脱線事故
月曜、朝一で薬屋に出掛けて帰宅したら、通勤電車の事故。ああ、10人は死んでいるなぁ、と思いつつ時間は経過してゆく。
JR西日本の最初の記者会見をライブで見る。一人、しょうもない記者が、「人が死んだのになんで事故原因が解らないんだ!」とキレている。あの場に自分がいてP226でも持っていたら、間違いなくドタマ吹き飛ばしていたね。何処のバカ記者だったかぜひ会社名と名前を知りたい。
この世でもっとも社会常識に無縁なのはブン屋という現実を目の当たりにする。しかし会見に応じるJRの幹部は終始冷静だった。メディア対応の訓練でも受けたのだろうか。
死者が25人まで増えた所で寝る。夜7時半に起きると50人に増えている。理解できない。通勤電車の速度が上がっているのに、車両の堅牢さは逆に年々損なわれてしまったということだろうか。ドイツでの高速鉄道の事故を思い出させる光景。
* お昼のニュースの時点ですでに付近に複数の大型テントが展開されていた。さすが、神戸震災を経験しただけのことはある。即応態勢が整っている。
* お昼の時点で、現場の記者とスタジオのやりとりで、「ヘリが煩くて聞こえない」というシーンが何度もあった。状況を考えると、中に閉じ込められた被害者と救急隊員の会話を妨害し、被災者の精神衛生にもよろしくない。自主規制なんて無理に決まっているのだから、そろそろ法整備すべきではなかろうか。ヘリなんて代表取材が一瞬飛べば良い。
* 個人情報保護法が施行されて、病院も患者のプライバシーを守らねばならないわけだが、こういう時はどうすれば良いんだろう。家族が身内の消息を探すために、片っ端から病院に電話を掛け続けるのは全く非合理な気がするが。身元は解らないにせよ、どこかで、収容者のID、特徴の一元管理をすべきではないか。
やはりこういう大規模災害で必要なのは、役場横断で全てを一元管理するための緊急事態管理庁のような存在なんだが。
* 「救助・医療に万全」など確認、6省庁が局長会議
つまりはこの連中が主導権争いするから緊急事態管理庁は出来ないわけだ。
あっぱれ。望んでもこんな偶然は得られない。
* 置き石説。時間帯を考えると、あり得ないのではないか? あの時間帯のあの路線って、何分置きくらいで走っているんだろう。てか、JR側からその情報を出すのは拙いだろう。こういう時は警察がリーク。当事者側はノーコメントでしょう。
* テロ朝報ステで、娘を捜し回る父親の姿を追っていたが(結果的に死亡が確認)、日常生活の延長で家族が突然亡くなるというのはどんな感じだろう。想像も付かない。
くだらない。
いわゆる外務省機密漏洩事件、沖縄返還密約事件ですね。事件が終わってみれば、情報をリークした女性職員と記者の愛憎劇になっていたわけだが、スクープした情報はそもそも違法なのだから許されるというのは、法理としては正しいかも知れないが、果たして日本の法廷で通るのだろうか。
飛ばすからなぁ。これがドイツだと、飛ばすけど、車両整備はオッケー、路面もオッケーだが、フランスになると、整備駄目、路面駄目、おまけにドライバーはどいつもこいつも警官まで真っ昼間から飲んで飛ばすから……。
※ 汐留コンラッド開業
ヒルトン系列の最高グレードで、一泊5万円からで、田中康夫が早速、後援会の浄財で泊まるんだろうが、5年も持てば良いけれど。あのエリアのホテル競争は、度が過ぎているとしか思えない。お台場方面に近いという以外のメリットは何にも無いんだよね。TDRが近いと言っても、ファミリーユースのホテルじゃないし。
品川駅を利用する新幹線出張族にとっても、価格帯は高すぎるし。いったい何を当て込んでの競争だろう。
※ メルマガおまけ 使えないドラッグストア
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コメント
>車両の堅牢さは逆に年々損なわれてしまった
その通りです。
車輌にしろ、建築(私はこっちが専門ですが)にして、年々軽量化に重点がおかれて、安全性は度返しされてしまってます。
原因は未だ不明ですが、被害が大きくなった一端は、この過度な速度重視による軽量化があると思います。
投稿: 颶響庵 | 2005.04.26 09:30
メルマガって申し込むとバックナンバーも読めるのですか?「使えないドラッグストア」とあったので興味が沸きました。
私はかつてバイトでドラッグストアの管理薬剤師をやっていたことがあって、あそこが単なる小型スーパー以上でも以下でもないことは知ってます。時間給でたまにやってくる薬剤師よりも、長時間勤務している一般店員の方が商品知識に詳しいことは多いし、薬の知識そのものも、薬剤師はあまり教育されないです。
コンビニで薬を売らせてよいかどうかなんて議論が進んでますが、すでにドラッグストアは食品売らないコンビニみたいなもので、薬剤師の給料分だけ消費者が損してます。
投稿: 井上 | 2005.04.26 09:48
日テレ系の情報番組で旧国鉄出身の学者さんが現JRの安全体制の杜撰さと安全への設備投資の少なさを指摘していたけど、
そういう報道って殆どないですね。
やはり、JRグループは大広告主だからマスコミはどこも組織批判を避けて運転手の資質に押しつけようとするのかなぁ?
JR東日本でも線路のクラックを放置しているのが指摘されているのを見たりすると不安です…
投稿: Artane. | 2005.04.26 09:51
キレたバカ記者が一匹いましたけど、他の記者はわりかし静かでしたから、それなりの教育というか、啓蒙は進んでいるのかもしれませんね。
独り、騒いでいたバカ記者だけが結果的に恥をかいたわけで、いずれ仲間内で「あいつはバカだな」という評価が出れば、それでよしでしょう。
投稿: 一三一 | 2005.04.26 10:01
P226とは、大石さんHK党じゃないですかって、最近ガスブロ出たから書いてみるテストでつか(^^)
投稿: 漏れも田中 | 2005.04.26 10:39
しかし今年に入ってからこの手の事故が多いですね。
東武の踏切事故もあったしJALやANAも問題起こしてたしこの間はセガの屋内テーマパークの事故で死者が出てるし。
投稿: 悪党の最後の逃げ場 | 2005.04.26 10:47
>この世でもっとも社会常識に無縁なのはブン屋という現実を目の当たりにする。
今朝の「情報ツウ」で、阿部リポーターが事故車と同系の車両を取材していたんですが、
駅に停まっている電車の車内やホームを駆け回り(人が少ないから問題無いってわけでも
ないだろうに)、挙句の果てには乗客の目の前で「断末魔」だの「車体が大破」だのと
大声で叫び出す始末。さすがに乗客へのインタビューまではしていなかったようですが。
取材拒否をすると一斉攻撃にあうだろうからJR西日本も駅構内での取材を許可したんでしょうけど、
あんな無神経な連中は締め出しても一向に構わないと思う。
投稿: 長月@ReadMe.毒 | 2005.04.26 11:20
>安全への設備投資の少なさを指摘していたけど、
電車が区間制限速度を超過していたのかすらわかっていない。使われていたATSは速度に関してはノータッチで、衝突を防止するだけ。
これでは安全装置とは言えない。
投稿: 井上 | 2005.04.26 11:54
To 井上さま
今回の事故とATSに関しては、2つの論点が混在しているように思えます。
(1)福知山線で使用されていたATSには、停止信号以外での速度照査機能があったのか?
(2)福知山線では、信号現示以外の速度制限における速度照査をしていたのか?
どんなに高性能なATSを搭載していた所で、カーブや勾配、分岐器などの速度制限に対する照査をしていなければ、決して今回の事故への対応策とはなりません。とは言え、ここまで来ると設備面よりも鉄道会社の安全に対する姿勢のみの問題でしょう。尤も、JR西日本がこの面で優れていたとは思えませんけどね。
投稿: 五月原清隆 | 2005.04.26 12:41
井上さんにたてつくわけではありませんが、
>これでは安全装置とは言えない。
という論調がマスゴミをふくめて見られます。
では、どういうものが安全装置なのか?
安全を突き詰めれば、人為のない「ゆりかもめ」のように無人運転するしかないでしょう。
そのためには現在の鉄道全般にわたって無人化を図ればよいわけですが、ATSの更新以上の莫大なコストがかかるし、
それでも「置き石」や「踏切進入」「ホーム転落」諸々の事故は防ぎ得ない。
JR西の肩をもつわけではないが、中央線の信号機改変ですら、システムダウンを伴うわけで、そう簡単にATSの更新をホイホイしなければならないという論もないと思います。
投稿: あんぶっしゅ | 2005.04.26 12:59
リスクとベネフィットとコストの関係ですね。
投稿: ATM | 2005.04.26 13:05
単に運転手が悪いってことだけじゃないの?
投稿: おめだ | 2005.04.26 14:02
全体として、ついに起こるべくして起きてしまった事故という印象があります。
・速達性にこだわるあまり、列車のダイヤが極端にタイトであった。まぁ早い話が「無理のし過ぎ」で、実際、各方面でなだれ的遅れが頻発していた。
・それをもっぱら現場職員を締め上げることでカバーしてきたため、過剰なほどの回復運転が行われる傾向があった。(この点で良い話は全く聞かない)
・過去の国鉄破綻の影響で組織の年齢構成に歪みがあったことや(40代中堅社員の不存在)、合理化圧力による人員不足や士気低下の影響も無視できないかと。
・近年は山陽新幹線の安全対策にリソースが振り向けられ、足元の投資が手薄になった影響もあるのだろう。
元を辿れば、「準公共財」である鉄道を、一事業体の負担でもって整備させることに無理があるのですけどね。この問題が改善されない限り、いずれ同種の事故は間違いなく起こることでしょう。
p.s.しかし、マスコミ連中の無知は相変わらずとしても、初動の段階で7両編成の列車を6両と錯誤し、誤った情報を垂れ流したのは何とかならなかったものかと……
せめて昼の段階で1両目の存在をアピールしていれば、先頭車両の救命率も目に見えて違ったでしょうに。
※編成長は社内の片町線通勤者や鉄道マニアに聞いても分かることだし、記者会見もあるのでさほど難しい話ではないと思うのだが。
投稿: @SCi | 2005.04.26 14:30
To @SCiさま
2ちゃんねる鉄道板では、午前11時の時点で、
・マスコミが先頭車だと言っているのは実は2号車。
・先頭車はマンションの中に突っ込んでしまっている。
という認識が一般化していましたね。余り2ちゃんねるをデータソースにするのはよろしくないとは思いますが、ことこういう事故に関する限り、強ち2ちゃんねるも捨てたものではないかも知れません。
まぁ、どんなに正しい議論がされようと、それが信用されない限りは意味がないのですが。
投稿: 五月原清隆 | 2005.04.26 15:05
直接安全性を増すわけではありませんが、電車の操縦系に運転速度記録装置すらなかったのは弁明の仕様もないんじゃないでしょうか。いわゆるフライトレコーダに相当するものがなかったわけですよ。
3次元を移動する飛行機と違って、電車は1次元のレールの上しか走らないんですから、変数は位置と時間の2つだけでよく、位置は自動車のタコメータ程度で十分精度が出せるんで、ほとんどコストはかからないと思う。
投稿: 井上 | 2005.04.26 15:09
>過剰なほどの回復運転
回復運転をしないと、「順法闘争」
「安全運転のための規定を厳格に行い、些細なことでも徐行・停止を繰り返す」
http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage269.htm
自衛隊と一緒で、違憲状態を運用でカバーしているわけだが。
ダイヤの遅れを創意工夫で補っている点に関してはいっしょ。
投稿: sionoiri | 2005.04.26 15:40
井上様
当該車両には車両モニタが装備されており、すでに事故調によって回収されております。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050426i108.htm
投稿: 長月@ReadMe.毒 | 2005.04.26 15:40
>車両の堅牢さは逆に年々損なわれてしまった
仮に車体がものすごく堅牢だったとすると、当然車体重量が大きくなるので運動エネルギーも大きくなります。また、マンションとの衝突の際に車体の破壊に使われたはずのエネルギーがマンションの破壊に使われることになります。そうなると、最悪マンションが倒壊し、被害はさらに拡大した可能性があります。また、どんなに車体が堅牢でも100km/h近い速度でマンションと衝突したら中の乗客にかかる衝撃はそれほど変わりません。むしろ今回の事故ではつぶれた1、2両目がクッションとなって3両目以降が助かった可能性が高いです。車両がつぶれずにマンションの構造を破壊しながら進んでいたら3両目以降も突っ込んでいたでしょう。テレビなんかではトンデモな評論家もどきが軽量車体を批判していますが、じゃぁこれが旧型の重い車両だったらどうなったか、といった話はあまり聞かれませんね。果たして被害は少なくて済んだのでしょうかね。
>安全への設備投資の少なさを指摘していたけど
事故が起きた区間ではすでに新しいタイプのATSが設置されていて運用開始間近だったようで、それなりの設備投資はされていると思います。軽量車体の件もそうですが、要は安全に対してどのくらいのコストをかけるのが適切か、ということだと思います。設備投資が少ないという人たちは運賃が今の2倍、3倍になっても安全対策を強化すべきとお考えなのでしょうか?
>列車のダイヤが極端にタイト
これはやむをえない面がありますね。関西は鉄道路線が多く、他の事業者との競争が激しいです。そうなると、速達性を重視せざるを得ませんし、しかも限られた線路容量で多くのお客を運ばなければならないので列車密度を高くせざるを得ません。
また、日本人はほんのちょっとの遅れに対してもものすごく厳しい。1分遅れただけでも苦情が来るそうです。現状はそういった部分を運転士の努力で補っているわけですが、それが限界を超えてしまった、ということでしょう。1分でも速く、また1分の遅れも許容できない、という意識が社会に存在する以上、こういった事故はまた起こるでしょうね。
>運転速度記録装置
これ、最近の車両には搭載されています。事故車も無事だった後ろ3両は新しい世代の車両だったらしいので搭載されているようですが。
投稿: 00 | 2005.04.26 15:57
暇なもので、昨日ニュースをずっと眺めていたのですが、この時勢でテロを疑う人が居ないんだな、と思ったのですが、やはりコラムニストのせんせいは言及していましたね。
(勝谷さん、嫌いではないです、むしろ好き)
テレビでは、平成3年の信楽高原鉄道事故の民事裁判を担当した弁護士が、早い段階から「置き石」を事故の原因と示唆したJR西日本を「責任逃れ」と指摘していました。
先の事故では、JR西日本は最後まで事故の責任を認めなかった前科があるので、仕方ないのか、と思ったり、ちょっと言い過ぎでは、と思ったり。
国交省の大臣も同じ事を言っていましたが、監督官庁にだって責任はあるだろう、何を偉そうに言っているんだ、とこれにはシラけました。
JR西日本はスピードアップに力を注ぎ、東海道線(愛称JR神戸線、JR京都線)の新快速は最高速度130キロで、車中の揺れと走行音は相当なものです。
もっとも、それ自体はサービスアップであり悪い事ではないし、新しい車両の軽量化もスピードアップと省エネ効果が期待できます。
しかし今回の事故を見ると、テレビの有識者が指摘していた、車両の側面からの衝撃への対策の欠如には、今後は対応が必要なのでしょうか。
しかし同様に軽量化が進んでいる、乗用車を始めとする自動車だって、警察が統計を取っている事故から24時間以内の死者でさえ、平成16年に7300人を超えます。
比較するのは不謹慎かな?
投稿: Nara O, | 2005.04.26 16:18
外務省機密漏洩事件についてですが、元毎日の西山さん、政治部だったそうですが、機密についてだけ語ってるように見受けられます。
記者としてのモラルとして、ニュースソースの秘匿や、記者と政治家との関係について、西山氏自身が今どう考えてるのか知ってみたいですね。
投稿: 漏れも田中 | 2005.04.26 16:20
00さんへ
(先の私の発言は置いといて)
70人を超える死者と、おびただしい重傷者が出る事故が起きたからには、原因と責任の所在を探す事は重要でしょう。
>今の2倍、3倍になっても安全対策を強化すべきとお考えなのでしょうか?
ちょっと極論過ぎるのでは?
投稿: Nara O. | 2005.04.26 16:24
00さん、御意です。
>しかし今回の事故を見ると、テレビの有識者が指摘していた、車両の側面からの衝撃への対策の欠如には、今後は対応が必要なのでしょうか。
この点については日比谷線中目黒駅で脱線した車両が対向する列車と接触し、
「車体がそぎ取られて」5名が亡くなる事故が
ありました。
これもすり減った車輪から脱輪が原因という分析に終わってしまったと記憶しています。
信楽鉄道事故も信楽鉄道側の軽量車体が大破した点が大量の死者を出した原因でしたが、やはり「信号無視」が原因とされてしまいました。
エコロジーという点が強調されていますが、軽量化車体での死亡事故が多発するなら、どこまで「固く重く非エコロジーだけど安全」という基準を作っていくか、なかなかむずかしいことだと思います。
安全に運転しているなら軽自動車でもOKだけど、いざ事故となるとダンプにはかなわないもんですよねえ。
投稿: あんぶっしゅ | 2005.04.26 17:08
衝突安全性という事で言うなら、最近の自動車はどんどん「壊れやすく」なっていますね。昔のドイツ車は、それこそ「衝突しても壊れない」なんて言われたほどですが、メルセデス・ベンツを筆頭に、最近は敢えてクラッシャブルゾーンを設けて、衝突時のエネルギーを吸収させるようにしています。
これと同じ事を、鉄道でも考えるべきなのかも知れませんね。何せ、今の鉄道は、自動車で言えばクラッシャブルゾーンに相当するような所に乗客も乗務員も乗っているのですから。
投稿: 五月原清隆 | 2005.04.26 17:39
>Nara O さん
>原因と責任の所在を探す事は重要でしょう。
それはその通りです。回収された速度ログではかなりの速度超過があったようで、かなり無謀な回復運転がされていたようです。ただ、運転士を責めることは簡単ですが、その背景に何があったか、なぜ運転士が無謀な回復運転をせざるを得なかったのか、を考えることも重要なのでは?と思います。先日の東武の踏切事故の時も感じましたが、どうも事故が起こると現場の責任だけがクローズアップされているような気がしてなりません。
>ちょっと極論過ぎるのでは?
そうでしょうか?
安全なんて、お金をかけようと思えばいくらでもかけられますよ。考えられる可能性を全てつぶしていこうとするとキリがないです。お金も際限なくかかります。そうなるとやはりどこかで妥協せざるを得ないのではないですか?ということです。
>あんぶっしゅ さん
日比谷線の事故に関しては、車体が堅牢なら死者数が少なかった可能性はあります。駅近くで速度も遅かったですし、車体がつぶれずにさらに線路から逸脱してもさほど被害は拡大しなかったでしょうから。
ただ、今回の事故では必ずしもそうとは言い切れないと思います。信楽高原鉄道も同じで、どちらの車両も同じ堅牢さだったらどうなったかわかりません。信楽側の先頭車がつぶれてくれたおかげで他の車両が助かったとも言えるわけで、もしつぶれない堅牢な車体だったら両編成の後ろの方の車両まで強い衝撃が及ぶでしょうし、その衝撃で何人かが死ぬかもしれない。地形によっては編成ごと転げ落ちるかも知れない。
結局、全ての事故に対して安全な車両、なんてありません。可能性を限定してある程度の対策はとれるかもしれませんが、状況によってはそれがあだになるかもしれません。不謹慎かも知れませんが、誰が死んで誰が生き残るか、を分ける線の位置が変わるだけのような気がします。
>五月原清隆 さん
鉄道でも、最近の車両では先頭部にクラッシャブルエリアを設けています。踏切で自動車と衝突する事故は多発していますから(今日も常磐線でありました)。しかし、自動車でも側面からの衝突にはそれほど強くないはずです。せいぜいパイプを2本ほど通した程度で、この程度なら鉄道車両でも内部に骨組みが入っていますからさほど変わりません。クラッシャブルエリアを設けるにはかなりの空間を必要としますから、側面への設置はかなり難しいと思います。
投稿: 00 | 2005.04.26 18:16
まあ今の段階では憶測でものを言うしかないわけなんですが。あまりとんちんかんなことは言わないようにしたいものですね。
投稿: なかなか寝ない人 | 2005.04.26 19:42
ここの議論に乗り遅れたなあ(^_^;)。
小生、昨日自分のブログで、時系列でコメントを出しているので、よかったら御覧下さい。クラッシャブルゾーンや原因推測も昨日の時点の情報を基にコメントしてます。
http://88th-night.tea-nifty.com/nekojita/
さて、軽量車体の問題は、既に皆さんお忘れかもしれませんが、中越地震の時のとき325号でも言われました。あの時は、重い旧式の車両(200系)だったから、あの程度で済んだ、と言われましたが、実はきちんと検証されていない。そして、今回の軽量車体の批判です。ステンレス製なのにアルミ製と誤認して、コメントしているケースもあり、それがけっこう名の知れたジャーナリストだったりすることも驚きです。
もしも車体が堅牢で、質量が2倍あったとすると、運動エネルギーは4倍になりますから、衝突されたマンションの方が崩落した可能性もあり、かつ、ここで議論されているように後続車両の被害も大きくなったかもしれません。結果だけみての近視眼的な議論は問題です。今回の状況だと、重い車両だったら、3両目の死者か多く、かつマンションの2階住民にも死傷者が出た可能性が考えられます。
専門家と称する人達のコメントも、物理法則を考えると、嘘だろ、というのもけっこうあります。マスコミが専門家といったからといって、例えそれが大学教授であっても、頭から信じてはだめです。
せめてATSが新型のものであったら、とつくづくも残念です。
それから、誰も軌道の幅のことを言わないのはどうしてだろう、と思います。実際には工事費や土地買収費などがかかるので困難かもしれませんが、この際、1435mmの標準軌への改軌を考えてもよいのでは、とも思います。山形・秋田新幹線タイプの車両であれば、レール幅の改変と付帯設備の更新ですみます。車両の幅自体は代えないから新規の土地買収は不要です。これでかなり安定性が増すはずです。
マスコミの鉄道関連の番組延期は、例によって過剰反応、思考停止です。確かにくだらない。五月蠅い取材ヘリは地対空ミサイルで撃退(したいが、したら地上の被害者が出るのでだめだ)。
投稿: フロレスタン | 2005.04.26 20:12
>質量が2倍あったとすると、運動エネルギーは4倍になりますから、
2倍っすよ。高校生に笑われます。
いつも乗ってる電車のレール幅が非常に狭いのには驚かされます。狭軌は確かに怖い。
投稿: 井上 | 2005.04.26 20:16
>>井上様
あ、いけね(^_^;)。そうですね。質量はmなのに、頭の中でvの方を勝手に2乗してました。ご指摘感謝しつつ、謹んで訂正いたします。
投稿: フロレスタン | 2005.04.26 20:23
あまり人のことは言えないかと思いまつ。
投稿: 嗤 | 2005.04.26 20:24
To 00さま
確かに、背景事情の追求は事故再発防止に必要不可欠ですが、それと同時に犯罪行為の徹底的な追及も行うべきでしょう。東武の例で言うなら、踏切係の小松完治は未必の故意による殺人として問責すべきですね。出来れば、武富士放火事件の判例に則って、小松完治も死刑に持ち込んで欲しいところですが。
それと、鉄道の場合、側面衝突安全性の確保はコスト上の問題で難しいでしょうね。道路という平面上を自由に移動できる自動車に対し、鉄道は線路という1次元空間上しか移動できないのですから、当然にして衝突事故対策も前後からの強化になってしまう事でしょう。ATSにしても、本来は衝突事故防止用ですからね。
もし、本当に側面衝突安全性を確保しようとするのなら、車体の構造的な問題の前に、定員乗車の遵守及び着席時のシートベルト着用義務化から行うべきです。勿論、現実性が全くない事を踏まえての発言です。
To フロレスタンさま
改軌と一口に言っても、現在全国で走っているJR在来線車両の台車を一気に交換するのは、そう簡単ではないと思いますよ。今より車両の少ない大正時代の連結器交換ですら、当時の官鉄は全線を丸一日運休しましたからね。
更に、影響範囲はJRに乗り入れている私鉄各線にも影響が及びますし、当然ながらその私鉄各線でも運休の必要性が出てくる事になります。全線の更新でなければ、今度は境界駅でのインタフェースが問題になってしまいます。とても、鉄道会社の努力だけでは出来ませんね。
とは言え、ATS更新ですら補助金をケチるような国土交通省では、こんな事業に補助なんか出来ないでしょうね。
投稿: 五月原清隆 | 2005.04.26 20:29
>>五月原様
2ちゃんねる風には、そこでフリゲの登場ですよ、となるのですが(笑)。
ご指摘はそのとおりです。しかし、難しいからといって声を上げないと何も変わりません。自分の目の黒いうちは期待できないけれど。
ご存じかもしれませんが、東京では、かつて京浜急行、都営浅草線と相互乗り入れするために標準軌に全線改軌した京成電鉄という例もあります。京浜急行の快速特急は爆走しております。
明治政府の判断がが狭軌であったために、全国に鉄道が
普及したことも事実ですが、今日の状況を見ると、大都市は標準軌にしておかなったのが悔やまれるかもしれません。
投稿: フロレスタン | 2005.04.26 20:55
>>嗤様
コメントの位置からして、私のことをおっしゃっていると思われます。
確かに反論の余地はありません。削除できないコメントなので、きちんと確認してから送信すべきでした。ひたすら反省して同様の間違いをしないように努力するのみです。
投稿: フロレスタン | 2005.04.26 20:58
>フロレスタン さん
山形・秋田新幹線が改軌できたのは、あそこがローカル線だったからです。乗客がもともと少ないので鉄道を長期間運休してバス代行輸送もできたし、車両数も少ないので一気に入れ替えが出来ました。同じことを都心の路線でやるのはほぼ不可能です。
また、都心の路線で改軌するメリットがあまり感じられません。駅間も短いし線形も悪いし、無理してスピードアップする必要はないと感じます。
>五月原清隆 さん
武富士放火とはまったく性質が異なると思いますが…。東武の事故は結果は重大でしたが単なる過失でしょう?意図を持って火を放った放火犯と同列に扱うべきものでしょうか?
投稿: 00 | 2005.04.26 21:01
>>00さん
山形・秋田新幹線の状況は私も知っています。
確かに現実問題として大都市では事実上不可能でしょう。
ただ、今回は大都市の過密ダイヤ、高速走行の中で、脱線という事故が起き、安全性の議論がなされている時に、安全性向上のための方策として軌道幅のことを(マスコミ報道で)誰も言わない、ということに違和感を感じたので、ここで問題提起してみた訳です。
あまり話が拡散しても何ですので、この件に関しては矛をおさめます。今回の事故の真の原因が究明され、安全対策が施されることを祈るばかりです。
投稿: フロレスタン | 2005.04.26 21:17
しかしいくらなんでも、事故にかこつけて自分のトンデモ「ゲーム脳」理論を主張する学者モドキだけは社会的に抹殺する必要がある希ガス。
投稿: 緑川だむ | 2005.04.26 21:46
車は安全確保の為に重くなっています。
エンジンは軽量化が進んでいますが、全体で見ると重くなっています。
投稿: おめだ | 2005.04.26 22:06
あと、事故現場をブルーシートで隠すけど、それが隠さず国民や関係者に危機意識を持たせる事を阻害していないのか、疑問に思う。
投稿: おめだ | 2005.04.26 22:11
“ヘリ飛ばすな”の件だけど、報道用には、りモコン操縦の“軽飛行船”とかできてもよさそう
な希ガス。技術的には、どうなんでしょうか、教えて、エロい人。
投稿: truely_false | 2005.04.26 23:03
これを契機に、都市鉄道への補助金投入→都市再開発→景気回復となればいいと思う。東京大学の八田達夫教授は、生産性を上げるために、都市部へのさらなる集中を主張してますしね。
投稿: 井上 | 2005.04.26 23:27
こうしてコメント欄はまわっていくんだと思いました。
投稿: 腹這 | 2005.04.27 01:18
基本的に電車にぶつかる可能性は踏切事故だけなので、正面衝突に対する対策で十分だと思う。
ただ、軽量化により従来より脱線しやすくなるのに、対策が不十分だった。想像力が不足していたと思う。
軽量車両の導入と同時に、カーブでの脱線防止ガードの設置を増やすことや、新型ATS導入をするべきだった。
投稿: | 2005.04.27 01:59
To フロレスタンさま
明治政府が広軌ではなく狭軌を選択した理由の一つが、軍事輸送です。重機などを輸送する時に、狭軌よりも広軌の方が脱線しやすかったという実験結果が、原町田=橋本の広軌実験線で得られたそうです。この時の広軌論者の急先鋒が、かの島安次郎でして、その後息子の島秀雄が新幹線の父となった事は有名です。
因みに、京成電鉄は改軌を3回か4回かに分けて実施しています。成田空港輸送がメインとなりつつある現在においては、とても実施は出来ないでしょうね。
To 00さま
私は、小松完治は単なる「過失」ではなく、未必の故意であるか、或いは故意と同視出来るほどの重過失だと思っています。というのも、小松完治は過去にも同様の操作ミス(と言うよりも故意の内規違反)を起こし、あわや死亡事故かというインシデントを引き起こしているからです。一度ならず二度までも内規違反して、しかも今度は死亡事故というアクシデントになったのですから、東武鉄道や足立区の責任追及と並行して、小松完治本人の責任も厳しく追及すべきでしょう。
ここで惜しむらくは、現行刑法においては業務上過失致死も業務上重過失致死も量刑が同じだという事です。情状の重い重過失については、殺人と同一の量刑にすべきだと考えています。
投稿: 五月原清隆 | 2005.04.27 02:05
上の方で話題が出ていた「都市部だけでも狭軌から広軌への変更」は駅の施設もトンネルも変更しなければならないのでかなり難しいことと思います。
旧車の地方路線への払い下げも難しくなるからますますコスト増で、客が目に見えて変わる部分が少ないということに。
投稿: wacky | 2005.04.27 06:15
運転手の個人的資質が今回の事故の最大の要因だろうけど、
それを組織がなぜ排除できなかったかが一番の問題点だよね。
まず、誰も指摘して無いのだけど、
一般常識からして何故23歳で数百人の人命を預かれる
旅客運転手になれるわけ?
パイロットとかバスの運転手とか言っても考えられないでしょ。
後、敵性検査っていっても教習所なんかでやっている
「追い越されると追い抜きたくなる。」見たいな、
アホな通りいっぺんの検査じゃ無いだろうな?
それと実施訓練では不具合などを意図的に起して
当然ストレスがかかった状態で適切な対応、対処ができるか
シミュレーションなどの試験を実施してるのだろうか?
だいたいこの運転手は前から相当問題行動があったのに
運転手養成課程に進めたのはなぜか?
その養成課程でなぜブリーチできなかったのか?
投稿: | 2005.04.27 08:42
00さんへ
>>ちょっと極論過ぎるのでは?
>そうでしょうか?
>安全なんて、お金をかけようと思えばいくらでもかけられますよ
今更ですけど、一言だけ。
対費用効果の点からの限界は勿論あります。しかし現状の安全対策を見直す事が、即「2~3倍の運賃増」には繋がらないという事です。
貴方の文章を読むと、「現状が限界なんだよ、どうしようもないよ」、とおっしゃている様な印象を持ったんですよね。
投稿: Nara O. | 2005.04.27 13:10