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2004.04.25

バッシングを考える

※ NHKダウン症特集

 中年@オヂ、バスタオルで顔を拭いつつ見る。・゚・(ノД`)・゚・。。すげえな、NHK、明治生命のCMを流すんだもの。

※ バッシング(批判)を考える

 まず、国家には自国民を保護する無限責任があるかのようなことを言う人々がいますが、少なくとも国境線の向こうにおいては、それは極めて限定的な義務であることをわれわれは認識すべきでしょう。もし、外国で災難に陥った自国民を救出する義務が国家にあるとしたら、それは、相手国の主権を侵せと言っているにも等しい。
 せいぜい国に出来ることは、そこで主権を持っている相手国政府に対して、自国民に庇護の手を差し伸べて下さいと要請するくらいです。イラクでは、主権を持っているのは今はアメリカだから、本来、あそこで起こったことの責任と義務は、アメリカ政府が負うべきことです。
 われわれはしばしば世界の隅々まで特殊部隊を送り込んで自国民保護に邁進するアメリカを礼讃し、無力な日本国政府を笑いものにしますが、アメリカが普段やっていることは、本来、相手国の主権を侵す単なる侵略行為です。

 あと、何だか自作自演説はすっかりなりを潜めましたね。自作自演説が出て来た背景には、政府は3人を救出せよ、救出するためにさっさと自衛隊を撤退させろという声が、あたかも国民運動のごとく燃え上がることを恐れた政府が、公安を使っていい加減な情報をばらまいたわけです。マスコミが最初に自作自演説に傾いたのは、産経が報じた、文面がとある極左集団に似ているというものが最初でした。以降、公安は片っ端から、国家権力を疑うことを知らないウブで長閑で、かつ公安リークをまるでお貸し下げ情報のように有り難がるマスコミ関係者に、片っ端から情報をリークして行く。ま、でも公安にしても、公安の提灯を担いでまんまと乗せられた気の毒なマスコミ関係者にしても責めることは出来ない。なぜなら、彼らは分析能力がゼロだから(~_~;)。人から言われりゃ信じる純朴な人々です。今時、奇特な人々だから、人間国宝にでもしましょう。
 少なくとも、海外で起こった事態を分析するような能力は日本の公安にはありませんよ。あれ、あの人たちは、別に自作自演説をでっち上げた訳じゃなく、結構大まじめに信じていたんだと思いますよ(~_~;)。無知を責めるのは気の毒です。たとえ国家機関の状況分析能力や妄想癖が2ちゃんねら~レベルだったにしても。

私は、政府にしても、ネットにしても、海外から批判されているようなことをこれまで述べてきたわけですが、政府に関しては、ちょっと情けないと思います。せめて閣僚の一人くらい、あの戦場に踏み止まり、活動していた人々を称える、日本人として誇りに思うと言って欲しかったけれど。如何せん、北海道家族が拡散させた印象は、最低最悪だった。政府と言えども、判断して行動するのは個人ですから、あそこまで非礼に出られて、それでも捕まった3人を誇りに思うとはなかなか言えないでしょう。しかも家族は、人質救出というデリケートな問題を政治的 issue にしてしまった。
 もう一つ、この問題をバッシングという一方通行にしてしまったのは、メディアの身勝手さですよね。自分たちがさっさと逃げ出した祭りの会場に踏み止まって活動している連中がいる。その事実は、少なくとも先に逃げた側にとっては、決して嬉しい話じゃない。だから、メディア自体が、あそこに残って取材するという行為を、無謀さに転化して批判した。何しろ彼らは、三人の勇気を称賛したら、「じゃあどうしてあんたたちは逃げ出したの? 勇気をもってあそこに踏み止まろうとしなかったのだ」という批判を今度は視聴者や読者から招くことにもなるから。驚くべきことに、多くのフリーランスのジャーナリストたちまでもが、三人の行動を無謀だと批判した。彼らにとって、一生の汚点になるでしょう。あんたたち、二度と戦場取材なんか行くな。そもそも、戦場(だった)取材しか行ったことが無いから、危機管理が自分は出来るなんぞと錯覚する。
 しかも、彼らの全員が、政府はあそこに民間人にいて貰って、人質なんぞになられちゃ困るんだという、政府側の論理に見事に嵌ってしまった。

 ネット上(2ちゃん)でのバッシングは、はっきり言うけど、単なる嫉妬ですよ。自分たちも一匹狼としてあんなことやりたいけれど、その才能も勇気も無いという嫉妬。あれは、何だかこの国の行く末を暗澹とさせる連中ですね。本来なら、国に迷惑掛けることになってでも良いから、俺もいつか同じことをやってやるぞと決意する若者がああいう場で出てきてこそ、健康な社会だと思うのですが。
 ま、彼らに続く健全な若者が、また世界へと羽ばたくだろうことを期待しましょう。

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