証券市場は無法地帯?
ダーティボマー下刊、すでに都心部では昨日から店頭にある様子なので関東一円では、私鉄沿線の書店まで行き渡っていると思います。全国的には明日発売です。さっき、見本が届いたので、これからスキャンしてサイトに飾ります。中身の解説は明日。
長男、結局夕方まで熱は下がらなかったものの、熱以外の症状が皆無だったので、そのまま寝かせておく。夜に入り、熱は7度台前半に下がる。結局、インフルエンザでは無く、単なる風邪だった模様。
※ 情報公開問題 公文書、また「不存在」 読売長野
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news001.htm
昨日の続報で、早速読売が、あれは「公文書」だろうと噛み付いた。
【特定の報道機関を対象に情報公開請求件数などを調べた内容で、担当職員も文書の作成・保存の事実は認めているが、「個人メモであり、公開対象ではない」と主張している。】
案の定、データはまだパソコンの中にあるんだが、メモだから出せないという話。知事から命令されて相当の時間を割いて作った文書(そもそもどんだけそれで手間暇掛けたかを記しているらしいが)を「個人メモ」じゃ済まないでしょう。
職員の皆様に注意して欲しいのは、田中県政は、どう転んでももう1年半で終わるわけです。ひょっとしたら、SOで総理と皇太子に挟まれた勇姿がカメラに撮られ、そののち小菅に収監される時に、「これが田中康夫の花道でした」と解説付きで流されるかも知れない。
そういう状況下で、田中康夫の不祥事の証拠隠滅に貢献しても、何の得もありませんよ。良くて残りの公務員人生を、県庁から3時間の僻地で終える羽目になる。最悪の場合は、「田中県政検証委員会」に呼び出され、それが百条委員会という形になって、刑事告発される可能性もある。そこいら辺のこともあって、今ボロボロと、無いはずの文書が出てくるわけですね。知事案件の文書やデータ、メールは、どんなに些末と思われても、今の内にバックアップを取って保存に努めて下さい。でないと、思わぬ形で火の粉を被る羽目になるでしょう。
今、出す出さないの判断はこれは小さな問題です。出さないことに固執しても、それは田中の失点になるだけで、本人が傷付くことはまあ無い。ただ、記者にはこっそりと耳打ちしましょうね。それが後日、保険になるから。
* 明日は、追撃さんのスクープの、パークハイアットで後援会の活動費を70万すっちゃった件に関して書きます。何に使えばこんな金額が出ていくんでしょうね。ちょっと想像が付かない。
http://blog.goo.ne.jp/tuigeki/
※ 差し止め仮処分申請?
CX側は、これが切り札だ! みたいな晴れやかな顔で、ホリエモン側は、いよいよ手がない表情と深夜の会見内容だったんだが、この新株の積み増しは商法違反でしょう。たぶん差し止め停止の仮処分申請は通ると思いますよ。それでたぶん、高裁レベルに上がると、政治判断が入るから、CXオッケーよ、みたいになるかも知れないけれど、むしろCX側は、それによる時間稼ぎで、ホリエモン側がタイムアウトになることを狙っているんじゃなかろうか。3月2日までにホリエモンが51パーセント取得すれば、新株発行をチャラに出来るとかいう話も出ているけれど、これだって33パーセント? を確保しただろうCX側に拒否権を発動されるだろうし。
あと、ホリエモンが、自社サイトの動画ニュースで、メディアと一体になることの陳腐で幼稚なシナジー効果をぶち上げているけれど、あれ駄目でしょう。あんなことを今時のIT企業の最終面接で喋ったひにゃ、「君、センス無さすぎだから、余所当たってくれ」と門前払いされるのがオチですよ。
ぶっちゃけ、今時ネットと既存メディアのシナジー効果なんかありゃせんのですよ。そりゃもともとのグループ企業が、どこかと安く提携するとか、既存メディアがネット会社を買い叩いて始めるというのなら、それも金掛けた程度のことはあるだろうけれど、そんなもん会社の稼ぎを越えた金掛けて、買収してシナジー効果なんかあるわけがない。少なくとも、買われる側には皆無。
※ それで、週刊ダイヤモンドのコラム「プリズム」です。執筆者は辻広雅文という方です。前編集長という形になるんでしょうか。
【 証券取引法の第一人者である上村達男・早稲田大学教授は「資本市場、企業経営に関して規制がせ少なすぎる」と警告する。たとえば、持株会社は経営者の自由度を飛躍的に拡大したが、一方で、子会社の経営者が不祥事を起こしても、事実上、株主代表訴訟は及ぼさない法制度になっている。】
本来、特定株主に有利な不透明取引を防ぐために、市場外で買い付けるTOBを義務づけているのに、一方で、市場内取引として、TOBのような情報公開を必要とせず、しかも合法な「時間外取引」という手段もある。ただしこれは、証券法の理念、意図からは外れているのではないか? という主旨のコラムです。長さは、敢闘言とほとんど同じなので、ぜひ立ち読みでもして下さい。
中にも、記者の署名記事がありますが、こちらはライブドア有利説なんですよね。で憂国阿呆談はどうか? 時間の無駄ですから、読む必要はありません。地球資源の無駄遣いの最たる事例です。証券会社の広告でも入れておきなさいって。
※ 「内部告発で報復人事」富山地裁認定 運輸会社に賠償命令
トナミ運輸 内部告発 5400万円の請求でたったの1356万円
火曜日の夕方の日テレのニュースで、かなりの時間を取って、ご本人夫婦のレポートがあった。このトナミ運輸のトラックは、首都圏でも頻繁に目撃します。サイトを見ると、従業員5,462名 とある。あの講談社ですら千人しか社員がいないことを思えば、とてつもない大会社ですよね。そんな大会社で、こんな無茶苦茶なことが30年間も放置されてきた。意見を言える株主はいなかったのだろうか?
これは日本ならではでしょうね。アメリカなら懲罰的賠償金が課されて、たぶん100億円単位の慰謝料の支払いになるでしょう。
結局、こういう状況を許しているのは、裁判になったら負けるだろう、でも課される慰謝料は知れているから、人事管理の面子を守るために、これをごり押しするんだという、組織防衛の無茶が通ってしまうんですよね。日本の企業風土の中では。三菱の問題だって、根底にあるものはそれで、たとえ死者が出ても、こっそり裏で賠償した方が安くつくという論理。
アメリカの懲罰的賠償金はいささか度が過ぎているものだから、日本の司法界も経済界も、あんな無茶な制度はと二の足を踏むけれど、この手の明白な企業犯罪に関しては、もう少し賠償金を引き上げるべきではと思うのと、この人を救済して、会社に懲罰を与える手だてが個人の民事裁判しか無いというのは、じゃあこの半世紀の労働運動は何だったの? という徒労感に見舞われる。どこかで救済して、会社に懲罰を与えられる制度を設けておくべきだった。それこそ人権侵害で経営者を刑事告発できるくらいの制度を。
※ 皇太子発言
新聞社のサイトとかだと、断片的な発言しか伝えられなくて、「天皇にお詫び」というヘッドラインを持ってきた社もあったけれど、その後にすぐ国民へのお詫びの言葉も続いている。これも書かなきゃ駄目でしょう。こっちがメインなのだから。なぜこれを言うまでに一年間もかかったのか? という疑問はあれど、総じて完璧な会見で、よく練られていた。女房が快方に向かっているので気持ちに余裕が出てきたことの表れでしょう。
でまぁ、娘への教育論の話になるわけだが、昨日のテロ朝朝刊瓦版で、「あれは文科省への批判だ」と大げさに解釈した憂国コラムニストもいらしたけれど、そんなに大げさに取る必要はない。
日本社会においては、家父長的な存在たる天皇の世継ぎが、ちょっと下々の家庭の現状を憂えて、極めてソフトに、もっとしっかり子育てしましょうよ、と範を示したということでしょう。なかなか好感が持てる会見内容だったと思う。ブログでも始めたらどうだろう。>皇太子
そもそも、天皇の世継ぎの声が、こんな稀にしか国民に伝わらないというのは問題だと思うが。
※ TBSの金平氏が受賞 04年度のボーン・上田賞
めでたいことではあれど、この人は記者職より裏方の方が上手い仕事をするんですよねぇ。早く日本に戻して、筑紫さんと、ぞくぞくするよな左翼偏向番組を量産して欲しい!
※ 清谷信一ブログ
http://kiyotani.at.webry.info/
もっぱら海外でばかり遭遇する清谷氏のブログを発見との報せあり。
※ メルマガおまけ 不出来なマニュアル
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コメント
フジテレビの完敗ですね。フジの言い分が通るようなら、日本の株式市場は崩壊でしょう。
投稿: 斉藤久典 | 2005.02.24 11:19
http://www3.shlbiz.jp/qa/hr/messages/2005/Feb/21_1.html
投稿: sionoiri | 2005.02.24 12:42
某掲示板でも今回のフジの商法違反行為の件は話題になっていたのですが、
フジサンケイグループは政財界の保守派〜極右派御用達のマスコミコンプレックスだから最大限保護されるのではないかという意見で合意しましたね。
ほりえもんも賢いと言うか運が悪いというべきか、ターゲットが朝日や毎日グループだったら、政財界からここまで叩かれないで済んだでしょうね。話題にもならなかったと思うけど。
投稿: Artane. | 2005.02.24 13:14
ライブドアの時間外取引だって褒められたものじゃないでしょう。「直ちに違法とは言えない」というだけのこと。フジの対抗策にばかり目くじらを立てるのはダブスタと言わざるを得ない。
外資による買い叩きとか敵対的買収に対する備えが未熟な現状は、早急に改める必要がある。
だが、制度の不備を突かれたら唯々諾々として従えというのは法匪の理屈だと思う。
投稿: | 2005.02.24 13:18
時間外取引は、ソフトバンクが使っていた手法ですね。それが今ではプロ野球のオーナーです。結局のところ、完璧で褒められるような企業や組織というのは、あまりないのだと思います。どういう短所を受け入れて、どういう長所に満足するかという選択しか現実的にはないように思います。
投稿: 斉藤久典 | 2005.02.24 14:26
新株発行目的に大義名分を立てずに正面突破は驚きましたが、
結局はライブドアにどこまで持久力があるかどうかです。
ホリエモン社長自ら、リーマンがうちの株を
ずっと持っいるリスクを冒すわけがないとおっしゃり、ライブ株がリスクだと認めています。
リーマンが淡々と800億の回収を始める来月から株価が
更に下落するのは必定です。
当然ながら今回のMSCBで大量に株を買ってくれていた
パトロンみたいな人たちにも相当損させているので
支えるにも躊躇するでしょうし、
ましてや個人投資家が支えきれるわけがありません。
この会社はM&Aで会社を大きくするのが
目的の企業ですので、
株価が下落するとM&Aを成功させてきた株式交換や
新株を発行して市場から資金調達するのも厳しくなります。
そこで再びMSCBを発行となれば、
過去企業を葬り去ってきたMSCB中毒になるのですが、
それは先の話ですね(ちなみに現預金は160億円だそうです)。
またフジが商法違反でもそれはそれでいいのでしょう。
この場合、ライブドア側がニッポン放送を増資させる事も
大義名分次第とも言えますが、商法違反ですから。
さて、ライブの持久力がどうかとは言ってきましたが、
外資規制で外堀、TOB33%超(らしい)と増資で内堀を
埋められつつあって、フジ・大和連合軍に
ライブドアが勝てるわけがありません。
もっとも発行時時価総額2400億の会社が
MSCBを800億発行した時点で自壊してますけど。
それにしても、ホリエモン社長のコメントは
そっくりそのまま本人に返せる所が、少々痛いです。
投稿: さーもんさんど | 2005.02.24 15:23
ニッポン放送の新株予約権については、テレビ東京のWMSで堀古さんの解説が最も的確です。日本の裁判所は、ライブドア側の差し止め請求を認めるでしょう。
投稿: 斉藤久典 | 2005.02.25 09:02