道路公団と公務員問題
※ 道路公団民営化を考える
金曜日の報ステに猪瀬さんがお出になられて、分割民営化されることになって、それぞれのパイが小さくなり、経費にもシビアになるだろうから、談合もしにくくなるだろうと仰ってましたが、これはちょっと疑問がある所。市町村単位でだって談合はあるわけで、談合を防ぐための仕掛けを組み込まないと、それだけで談合が減るということは考えにくい。
土曜日のスカパーパックインでは逆に、元通産官僚の八幡さんが、JRが民営化されて駅弁が不味くなった。その理由は、子会社でサービスを独占したからだ、と、取ろう公団の民営化を批判していた。
それを考えると、道路公団のファミリー企業を一端分解した上でなければ、サービスは改善されないし、その儲けがファミリー企業に吸い上げられて、道路公団(日本高速道路会社)自体の赤字体質は、今後とも全く変わらないということになるでしょう。しかも公団は、国から新規道路を押しつけられたくないから、今後ともこの赤字体質は、何としても死守したい所。
猪瀬さんは、番組の最後に放映された巨大クラゲのミニ特集で、「あんなのいくらでも漁民に補償すれば良い。それが出来ないのは、港湾整備等で予算がガチガチに固まっていて流動性が無いからだ」という主旨のことを仰っていた。
これは、下の公務員削減問題にも通じることですが、日本が抱えている最大の問題は、予算の流動性が無いことですよね。百年一日のごとく、ある事業に着手したら、それを20年30年、延々と続ける。始めた時には、事業を完成させることが目的だったのに、いつの間にか、その事業に従事する人々の生活を保障することが目的になってしまう。
ただ道路問題に戻ると、採算性ばかり言われるのは抵抗がある。道路にしても鉄道にしても公共財でしょう。採算が取れる道路なんてのが今頃あったら、とっくに私企業が乗り出しているわけで、道路は本来国が責任を持って造るべきものという姿勢を明確にすべきでしょう。
そには当然優先順位があるわけで、これまではそこを無視して政治家の影響力云々で決められてきたけれど、全国に通用出来るような定量化された基準を作って、優先順位を決めて道路建設を続行すべきだと思うんですが。
それで、公務員問題です。
※ 国家公務員削減
今朝のCXで公務員削減問題を扱っていましたが。問題の核心は、公務員の削減じゃないと私は思っています。一番大きなのは、公務員社会に人材の流動性が全く無いこと。そして、天下りをどうするか、更に言えば、前者に比べれば小さい問題だけど、民間ではまずあり得ない諸手当など厚遇癖をどう廃止してゆくか。
1.公務員社会の流動性確保
2.天下りの廃止
3.不明朗な給与体系の改善
1.公務員社会というのは、たとえば地方公務員の教職で言えば、学校の先生という専門職で採用された人間は、一生学校の先生で終わるわけですね。でも地方は過疎で、都市部でも少子化で、少なくとも今年就職した新米先生が、定年間際も全員教職でいられる可能性はまずないでしょう。
国レベルにしても、横の流動性が無いから、それを確保するために省庁再編があったりする。公務員社会に限らず、どんな業種でも、プロ意識のある人間は、こんな高度で専門的なことは、素人にゃ出来ないと言うけれど、確かにそういう分野もあるだろうけれど、将来的には、国家公務員地方公務員の区別なく、警察官自衛官の境界も無くさざるを得ないような状況になるでしょう。予算問題も含めて、今後は公務員の流動性をいかに確保するのか? ということを優先して考えるべきでしょう。
2.天下りの廃止
中央官庁だと、次官レースに外れたものは、40歳代で省庁を去らなければならない。この人たちを喰わせるために、この国は、モンスターのような巨大な特殊法人をバカスカ作ってしまった。公務員問題と特殊法人、財政赤字の問題は、全くのセットですから、ここにメスを入れないと、公務員に纏わる予算の垂れ流しを防ぐことは出来ないでしょう。
3.諸手当の問題
公務員の給料ほどガラス張りなものは無いけれど、諸手当や待遇が有権者から隠されている。これを表に出すために、公務員社会も年俸制に切り替えるべきでしょう。
※ コンテナ船船長「衝突の覚えはない」・根室の漁船転覆
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20051002STXKG053001102005.html
もし被害者がイスラエル人だったら、たぶんイスラエルは軍隊を繰り出して犯人の船を拿捕するんだろうけれど、これはイスラエルに乗り込んで民事で訴えて金銭補償を得るしか無いんだろうな。
※ バリ島で同時爆発テロ、日本人男性含む22人死亡
http://www.asahi.com/international/update/1001/015.html
それでもドイツ人は行くだろうけれど、日本人はもう行かなくなるだろうな。バリ島観光に留めを刺したということになるんでしょう。
※ 今朝
さっき次男をふらっかーずに乗せて散歩してたら、向こうから、杖をついた老夫婦が歩いてくるんですよ。一瞬ギョッとした。男性の方が上半身裸に見えた。それは近づいたら、単にベージュ色のランニングシャツを着ていただけだったんだけど、男性の方は、十代後半だったのかな、発達障害が明らかに顔に出ている。姿格好は、表現は不適切かもしれないけれど山下清状態で、ある部分、ああいうスタイルにならざるを得ないんでしょうね。杖を持った母親の方も、そんなに歳じゃなかったかもしれないけれど、髪はもう真っ白で、ちょっと悄然としましたね。あの親子には、どんな10年後20年後が訪れるのだろうかと思った。
※ メルマガおまけ CTUの人事採用はザル&畜産大会
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コメント
悄然とした気持ちになることもありますね。
ところで、「教育問題に熱心』と聞く某新聞ですが、そろそろヤバイんちゃうかなあ・・・
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?mode=comment&UID=1127866706
道徳の為に自然科学は教えるな、だそうで。
そりゃいったいどんな人間形成を目指してるんでしょうか。
困ったなあ。
投稿: リレーも知らんで研究員志望すんなと叫びたい | 2005.10.02 11:36
>全国に通用出来るような定量化された基準を作って、優先順位を決めて道路建設を続行すべきだと思うんですが。
同意です。基準についてはこういう意見もありますね。
http://society3.2ch.net/test/read.cgi/traf/1084742845/227
>インターステートの当初建設の予算配分のように、面積、人口、道路延長、自動車交通分担率などをウェイト付けして、予算の枠を決めてしまって、その中で効率的に整備するとかした方が良かったのでは?
上のスレには他にも示唆に富むレスが多いです。ざっと流し読みする価値あり。
投稿: | 2005.10.02 12:20
天下りと霞ヶ関の人事争いとの相関性。次官レースよりも前にあるのが局長ポストをめぐる争いで、ここで50前のエリート役人の多くが辞めて外郭団体へ行き、更に50過ぎに局長同士で次官争いが始まる。課長~次官級は年齢が10も離れているかいないかなのに、給与は1.5~2倍も違う。
天下りと言っても人の流れはいいんですよ。問題は金、特に退職金の二重取りだけ。もっといえば局長以上は民間からの流入を含めた試験付き資格制にしてもいいくらい。もちろんパープリンでは困るので試験合格と一定の社会経験・実績を必須として、あとは有資格者の中から大臣らが事務次官と局長を決めればよい。
道路整備の優位性は人口やユーザー数などの社会指標だけでは決められない。
たとえば山の中の集落に緊急医療体制をと考えれば、こんな所にと思うところでもそこそこの道路整備は必要。もちろん判断の客観性を持たせるために指標設置は必要だろうけど、数字だけでは決められず、どうしても例外項目を作った上で政治の判断が必要になる場面が必ず出てくる。そこを悪用する利権屋が出てきても困るけど。
投稿: | 2005.10.02 15:47
役所の内部で人材をやりくりする必要は必ずしもないのであって、整理解雇して民間から採用したっていい。
そこで問題になるのが、公務員が雇用保険に入ってないということなんです。法律の上では整理解雇は国も地方もできますが、失業保険がないから事実上できない。
雇用の流動化は、まず、雇用保険に、全公務員を加入させることでしょう。
投稿: Inoue | 2005.10.02 15:51
高速道路の建設は陸自の施設団が行えば、建設費用の方は談合しにくくなります。材料費用の面だけで済みますから。問題は用地買収。
そんな公団を解体することより、高速道路を国道にして、公団の資産は売却して借金の補填に回していかないと、分割したって何にも変わりません。今の国道は県道に格下げ。自動車税で国道を維持し、ガソリン税で県道を維持する方向性を打ち出した方がよくないですか。
投稿: 孔子 | 2005.10.02 17:10
国道が国道であるべきものは、例えばそれが複数の都道府県などの行政界をまたいでいるようなもの。そういう国道以外の県内完結ローカル国道は確かに県道にしちゃってもいいかもしれん。現実に3桁国道のほとんどは都道府県管理になっている。
ただし維持管理にかかるコストで都道府県がどこまでがんばれるか。ガソリン税だけでは足りないかもしれない。
国道は大概交通量がべらぼうに多い路線ばかりで、交通量または大型車交通量に比例して道路の維持管理費はかかる。しかも幹線道路だから情報管理や除雪などでも県道に比べて維持管理に神経を使うだろう。長野の田舎ではふつうの県道の交通量が100台~1000台/12時間くらいとすれば、国道の交通量はざっとその20倍以上で、1万台以上は当たり前。
投稿: | 2005.10.02 19:07
最初の引用をされた人へ
進化論は自然科学じゃありませんよ。
仮説と想像の積み重ねでしかなく、肝心な部分の証明がなされていません。
天地創造論を否定して出てきたのが進化想像論です。
投稿: | 2005.10.02 19:17
産経はオカルトで有名ですよ
投稿: | 2005.10.03 00:42
高速道路の料金を払わない無法通行もすごい数らしいですね。しかも「街宣車」なんていう料金を取りにくい相手が多いのも既に既得権益なりつつあるか。
在日米軍もタダですしね。もしかして国会議員もタダのパスとかあるのかな?
http://www.asahi.com/national/update/1001/TKY200509300368.html
投稿: 孔子 | 2005.10.03 15:03
困ったときのgoogle頼み
IDと野球 6,380,000
IDと進化論 93,200
やっぱり、IDといえば野球。産経アトムズの昔から。
投稿: sionoiri | 2005.10.03 16:03