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2005.05.15

お役所の方便

※ アダルトゲーム千点押収 少女監禁事件の小林容疑者宅

 ぜひ警視庁にやってもらいたいのは、その押収したソフトのパッケージを床に広げてカメラに撮らせてくれ! それ、「一千本!」というフレーズだけが一人歩きして、彼がのめり込んだかもしれないメイド拘束ゲーのタイトル名が出てこないというのは凄くまずいと思う。ぜひそれを火曜までにやってだな、水曜日のテロ朝朝刊瓦番で、フィギア萌え族評論家の大谷タソに演説をぶって欲しいと思うぞ。

※ 岐阜の拳銃強奪、現場に犯人?の帽子や大量の毛髪

 この事件に於ける警察の失態の一つは、犯人グループは味方を呼んで合流するチャンスがあったのに、警官の方はそこまで知恵が回らなかったことですよね。
 公への信頼や尊敬が薄れていく中で、それは当然警察に対しても、地域住民の信頼喪失と軽蔑の芽生えという状況があって、昔なら居丈高な職質にも唯々諾々と従っていたのに、先日の無灯火自転車職質発砲事件のように、昂然と向かってくる人間も増えている。いわんや外国人犯罪者にとっては、警察の権威などいうのは何の脅しにもならない。そんな厳しい環境下で、どうやって武器を使うことなく犯人を捕縛させるか、あるいは納得させるかのテクニックが一向に身に付かない。

※ 日露戦争終結の舞台閉鎖?波紋呼ぶ米軍基地統廃合

 CNNでも結構な時間を割いてこのニュースを伝えているんだが、日本から基地を無くしたいと思っている連中は、米軍基地前でデモしている場合じゃない。我が国にはこれだけの米軍部隊が展開しており、われわれは一日も早く、帰国して欲しいと願っている。ついては引っ越し費用をある程度負担するから、ぜひ基地閉鎖の貴方の町で受け入れるよう地元議員に働きかけてくださいと訴えるべき時でしょう。

※ 「ブログの評価はアクセス数じゃなく、共感してくれる人の数」
 (朝日新聞 米国ブログ事情より)

 ちょっと異論がありますね。「アクセス数じゃない」というのは、テレビに於いて、「視聴率がすべてじゃない」と空威張りするのと似たような所があると思う。
 じゃあ、何がブログの評価を決めるのか? 無視できないのは、既存マスコミに対して影響力を持つか否かでしょう。それが特定のブログ発であることが証明されなくとも、結果的に既存マスコミの論調を変えたなら、そのブログは大きな影響力を持つといえると思う。
 今回の脱線事故に於ける読売記者のつるし上げにしても、ブログによる「吊し上げ」が無ければ、読売が非を認めたかどうかは疑わしい。

 昔からの私の持論ですが、ネットがリアル社会の延長にすぎない以上、ネットの中もまた、リアル社会にフィードバックさせなければ、ネットの中の論理だけで回っていては駄目だと思う。現状、既存マスコミの影響力の前では、ブログの影響力など知れているから。

※ 「早急な対策必要」185か所 県落石点検結果 読売長野

 このタイトルを読んだ瞬間に、普通の県民なら、「だったらなんで今まで放置していたんだ?」という疑問を抱くでしょう。私は、なんて不用意な表現だろうと思いました。
 今回の落石死亡事故では、道路管理を怠ったという理由で行政が訴えられる可能性が高い。にもかかわらず、この時点で「早急に対策が必要だ」と判断できてしまったということは、それを確認する術を行政は長らく怠っていたことを白状するよなものです。

 もちろん、世の中には何事も優先順位があり、落石防止工事の優先順位がどの程度のレベルにあったのか疑問がある。おそらくは、そう高くは無かったことでしょう。田中康夫県政が誕生して以降、公共事業予算は減らされ、あるいはそのしわ寄せを受けたのかもしれないけれど、一方で、潤沢な予算が付いていたら、そこが補修されていたという保証も無いわけです。

 誰かが死ななければ信号機は付かないという発想が昔からある。道路に関わらず、行政が監督する分野において、住民の安全に危険が及ぶものは山ほどある。一方で、そう言った分野にどの程度の予算を配分すべきかも議論があるでしょう。同じ金額をカーブの直線化や道路拡幅に投資した方が、恐らくは住民からは歓迎される。

 ただし、その中でも行政にはできたことがある。「早急な対策が必要な箇所がこれだけあるが、遺憾ながらわれわれにはこの予算しか使えない」と住民に告知することです。残念ながら長野ではそれは無かった。情報の発信は、住民自治の啓発にもなる。不都合な情報に目を向け(させ)ようとしない病理は、まだまだ日本中のお役所にはびこっている。

※ メルマガおまけ 梨園にて&「生き残れ」

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コメント

>どうやって武器を使うことなく犯人を捕縛させるか、あるいは納得させるかのテクニックが一向に身に付かない。

そりゃ、韓国映画「ワイルドカード」だよ。
そんな無理な要求するなって、23歳巡査のミスは威嚇発砲を二度したことだろう。埼玉県警のこともあって自制したのかもしれないが撃つべきだった。
それに犯人は味方を呼んだのではなく最初から軽自動車がついていたんでしょう。これ運転代行業と同じ。マヌケなのは50代の巡査長で援護のためになぜPCで追走しなかったのか。それにしても50歳過ぎてパトカー乗務っていうのは拙くないか。

投稿: | 2005.05.15 11:04

>※ 「早急な対策必要」185か所 県落石点検結果 読売長野
マスコミとしては記事の切り口としてこういう報道になるでしょう、限られた紙面の中で、「今回初めて分かった」かのような印象操作につながりかねない構成になってしまっているように思います。

投稿: zu | 2005.05.15 11:52

落石の問題は、役所とかでは把握しづらい点もありますね。正直手が回ってないというのが現状です。回るだけの人手がない(正確には、役所内部のリソースの再配分が正しく行われていない)のが主な理由ですが。

今、一部の地域では、業者がこういう危険度の高い部分を把握するのに、デジカメの画像データを二枚、角度をずらして撮影すると、ほんのわずかの時間で立体画像にするっていう技術(ソフトはこの手のソフトとしては非常に安くなった)で、状況を把握後、役場にプロポーザル契約の一貫で提案する。っていう流れもできつつあります。
この手法がいいのか悪いのか、その問題もありますけれどね。多分、今後長野県にはこの手のコンサルタント企業が食い込むかも。

ちなみに立体画像の技術、新潟のあの土砂崩れで車両が埋まって子供が救出された事件にも使われた事例を見せてもらいましたが、確かに使いでがありそうです。
※で、この技術が、服を作る型紙データの補完からスタートして、警察の被疑者撮影のために作られたっていうのが何ですね。

投稿: BARSERGA | 2005.05.15 15:08

そのデジカメ−3Dデータソフトは、○○ベスとかいう繊維会社のソフトウェア部隊が開発したものですか?

投稿: zu | 2005.05.15 15:15

長野県の南端部で落石が多いことは、田中知事もよくご存知のはずです。私が一緒にクルマに乗って南信濃村に行ったとき、実際に目の前に石が落ちているのを避けながら、「これ、怖いですね~」と私も知事に言った覚えがありますから。ほんとは、そこで道路の安全に意識が行かなきゃいけなんですけど、知事の場合はマスコミに意識が行ってしまいますから、コモンズだのルネッサンス革命だのって話になっちゃうんですね。

投稿: 斉藤久典 | 2005.05.15 15:38

zuさん>

そそ、そーです。それです。
商品名はあえて伏せておきますが(w

デモを見たかぎりの説明ですが、まぁ、いいかもしれません。色々と使い道はありそうです。自分も聞いたときにアレコレと本業から別の件とか趣味の幅まで色々と思いつきましたからね(w

実際に使っている人はまた別の意見があるかもしれないので聞きたいところですが。

投稿: BARSERGA | 2005.05.15 23:28

2005年5月15日 午前 11時04分の人様。

二度威嚇は日本警察の決まりですからねぇ。
人体を貫通して付随被害を誘発しやすいラウンドノーズ弾を使用している手前、犯人に対する威嚇と同時に周辺に対して「これから撃つぞ、みんな注意しろよ」という意味もあるかもしれない。
たとえホローポイント弾が導入されたとしても流れ弾による被害だってありえる。
問答無用で撃つならたとえ貫通弾が通行人なりに命中しても異議申し立て出来ない法を整備しなきゃ。

投稿: | 2005.05.16 02:03

>メイド拘束ゲーのタイトル名が出てこないhttp://www.zakzak.co.jp/top/2005_05/
t2005051401.html 出るとこには・・・

>「早急な対策必要」185か所
問題の現場は、地籍は中川村ですが、中央道松川ICから大鹿村への主要道路です。で、アドバイススレによると、防災工事(トンネル化)の計画はあった。しかし、田中康夫が大鹿歌舞伎に1万円寄付して公職選挙法違反を問われた余波で、計画が中止になったという噂も。
http://www.pref.nagano.jp/keiei/seisakut/
model/dosha.htm
寄付金との関連は眉唾だけど、土砂対策の工事に対する査定は昨年度からいっそう厳しくなっていたようですから、計画があったのに中止されていた可能性は高いと思います。主要道路とは言っても、国交省が直接管理する2ケタ国道とは交通量も桁違いに少なく、長野県内の山間地の県道では、落石自体は正直珍しいことではありませんでしたし。危険箇所の把握についても、中には今回初めて把握した箇所もあったかもしれませんが、該当部局は相当数把握済みだったことでしょう。で、国交省に予算要望して、補助のついた所から随時着手していく、という流れだったのを誰かさんがばっさりと・・・。
ちなみに先生がお住まいの神奈川県でも、ずいぶん昔の話になりますが、マンションの裏の崖が崩れたときに、危険箇所は200箇所・・・ってやってました。治水にしろ、土砂対策にしろ、未対策の危険箇所は山ほどあります。それに対して、優先順位をどうするか、どこまで自然を改変していくか、課題は尽きないですね。

投稿: | 2005.05.16 02:43

blogの評価は永続性だっちゅうの。

投稿: なぎさっち | 2005.05.16 10:06

 えーと「調教ゲーム1000本押収」ですけど、報道ソース見ていると各社で微妙に表現違いまして、一部では「調教ゲームなどのCD-R1000点」との表現でして。
 ぶっちゃけ、調教ゲーム1000本ってのは「そんなにあるかぁ?」ですので。
 1000本あっても98X1版やら3.1やら版95版やらの焼き直しが複数あるモノと思われます。
(文章に絵と音楽と声で比較的楽に出来るノベルゲーと違い、調教系のゲームはシミュレーションだから作るの大変なんで)

 ぶっちゃけ、エロゲ関係は数十本では?(あっても100本程度かと)
 残りは一般ゲームのCDやら音楽CDやらDVDやらありとあらゆるデータメディアを持って行ったのでないかと。んで何をしているかというと宮崎事件で押収したビデオテープと同様な検証しているモノと思います。
 エロゲでも証拠の一端にはなるかもしれませんけど警察が捜しているのは、直接証拠の写真なり動画なりが含まれているディスクを探す為でないかと。
 で、一応警察は「調教ゲーム等1000点を押収」と言っているけど、マスコミは煽りのために「調教ゲーム1000本」としたのでないか、と。

 ついでにいうと「子供のためのゲーム」ではなく「18歳以上が対象のゲーム」です。未成年には販売していません。
「それに影響される馬鹿が居るから規制しろ」
と言うなら
「影響される馬鹿は出るが、馬鹿はどんなモノにでも影響される」
ということで。
ニュースやらワイドショーやらに影響されて殺人した馬鹿と、エロゲに影響された(と言ってる)馬鹿と、何が違うのでしょうか。

投稿: wacky | 2005.05.16 18:32

すいません 上のコメント
>「調教ゲームなどのCD-R1000点」
は「調教ゲームなどのCD-ROM1000点」
の書き誤りでした。

投稿: wacky | 2005.05.17 06:16

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