汝等のうち、罪無き者まず石を投げ打て
何度も書きますが、誘拐された三人に格段のミスがあったわけじゃない。せいぜい、この時期にタクシーでバグダッド入りを目指したくらいのことです。それで痛い目に遭った軍事に詳しいとかいう吉本のコメンテータがいたことを思えば、一度も襲われていないバス移動に切り替えるべきだったけれども、援助物資を抱えていたとかで、タクシーにしたのかも知れない。せいぜいその程度ですよ。彼らの後に誘拐された二人の邦人男性は、これは誘拐事件が相次いでいた最中のことであって、多少は批判されても仕方ない。ただこれも、批判しなければならないほどのことではない。そこに行くのが仕事だったのだから。損をしたのは、そこで起こった悲惨な事実を国外に報せる手段をみすみす失ったイラク国民であって、われわれじゃない。
記者は危険地帯に赴くのが商売です。でも戦争では、その危険の度合いが格段に高くなるから、大手のマスコミは真っ先に引き揚げる。もし犠牲者を出したら会社が叩かれるから。そこでフリーランスの出番が来る。戦場取材に於ける棲み分けです。高遠さんが、一人NGOだったことは、危険度を増す要因にはなっているけれども、それでも、彼女と18歳の少年が誘拐されたことの原因では無い。
つまり、彼らが誘拐されたことには、彼ら自身には何のミスも無いのです。家族が全てを台無しにしただけ。強いて言えば、家族を教育することなく危険地帯に赴いていたことの責任が問われる程度。
この三人を批判する連中の物言いには、何の説得力もない。私は、郡山、高遠の両氏が再びイラクに復帰し、それぞれの現場で任務に励むことを断固として支持する。「ジャーナリストと言えども危険は回避すべきだ」などと綺麗事を言う奴は、プレスの看板を下ろしてくれ。そこへ行こうともしなかった連中が、記者会見を逃げた程度のことでガタガタ言うな。
五人の誘拐のおかげで自衛隊は撤退のチャンスを逸したとか吠えているコラムニストもいるが、アホかいな。自衛隊はカンボジアでも民間ボランティア、警官が死んでも撤退なんかしなかった。バグダッドで5人10人、自己責任で動いている同胞が誘拐殺害されたからと言って、国の政策決定に影響を及ぼすはずもない。それで自衛隊の撤退が難しくなったなどというのは、まったくの為にする話で、何の根拠も無い。
マスコミが今闘うべき相手は、三人じゃなく政府です。あそこで邦人が死ねば自衛隊派遣がチャラになるから、渡航禁止の実効を上げよと姑息な発想をする政府です。民主国家では、あらゆる国民に出国の自由がある。何処へ行って殺されようが国民の自由だ。メディアが批判すべきはまずそこでは無いのか?
※ 感謝しない日本政府
最後の二人が解放された時、クベイシ師は、テレビカメラの前で、上村臨時代理大使に向かって、「あんたからも日本政府からも礼が無かった」という文句を言ったらしい。通常の交渉事であれば、上村大使は、伏して聖職者協会に感謝するでしょう。それが無かったのはなぜか? 理由は一つで、本国政府から、それだけはするなと訓令を受けたからですね。
これは何を意味するかと言うと、日本政府は、あんたたちが誘拐犯とグルだってことは実は解っているんだよ、というメッセージを、感謝しない態度で暗に伝えようとしたわけですね。
※ 米軍の戦術転換
この所、また米軍の死傷者数が上がっていますが、特徴的なことが一つあります。それは彼我の損耗比が接近していることです。以前の米軍なら、こちらの死者一人に対して、イラク人からは10人単位でした。所がこの頃は、米軍の死者数名に対して、あちらも数名という状況です。これは、米軍が中隊規模の守りの作戦から、部隊を移動前進させての掃討作戦に討って出たからですね。
※ 宮城知事「イラクは内戦」 撤退も検討すべきとの認識
なんと、康夫ちゃん! 何事も他県に先駈けて一番で無いと気が済まない「この春はゆったり療養モードだよん」知事が、他県に遅れを取ってしまったではないか。週末の会見を前倒しして、早速長々と退屈な話で吠えまくれ! ラジオじゃ朝日は反応しないぞ。
※ ランティシ暗殺
なんでイスラエルが更なる暗殺に踏み切ったかと言えば理由は単純で、ヤシン暗殺で、ハマス側の報復がほとんど無かったからですね。あれだけパレスチナが怒りで燃え上がりながら、ヤシンに殉じて爆弾攻撃しようという連中はほんの僅かだった。それどころか、相変わらず年端もいかないガキをだまくらかして(パレスチナ側はこれをしてイスラエルの自作自演だと苦しい弁解をするしか無かった)、テレビカメラの前で爆弾攻撃させるような無様なことしか出来なかった。はっきり言って、ファルージャの連中と全く違って、全然覚悟が無い。デモには参加して復讐を叫ぶけれど、それだけの連中だと見切ったから、イスラエルは次の指導者の暗殺に踏み切った。アメリカほどバカじゃないから、イスラエルはこのままハマスの掃討を続行し、終わってみれば、テロ集団も消えて、アラファトにとっても双方万々歳という結果になるかも知れない。
ハマスの幹部にしたって、占領慣れして、若者に爆弾抱えさせて死なすのは構わないけれど、自分が死ぬのは真っ平という連中ばかりですから、その内、和平に応じる指導者が現れてバックハンドでイスラエルに泣きを入れることになるでしょう。この辺りが、まだパッションに満ちているイラクとの大きな違い。
ただ、和平というのは、あくまでもイスラエルにとっての和平ですから、決してパレスチナにとって歓迎できる枠組みで平和が訪れるわけじゃない所が、この問題の出口の無い所です。
※ 使える無人ロボット
12CHの朝の番組だったかな。結構これは凄いというロボット兵器が紹介されていました。大きさは、面がB4くらいで、キャタピラが四つ付いている。つまり前後左右と四つあるわけですね。それにただカメラが付いているだけの代物でして、別にそれで何が出来るわけでも無いんですよ。ただこれが凄いのは、乱暴に放り投げて地面にクラッシュした後でもちゃんと作動している。つまりどういうことが出来るかと言うと、敵が立て篭もる家の窓をぶち破って、そこからこのロボットを放り込めば、ロボットはざっと周囲を観察した後、移動できる場所を勝手に探してさっさと移動し始めるらしい。
すでにイラクに実戦投入されているとのことですが、陸軍用で使える無人ロボットって初めて見ましたね。
※ 猩紅熱(しょうこう熱)
月曜朝一で長男再診。症状は軽いものの溶血性連鎖状球菌感染症、いわゆる溶連菌感染症と確定する。この病気は、子供の間では極めてポピュラーな感染症ですが、抗生物質が無い時代は猩紅熱と呼ばれ、法定伝染病に指定されていたらしい。
所で、父親も朝から喉が痛い(-_-)。しかも酷い倦怠感がある。思えば、先々週、風邪にお決まりの鼻、喉の発症が無く熱だけで私が風邪と自己診断したのは実はこれでは無かったのか。それが息子と親父の間で伝染を繰り返していたのではと今になって思う。
11時半、親父の熱が37度に上がる。14時半、37度7分。今回はきっぱり諦めて病院に赴く。したら、先々週のその熱は単なる風邪で、今回のは息子さんのが遷ったのだろうと説明を受ける。珍しく後日の再診を求められる。トローチ、クラリス(感染症)、ブルフェン(消炎剤)の処方を受ける。
風が強く、急に曇ってきたので、ついでに買い物。買い物の帰りに、除湿剤を買って帰ろうと思い立ったら痛い目に遭う。まずマルエツ別館にまだ売っていない。マツキヨを探すが、あるにはあったが350ミリ・リットルの小さい奴しか無い。やむなくまた駅方向へと引き返し、灰吹屋にて450ミリパック3個入りを六つ買い求める。さすがにこれは重かった(>_<)。動悸で目眩を起こしながら帰り着く。脱力感激しく、水銀体温計を振る腕に力が入らない。夕食後、37度9分。軽度の目眩あり。
月曜夜、大事をとって21時には寝るが、全く熟睡できず。長男共々異様に眠りが浅くて30分置きに目が覚める。喉の腫れも酷い。火曜早朝、熱は8度2分に上がる。どうやらこれからがピークらしい。
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コメント
ロボットといえば最近のビックトピックスはこれでしょう(^_-)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0325/tmsuk.htm">http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0325/tmsuk.htm
マスタースレーブシステムですから戦場投入も近いような(マテ)
投稿: 七師三等兵 | 2004.04.20 08:00
ああ、これ良いですよね(~_~;)。
ただ私、この手の地上展開のロボット兵器に関しては、必須の条件があると思うんですよ。それは、少なくとも大人の肩幅サイズで、厚みも人間程度で、いざという時は、壁の隙間を人間と同様に横歩きで移動できると。
ただ防弾性能という点だけ考えても、これは無理な要求なんですよね。
投稿: 大石 | 2004.04.21 08:16
主砲は100mmライフルで決まりですな
投稿: GMII | 2004.04.23 19:05