれば、なるほどこういう経過を辿ってこうなったのだな、と十分に納得できる要素に満ちているものです。後知恵で十分納得出来る答えが導き出せる。でも今回ばかりはさっぱり理解できない。当の候補者を担いだ連中自身が勝利を信じていたとはとても思えないから。
 たとえば、松本の市長は、だいたい革新の衣を着て誕生します。有賀さんもそうだった。松本市民は多選を嫌います。有賀さんも多選批判で接戦を制して出てきた。出直し知事選挙では、有効投票の8割9割を康夫ちゃんが抑えた。これだけ見ると有賀さんに勝ち目はない。
 しかし、去年の県議選、それに続く市議選を見た結果では、とても有賀さんに負ける要素は無かった。自民+公明という盤石の基礎票を持っていて、どうしてこんな結果になるんだろう。一年前の県議選の時に、私は有賀さんの再選は決まったなと思った。
 しかも対立陣営は二人に割れ、しなやか会は、事実上康夫ちゃん応援団としては全く機能しなかった。

 どんなに立派な候補者を連れてきて、どんなに田中隠しに努めても、神風でも吹かなければこの人の基礎票を崩すことすら全く絶望的なことだろうなと思いました。もちろん、田中県政が無ければ、有賀さんの四選出馬自体、まったくあり得なかった話だけど、県議選の結果が彼を後押しした。有賀さんの敗因は、もうたった一つだと思いますね。「慢心」、あるいは「油断」。まさかこんな田中直系候補に、しかも敵側は票が割れているのに負けるわけが無いという慢心が招いた結果でしょう。
 松本市民としては、箱物も一通り作り終わり、そろそろ違ったものを求めたのでしょう。言ってみれば、爪に火を点して暮らして頭金貯めて一戸建てをやっと建てた。あいつはケチだ何だと陰口言われながらも我慢した。気が付いたら、誰より立派な門構えになっていて、自分でも満足できた。そこでさあこれからは子供の教育だと目先を変えて、旧来型の政治家からインテリに鞍替えしたと。皮肉なことに、有賀さんが目指した文化都市の仕上げをインテリに譲ったわけです。しかも、しなやか会はどうも分裂した、担いだ知事さんは恩を売ってくるだろうが、ひとまずは、新しい器に賭けてみようという心理が作用してのことでしょう。

 それで、市議会では与党の社共は少数派だから、早晩議会との衝突が起こるでしょう。合併問題も纏めなきゃならないし、有賀さんが入れ込んだサイトウキネンはどうするんでしょう? ま、対外的には医者が市長というのは受けが良いでしょうが。
 何より心配なのは、何度も書いてきたように、田中長野県政の実態というのは、市町村からの権力の収奪と強制です。知事派という立場で良好な関係を県と築ける状況にはとてもならないんですよ。何でもかんでも県から一方的に押しつけてきて金を出せというのが田中県政の正体ですから。多難な船出になりそうな気がしますね。

※ テロ朝サンプロ

 ゲストに中川昭一を呼んで、田原が冒頭一言「この番組初めてですね?」
 なるほど、この番組はそんなにも鈴木宗男に気を遣っていたのか。

※ ユナイテッド航空232便

 と言えば、1989年7月19日、油圧ゼロになって操舵不能に陥りながらも、どうにか空港までたどり着いて乗客の多数を救出することに成功したDC-10ですね。昨年だけで二度ほどアンビリやら何やらでレポートされた。
 昨日、お昼になにげにCNNを見ていたら、その時のアル・ヘインズ機長が娘と出ている。何でもこの機長、その後、息子を交通事故で失い、妻とは死別し、娘は無形成貧血という癌に冒され、その20万ドルの治療費が無くて困っていたらしい。それを聞いた当時のクルーが募金して治療費を掻き集めてくれたという美談なのですが、アメリカのパイロットってトラック・ドライバーに毛が生えた程度のサラリーしか貰っていないと聞くけれど、たった20万ドルの治療費すら自由にならないほどなんですね。お気の毒なことです。

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