国家という幻想
※ 日垣隆 無知の証明
とその前に、身辺雑記「自慢」帳と化している週刊エコノミストの敢闘言と違い、週刊ダイヤモンドの巻頭コラムはなかなか面白いです。現在発売号に、日本はどれだけの移民を必要としているのか? という数字が出ていたんですけれど、国連の推計に拠れば、社会を維持するために、毎年34万人、生産人口を維持するために毎年65万人の移民を日本は必要としているのだとか。で実際に、在日等を除いた外国人登録者は、僅かに17万人ということだそうです。
うちの田舎にせめて5万人も来てくれれば、随分とシャッター通りも活気づくと思うけれど、残念ながら彼らを雇用する肝心の職がない。
さて、それで遠い所に行ってしまった日垣先生です。メルマガでも敢闘言と同じことを書いてらっしゃるんだけど(メルマガは長い分、少しまともな部分もあるけれど、敢闘言の方は、あんたはワイドショーのコメンテータですかい! という貧相な次元)、ポイントは2点です。
* アメリカの言うがままの小泉民営化がこの事態を招いた。
* 安全に係わることは国が責任を持つべきである。
前者は、小泉嫌いな連中が抱く、自分に都合の良い勘違いです。これが55年体制化の自社の構図だったら、それも言える。所が、民主党の議員というのは、実はそのかなりが、小さな政府の提唱者であり、国がなんでも許認可を持つのは止めろと、小泉政権誕生以前から言っていた。それを横取りして実践しているのが小泉に他ならないし、よしんば、その諸々、民への移管が原因であったとしても、小泉云々は関係ないでしょう。現に、昨夜のNEWS23に拠れば、姉歯の偽装は6年前からすでに始まっていたという。それは小泉政権誕生以前のことです。
* 第2に、国が管理すればそれらの不正は排除できるかの如き幻想を抱くのは、単なる思考停止以外の何物でもないでしょう。
今回の問題でも、長野みたいに、行政が関与して通っているものがある。余所では、事態発覚後行政が二度検査したけれど、それでも危ないかどうか解らないと言っている所まである。県知事が仕事しないから職員もサボっていたのかと言えば、そうでもないでしょう。
私たちの社会は、かなりの部分を性善説に頼っていて、業者は手抜きしない、という前提の元で、いろんなシステムが回っている。それを疑い始めると、命に直結する医療ですらが、医療ミスを防ぐために、医者に医者の監視を付けろということになりかねないでしょう。それはもう不動産のレベルの話じゃない。
今回の問題での一つの核心は、これは、そもそも業界のシステムとして、そういう偽装が発生しやすい環境があったのか? それとも姉歯という人は、偶に起こる猟奇事件の犯人のように、単なる倒錯者であって、レアなケースとして無視しても良いのか? です。国民は、どうもこれは前者に近いなと感じている。
そこで、国が安全を担保するというのは、どういう意味かと言えば、二つの意味があります。特殊法人がまたぞろ増えて、公務員の数が増えるとかいう問題は、些末な方(だいたいそれやった所で、民間に丸投げするだけでしょうが)。
第1に、いざ不正が発覚した時に、行政が住民の損失を完全補償するということ。
第2に、刑事責任を問われる人間の中に、その検査を通した役人が名前を連ねるということ。
では国が安全に責任を負うという形で、こういう結果が担保されるという時に、それは完全に履行されるのか? と言えば、それは甚だ疑わしいわけです。今でも国が検査業務の中核を担っている分野は決して少なくない。飛行機もそうですね。じゃあ、航空機事故が起こった時に、耐空証明(これすら民営化の流れにある)を出した行政の責任を問えるか? と言うと、結局は時間とお金を掛けて裁判を起こすしかなかったりする。
つまり、国が責任を持つと言っても、それはせいぜい、被害者の闘争相手に行政が加わるだけのことであって、行政が相手なら無理が通るのではないか? という幻想を被害者に抱かせるだけに過ぎないわけです。
ではどうすれば良いのか? 罰則強化でクリアできるのか? 姉歯氏が刑事告発されても罰金50万円に過ぎない、と元帥が週末のパックインで嘆いていらしたけれど、こういう罰則というのは、付け足しみたいなものですよ。もしそれが発覚したら、その瞬間に仕事を失って路頭に迷う他無いだろうから、まずそんなことはやらないだろうという前提になっている。そういう世界で、罰則を強化したからと言って、実が上がるかというとたぶんそんなことはない(極めてルーズな業界では、罰則強化も多少は実効をもたらす)。
結局、医療分野と同じように、セカンドオピニオンを求めるしか無いでしょう。検査専門の会社を育成して、売り主とは分離した所で、買い主が自由に何度でもそれらの専門家を入れて検査できるようにするしかない。それを買う側に義務づける。それでも、100パーセントの完璧を求めることは出来ないでしょう。けれども、何か行政が関与して管理すれば、われわれの生活安全度が上がるかのように、今時言うのは、時代錯誤としか言いようがない。そういう話を、普段、国の許認可の出鱈目を告発している人間が掌返して書くもんだから、正直私は呆れています。
* マンションから立ち退きを求められた住人が、「あんたたちそんな債務を背負った上で、部屋代なんか払えないでしょう」と入居を拒否されているそうだけど、酷い話ですよね。行政はこういう所でケアするしかないでしょう。
*手抜きマンションの鉄筋は、10ミリとか、一番細い鉄筋が上まで走っているそうで、実際に鉄筋を減らせというやりとりがあったとされていますが、いったいあの鉄筋て一本いくらぐらいするんでしょうね。縁が無いせいか、マンション一棟建てるのに、材料費として何がいくらするとか全然知らないんだが。
※ 衆院国交委でヒューザー・小嶋社長が逆ギレ「ふざけんじゃねえよ!」
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200511/sha2005113002.html
マスコミ的には、なかなか美味しいキャラなんだろうけれど、この人、行き当たりばったりで怒鳴って済ませて来たんでしょうな。日曜のテレビの段階では、彼の「そんなことは言ってない」という発言をある程度信じていたけれど、昨日のあれを見ては、この人も悪党で、場所事にコロコロ発言を変えているのはこいつだな、と自信を持って言える。
※ 広島女児殺害事件、ペルー人の男を三重県内で逮捕
日系人とはいえ、事実上の外国人とあっては、遺族はどこに怒りをぶつければ良いんだろうという話になりますよね。
昨夜、報ステで、刑務所のレポートがあったけれど、交通事故の遺族が加害者に対して、年四回、遺族に花を贈ることを約束させたという下りが出てくる。それが殺人とか、よほど過失の度合いが酷い事故原因ならともかく、単なる不慮の事故で、加害者にそこまでのことを要求するのはどうだろうか? と正直私は思ったんですよ。
反省の無い加害者に、どうやって反省を求めるのか? というのは、極めて根源的な問題だと思うけれど、果たしてわれわれはどこまでその罪を問えるのか? という部分で、遺族の気持ちをどうやって慰謝すべきか? ということを考えるのも文明社会の責務だと思う。
※ アイオーデータ・ドライブお亡くなり
東芝MX用に買ったスーパードライブがお亡くなり。認識はしているんだが、デバイス・ノット・エラーになる。ためしに女房のノーパソに繋いでみたら、やっぱり駄目だった。使用四ヶ月かな。そんなに酷使したのかなぁと思うんだけど、デスクトップの方は、買ってそろそろ1年かな。こっちの方が5倍くらい酷使しているけれど、問題無いんだよね。アイオーデータに電話して見たけれど、れいによって全然繋がらない。今日やっと繋がった。繋がり難いいろんなサポートを体験したけれど、この会社のサポートの繋がりにくさは度が過ぎていると思う。
※ 患者窓口負担、69歳まで3割維持・医療改革で首相指示
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20051130AT1E2901O29112005.html
正直、歳取ったら首吊るしかないな。
※ 部下への暴行容疑で巡査部長を書類送検
http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000000511290002
これは暴行罪で書類送検だけど、本当は傷害罪なんですよね。体毛を焼くという行為は、人間の身体を傷付けているわけですから。
※ はやぶさ、地球帰還が微妙に 姿勢制御装置に不具合
http://www.asahi.com/national/update/1129/TKY200511290376.html
もう一度奇跡を期待したいけれど、技術実証という意味で言えば、8割方目的を達成したわけで、あっぱれと言って良い。
※ 防衛庁「省昇格」、公明党神崎代表が容認
http://www.asahi.com/politics/update/1129/013.html
ぜひ階級もお願いね。艦艇のクラスも。
※ CXクリたんニュース
のガンダム特集を実況スレと共に楽しむ。至福の一瞬を過ごす。
「ふふ、これでわがバンダイは、あと10年は稼げる……」
※ メルマガおまけ ファーストガンダム& Aeon Flux PRIDE & PREJUDICE
| 固定リンク | コメント (26) | トラックバック (2)
最近のコメント