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2004.10.23

災害でヘリは飛べたか?

※ 出張旅費訴訟初弁論 知事側が争う姿勢
【また、原告側は出張での公務と私用の区別を明らかにするよう求めましたが、被告側は、知事の行動について「全てを把握している訳ではない」として応じない考えを示しました。】SBC
【さらに、知事側は「(知事の)私的旅行部分の旅費が混入している部分を具体的に示せ」などと求釈明。これに対し、住民側は知事が出張中に行った公務と私用の割合を具体的に示すよう求める準備書面を提出し、「公金の支出であり、公私の区別は県側が明らかにする必要がある」と反論した。】信毎

 酷い展開ですよね。県側は、ある時は「その行動に問題は無い」と言い、ある時は「やはり問題が無いわけではないので、支出方法を改めます」と言い、またある時は「知事の行動の全てを把握しているわけではない」と弁解する。
「知事の行動の全てを把握していない」というのは事実だろう。何しろ議会中に女ち大生とのぱーちぃに出掛けていたなんてことも事後に知ったくらいだから。だったら、「行動を把握できない」と一方で正直に証言しているのであれば「その行動に問題は無い」なんて判断が出来るわけないでしょう。
 しかも、一方で、旅行命令書から私的部分は削除するなんて隠蔽工作を率先しておきながら、原告側に公務私用の証拠を出せなんて無茶苦茶なことを言っている。挙証に行政側が協力するのは司法の場においては世界的な流れで、田中康夫のような開明的な知事様がそれに反対するとも思えないが、文書を抱え込む側がそっちに証拠を出してみろと開き直るのはどうかと思うぞ。

※ 山口村合併「議員提案は可能」 総務省が県会に見解

 これは当然の流れだとは思います。ただ私が一つ疑問に思うのは、議会制民主主義というのは、首領と議会が、セカンドベストを求めて、互いがより優れた着地点へ向かって妥協を重ねる作業だと思うんですよ。
 所が、ここに、自分のことしか考えない知事が現れた。県政は置き去りにされて、支持率が下がってももう気にしない。セカンドベストなんてことは念頭になく。自分が東京のメディアに取り上げられることしか頭に無い。県民はその当たりのことを見透かしているから、県議会が一人で責任を果たそうとすることにも十分な理解と支持を与えてくれる。
 ただ、本来で言えば、これは邪道なことですよね。行政が想定していない事態。私が危惧するのは、長野県においては、正義は議会にあると県民のマジョリティが判断してくれる。じゃあ余所の、県議会が旧態依然とし、改革派知事が孤高で頑張っている所で、類似の問題が発生したら、県民の支持が県知事側にある時でも、国が了解すれば、県議会は知事を蔑ろにして物事を進めて構わないという前例を長野で作りつつあるのではないか? という気がちょっとするんですよ。
 今回は、国側の了解があるから、知事を置き去りにしてたぶんスムーズにことが運ぶんでしょう。それに県民も理解をくれることは間違いない。ただもし余所で、県民世論の支持がないと見た国側が、「それは無理だろう」という状況が発生した時に、「でも長野では国は了解したじゃないか?」と議会側に詰め寄られた困りますよね。

※ プロ野球裏金

 私、これの何処が悪いのかようわからんのです。
そりゃ巨人の四番打者みたいに、親の借金の肩代わりに10億も積まれて大リーグにも行けないとかいうのならまだ解ります。そんな金額は巨人しか払えないから、他球団にとって不公平になる。

 ただこれ、腕一本で喰って行こうという奴が、いくら高くふっかけようが個人の自由ですよね。税制上の問題は生じるだろうけれど、それは所得を申告しなかった選手の側の問題であって球団側の責任じゃない。
 規約上いろいろあるのかも知れないけれど、何を今さらこの連中は道徳ぶって、あげくにファンまで怒っているんだろうという気がするんですが。何かこう、メディアもファンも、札びらで女を手籠めにする金持ち球団と同列に見ているような気がして。
 てか、ライブドアに対してアダルト・サイトを責めたことって、明らかに自分たちの首を絞めているとしか思えないんだが。企業経営、そんなに品行方正なことばかりじゃ済まないでしょう。

※ TDSピ~ンチ!

 変電施設の事故らしく、ひとまず原因も判明して、今日からは無事らしいが、こんなことTDRも含めて初めてですね。ちょっと心配なのは、オリエンタルランドだから、変電施設なんて、たぶん国内で最高のクオリティのものを最高の維持コストを掛けて運用しているはずです。それがなぜ故障したのか? たぶん外部委託を安く上げようとしていく流れの中で、何処かでたがが緩んだということなんですよね。

※ バス遭難、ヘリは飛ばせたか?

 舞鶴でのバス遭難ですが、もっと早く、ヘリは飛ばせられなかったのか? という意見が出てきていまして、当然の疑問だろうと思います。
 あれは、いよいよとなった夜9時頃の時点では、すでに雨もあらかた上がり、風も弱まっていた。あれが昼間ならヘリは飛ばせていたでしょう。
 じゃあ、夜に、自衛隊ならヘリを飛ばせたか? と言えば、これは例えばそれを命令できる権者が石破さんのような、その兵器で出来ることと出来ないことを理解したヲタ長官であっても、たぶん躊躇ったことだろうと思います。
 GPSマップが装備されるようになった今でも、地表付近を這うように飛ぶというのは、とても危険な行為です。それは昼間であっても。なぜなら、日本という国は、そこいら中に空中線が這っているわけですね。それはマップには完全網羅されていない。昼間であってすら見落とす。まして夜間となると状況は更に過酷になる。暗視装置は、それら空中線の在りかをキャッチしてパイロットにアピールするまではまだ進化していない。

 じゃあ手は無かったか? 少なくとも現場状況の把握という意味では、RE-4E偵察機を飛ばせば良かった。残念ながら今回の台風では、百里基地が台風の針路上に当たり、運用は困難だったけれど、台風の針路に合わせて、部隊を南へ事前展開させておけば良かったわけですね。たぶん高空から、現場の写真を撮影できたはずです。夜間飛行の技術も日航機墜落事故の頃よりは向上しているわけですから。
 RF部隊に関しては、もういい加減、「夜は危険だから」という言い分は、国民的には通用しないのではと思いつつあります。
 この問題に関しては、やっぱり災害派遣を要請する自治体側と、自衛隊との間に、どうも意思の疎通を欠く状況があるように思えます。つまり自治体レベルでは、状況が見えないなぁ……、でもこの天気じゃヘリは飛べないな、という諦めがある一方で、空自はファントムという偵察部隊を持っていて、それは現場まで一時間で飛び、一時間で基地へ帰り、一時間後には、鮮明な偵察写真が出来上がっているという知識が無いわけです。その存在を知らないものに対して出動の要請しようがない。

 私は、こういう天気の時は、RFを日本中の基地に分散させて、少なくとも台風が過ぎ去った後には、現場まで30分で駆け付け、現像ユニットも前進させて、発令から2時間内で写真電送できるような制度を設けるべきだと思います。それは防衛庁と総務省の話し合いで出来るわけです。首相が号令一下すれば部隊は動く。

 もう一つの解決策は、やっぱり雲が低く垂れ込め、RFも飛ばせられないという状況も起こりうるわけで、こういう時には、UAVの出番ですよ。これなら、各県に配備できる。防災ヘリを運用する部隊で訓練させて、ヘリが飛べないんだったら、UAVで現場把握しましょうということにすれば良い。
 しかもこれは、実は今でも、国を経由せずに買えるんですよ。イスラエル製のUAVなんて一千万しませんよ。それを買って、防災ヘリの格納庫に置いておけば良い。それは自治体の判断で購入できる。ただ現状は、県で買えると言っても、その原資は国から来るから、総務省が「買っても良いよ」と了解しないと、なかなか踏み出せない。どこか、うちが率先して運用実績を作ってやろうという所で無ければなかなか踏み切れない所はあるでしょう。
 固定翼と回転翼のUAVをセットで持てば、固定翼でいち早く現場監視、回転翼で救助具運搬ということだって出来るでしょう。この最新技術に目を向けない手はない。
 それに国単位なら、グローバルホークみたいな大型のUAVを台風の上に上げておいて、いざ災害が発生したら、いち早く現場に降下させれば良い。ひょっとしたらパトカーより早く現着できますよ。

※ 金曜午後

 週アス、NWJ、映画秘宝を持って中公へ。週明け火曜発売の新刊「魚釣島奪還作戦」の見本を貰い、ハードカバーのゲラ、タイトル、装丁の打ち合わせ。二文字のタイトルから、11文字のタイトルへ変更し、装丁のイメージを決める。
 夕食して帰り、映画秘宝を読むが、やっとガース&ウエインの対談頁まで漕ぎ着けた所で高津着。カラー頁にして、雑誌冒頭に持って来るべし!

※ メルマガおまけ 土曜の朝

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コメント

>パトカーより早く
 燃えますね。
靖国なんぞで不気味さをまき散らすのに比較して、
1000倍国に守られている安心感を信じられる。
 居丈高に自己中毒の主義ばかり振り回しても、
肝心の時に、他人事のように嘆いてみせるばかり
の無能さで首相になれちゃう国なんだよな。
 あいつが最高指揮官になったとしたら、そうや
って大した工夫もしないで一般の犠牲を嘆いてみ
せるんだろうな。

投稿: タイフーン部隊 | 2004.10.23 12:27

http://www.eorc.nasda.go.jp/INSAR-WS/meeting/paper/j1/j1.html

自衛隊なんて要らないのです。
これをもう四機用意すれば、補用含めて足りるんです。写真では夜や雨は不向き。昼で晴れてたらRFでも報道ヘリでも充分。夜間や雨の備えはPI-SAR。

投稿: sionoiri | 2004.10.23 20:07

富士重工で開発しているヘリ型のUAVが制式化まぢかだったとおもいますが、
あれなんか活用出来そうに思うんですけどね。
各県単位の予算なら数も揃えられるだろうし、自衛隊への調達単価を下げるいい理由が出来る
…昔のジャンビー、もといメガクルーザーの時のように財務省のよくわかっていない官僚が横槍入れなければ。ですが。

投稿: Artane. | 2004.10.24 03:10

 地震は完全な奇襲ですね。
台風のように来ると分かっている物と比べて、避難所すら
用意できない状況をみて、気がつかされました。

 秋の週末ですから、谷川岳登山の方々もいるでしょうけど、
大丈夫だろうか。

投稿: 当たり前だけど | 2004.10.24 09:55

航空機搭載SAR
これは分解能はどのくらいまで上げられるんですかね。
それが結構大きな要素になると思いますが。

富士のあれは駄目っす。
1機のシステムを億単位にふっかけて防衛庁に売っているから。
正直、あの価格が日本に於けるUAVへの情熱に水を差した部分は大きいと思う。たいしたこと出来ないのに、有人並みの値段とあっちゃ、買えるのは防衛庁しか無いもん。

投稿: 大石 | 2004.10.24 10:52

PI-SARって、軍用技術が民生に降りてきただけで、
自衛隊は解像度は低いもののすでに持ってますけどね。

投稿: とおりすがり | 2004.10.24 11:05

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