どうなる? 日本の戦闘機開発
世間的には、今日は祝日ということでたいしたニュースも無いので、柔らかめのネタを。
※ 八戸基地・冬季救命生存訓練 8日間
日テレ・夕方ニュース
1961年・陸奥湾で海自のヘリが猛吹雪の中に墜落し、クルー3名がショックと寒さで殉職したことを発端に始まった訓練で、全国からフライト・クルーが参加するらしい。
耐寒服という、胸元のジッパーを斜めに開け閉めする分厚い服を着るんですが、これが重量6キロあるんだとかで、それで下北半島で雪中の野営訓練をするんですよ。かんじきとか自作して、スコップは無い。墜落した飛行機の破片で雪を掘るという前提で、アルミ片とかで雪を掻きだしていた。
ちなみにこのレポートは、日テレ系列で今夕も続きが放映されます。昨日は5時半前でしたね。今夕のレポートは、いよいよ真冬の陸奥湾に実際に放り出されてのレスキュー訓練です。
※ ジェット戦闘機で洗濯物は乾くか?
やりましたねぇ(~_~;)。いや、そら乾くでしょう。たとえば着陸コースに降りるまでに水分たっぷりの雨雲があって、そこを突き抜けたにしても、ランウェイを走っている間の十数秒で乾くと思う。
問題はその乾き方。着陸したら、もうTシャツが布きれしか残っていない。全く原形を留めておらず、全体の1/10程度が、ボロボロで残っているという程度。それこそ20年くらいマストに掲げられて放置された海賊旗という感じで。上空へ上がると、秒速300メートル近い風圧ですから、繊維同士がこすれ合って、生地としての状態を維持出来なくなることが原因らしい。
ちなみに使われた機体はハンターでしたね。
※ 10代へのタミフル処方中止 厚労省、異常行動続発で指示
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070321-00000000-san-soci
タミフルって、発症直後でしか効果が無いのに、日本では、「とりあえずタミフルくれ」ということで、世界で消費されているタミフルの相当量を独占してるわけでしょう。総量を抑制するためには良いことだと思いますよ。ただ真に効果がある患者だっているんだから、一律禁止にするのはどうかと思う。タミフルの処方を躊躇ったばかりに、症状が進行してインフルエンザ脳症に、という患者も今度は出てくるでしょう。
※ 防衛省、ユーロファイター選択肢に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070320-00000015-nna-int
まあ、米国向けのアドバルーンですよ。条件闘争に持ち込むための。ただ、これはライセンス生産はもとより、ノックダウン生産もほとんど見込めない。その程度なら、所詮メーカの儲け云々のレベルだから良いけれど、中身はブラックボックスで一切公開されない。となった時に、ラプターを20年使いました、その間、日本の安全保障は無事に達成されました。という結果に留まって良いのか?
*中国、大型旅客機生産へ 寡占市場の一角ねらう
http://www.asahi.com/international/update/0321/005.html
こういうニュースもあって、中国は航空機開発を国家戦略と位置づけている。そこで60年代以降の日本とアメリカの関係が再現されそうな気がするんですよ。
ラプターを買ったが故に、日本の安全保障は達成されるけれど、ブラックボックスに触れるわけじゃないから、技術的に日本が得るものは、はっきり言ってゼロです。パイロットの技量を維持できるだけ。日本の戦闘機開発はラプターの導入によって事実上、留めを刺されることになる。
一方の中国には、ロシアだけでなくフランスもイスラエルも、気前良く兵器も技術も売ってくれる。ヤマハみたいに、儲けが出るなんならと、使い道が解っていて輸出するメーカーだっている。われわれが向こう四半世紀、戦闘機開発に関して、何らの技術的習得もできない間に、遅れていると思っていた中国は、のびのびと研究開発を進行させるでしょう。
四半世紀後、日本と中国で同時に戦闘機開発をスタートさせたら、間違いなく中国の方が良いものを作ると思う。
※ メルマガおまけ アメージング・レース
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コメント
村上世彰公判でのホリエモン証言についてはいかがですか?大石先生!!
ホリエモン公判では経営者の責任を重視して有罪とした以上、ホリエモン証言はかなりの影響を及ぼすと思うのですが。
投稿: とおりすがりん | 2007.03.21 10:18
>どうなる? 日本の戦闘機開発
そもそも、輸出もできない我が国で、戦闘機開発を行う必要性はあるのでしょうか(趣味的には、国産戦闘機を見たいという願望はありますが)。
もちろん技術の維持・向上は見込めると思うのですが、個人的には工業製品については、国際分業化を進める時期に来ているように思います。
国家財政も破綻している状況なので、なおさら、そのように感じます。
投稿: 成田の近くの住人 | 2007.03.21 10:28
>ホリエモン証言
肝心な所で記憶が曖昧だみたいなことを言っていて、あれは裁判官の心証を損ねるでしょうね。
でも私が注目しているのは、証言内容よりも服装でして、昨日はかなりラフな格好だったんですよね。それだけで裁判官的には減点対象なわけで、ホリエモンとしちゃ、表向きはともかく、村上を巻き添えにしてやる、みたいな腹づもりなのでは、と思ったのですが。
投稿: 大石 | 2007.03.21 10:29
タミフルとはインフルエンザウイルスの増殖を抑える効果がありますが,通常だと完治するのに8日間かかるところが,1日ぐらい直るのが早くなる程度の薬でしかありません。従って,日本以外の国では,インフルエンザにかかったら,自宅で安静にするのが基本です。「タミフル」でググれば大量に情報があります。
本来タミフルは鳥インフルエンザの発生に備えて,備蓄しておくたぐいの薬なんですが,なぜか日本ではインフルエンザにかかったら処方する薬になってしまった。
インフルエンザを治す薬なんてないので,医者としても,インフルエンザの患者にはゆっくり休んでくださいとしかいえないはずですが,とにかく何でもいいから薬を出してくれと言うのが,日本人のメンタリティ。そこでタミフルが登場して,健康保険の対象になったら,まるで風邪薬のごとく処方されるようになって,世界で消費されるタミフルのほとんどが日本人によって消費されるようになってしまった。
医者としても,本当は休んでいればそのうち直るとわかっていても,患者が処方薬を求めれば,タミフルを出さないと,その患者が二度と来てくれなくなってしまうという問題もあります。さらに,処方薬を出さないと経営が成り立たないという事情もあります。
これはタミフルに限った問題ではありませんが,病院に行くと山のように処方薬が出てくる原因の一つです。
今回の厚生労働省の決定で,10代のタミフルの処方が中止されるようですが,10代に限らず,インフルエンザの患者全体に幅を広げた方がいいと思います。
投稿: suu | 2007.03.21 10:31
>一律禁止
「合併症のあるハイリスク患者」は是認されています。
ライ症候群(レプラじゃないって書かないと引っかけがくるか?)も、インフルエンザ脳症もワクチンをバッシングしたから出てきた話であります。確率的にだれかが、何らかの被害をうける。それをどっちの側にいても、受け入れずに焚き付けるだけの話です。脳症の死亡は漸減してますが、来シーズンどうなるかが、ヒストリカルコホートとして注目されます。
八つ当たりと言えば研究費の話。
競争型資金を国も推奨しているくせに、いざとなるとケツを持たない。
大体、企業が金を出すに値しないと判断するような人間が、班研究など纏められまいに。金を貰っていない事を基準に班研究をさせたら、それこそお金をどぶに捨てるようなものだ。
貰ったからってそんなに話を枉げるほどの事はない。
だいたい、タミフルじゃなくてアクテムラだって中外の製品。貰ったと僻まれている教授だって、札幌に難病の特別外来にいったり、未承認の薬(アクテムラ)を患児に早く届ける努力をしている訳で、悪意は無い。
投稿: pongchang | 2007.03.21 10:33
中国はその昔B707のコピーを試作した事があるんですよね。試作で終わりましたが。
投稿: | 2007.03.21 10:50
F-Xについては、もうミサイルとレーダーに予算をシフトすればいいでしょう。
ガメラの艦載型とか、個別のレーダー以上のC4Iに衛星監視システムとか、予算の振り向け先は幾らでもあるし、技術者も有限。
もちろん白バイ(FI)は必要、でもニッチなんだから、買えばいいでしょう。
FSはP-Xで出来ない仕事でも(陸攻!陸攻!)ないでしょうし、PAC3を積めるのはF-22ではなくF-15(藁)。
ソニッククルーザーの戦闘機より、ソニッククルーザーのBizJetや旅客機で儲けましょうよ。
投稿: pongchang | 2007.03.21 11:45
>FX
L・M社としては、F22を最小限数を日本にFMSで販売して、
その後販売環境が整ったF35をライセンス生産方式で販売したいと考えてたみたいけど・・・。
まあこれは多少日本の都合を勘案した上でのL・M社の考えで政治的な判断は入ってないし。
そして空自の内部でも本当にF22には必要なのかと論議になってるみたいですし・・。
まあ意地で調達したが全く調達が追いつかない陸自のアパッチや、FMSで導入してどうにも回らなかった
海自のMH53を思い出すとF22の選択肢は悩みますな。
まあ今回の動きは各部の駆け引きの一端でしょうか。
投稿: 陸の海自隊員 | 2007.03.21 12:00
日本の戦闘機開発を論じる上でまず無視できない参考資料、それは皆さんご存知のアニメ「平成たぬき合戦ポンポコ」ではないでしょうか。
これは多摩ニュータウン開発に伴う自然破壊とプロ市民の戦いを描いてはいますが、これを昨今の戦闘機開発シーンにあてはめると「欧米=人間、中国=きつね、日本=たぬき」との類似性による~連関が~、つまり、まぁ・・・面白いんです YO!
投稿: H | 2007.03.21 14:04
すいません、これを置き忘れていました。
http://www.youtube.com/watch?v=RqggNvpiBlU
投稿: H | 2007.03.21 14:15
>防衛省、ユーロファイター選択肢に
お蔵入りになったYF-23なんてどうでしょう?
けっしてF−22に見劣りする性能ではないそうですし
ノースロップから買いたたけるんじゃないでしょうかね?
http://rouge.pinky.ne.jp/military/slbm/yf23.html
投稿: BB | 2007.03.21 17:17
http://d.hatena.ne.jp/DeaiK-Ossan/20070321
ふ~ん、レギュラーもってるんだ~リアディゾン
投稿: pongchang | 2007.03.21 18:09
>>ユーロファイターvsラプター(vsストライクイーグル)
ユーロファイター社が日本向けモデルの共同開発まで条件として提示しているという噂が本当ならば、工業技術の維持と言う長期的な戦略も含めてユーロファイターが最良の選択になると思いますよ。
その次に一部で噂の飛んでるF-15Jの追加生産+限定的なFS任務用の改善と言うあたりでしょうね。
件の記事のF-15Eに関してはライセンス生産が開発メーカ側の意志でできそうもないという観測もありますし。
ラプターはベンツみたいな物で確かにあればある種のステータスシンボルになるんでしょうけど、今のアメリカ経済の状況を見ていると、ロジも含めてリスキー過ぎるというか、イランのF-14よりも悲惨な結果になりそうな気が
…第一たかが数十機たらずのラプターとF-2やF-15で数百機のフランカーやチャイニーズラビで組まれた戦爆編隊を相手に出来るのかという感じがするのですが。
これは最悪のシナリオで、実際には数十機の偵察機(哨戒機)や戦爆や護衛の戦闘機+海上の防空巡洋艦のグループが領空侵犯してくるのとの小競り合い程度が関の山でしょうけど…
ATD-Xの研究成果を物にして、F-XXの国産につなげてほしいという感じはしますけどね…F-XXが進空するころにはF-22すらロシア・中国あたりの開発したステルス戦闘機が拡散していて陳腐化し兼ねませんし、それらにアドバンテージをとるためにはATD-Xで実験予定の色々な要素は必須要素になってるでしょうから。
どちらにせよアメリカ経済の先行きを考えると、自力でいじれる機体でないとアメリカ側のメーカと共倒れになるでしょうし…
投稿: Artane. | 2007.03.21 18:38
>日本の戦闘機開発はラプターの導入によって事実上、留めを~
そうなんですよ。ここで戦闘機作るの止めると、戦闘機の製造基盤が確実にクラッシュしますからね。
それにライセンス生産するにしても、最低F-2と同世代の機体じゃないと、生産現場での雇用は守れてもF-2で培った技術が現場で失われてしまい、近い将来に次世代機を作る際、ジェネレーションギャップに悩まされる事が必至ですから。
まぁなんにしても、国産機配備する一方で外国機買い漁れる金回りのイイ中国が羨ましい事で。
投稿: 名無し二等空士 | 2007.03.21 20:45
もう、戦闘機ってねまった技術なので「AL-1をライセンス生産する」のほうが将来を考えると有効かも。
投稿: だむ | 2007.03.21 22:50
>金回りのイイ中国が羨ましい事で。
折角稼いだ外貨を、しょうもないことで浪費しているようにしか思えないんだが。(我が国のODAも似たり寄ったりだが)
投稿: 土門見人 | 2007.03.22 00:05
え、日本の戦闘機開発って烈風とかで終わってたんじゃないの。。。
投稿: | 2007.03.22 00:53
↑確かに技術実証機の側面が大きくはなってますが、敗戦で一度潰れた日本の航空工業業界がF-86の修理やF-104のライセンス生産で学んだあたりから這い上がってF-1/T-2を開発し、その調子でF-2を自力開発しようと思ったらアメリカから横槍が入ってF-16改の格好をとる羽目になったとは言え、
T-2 CCVなどでの実験成果を使って徹底して設計をやり直して(一説にはエアインテークまで設計しなおしたのには流石にロッキードのF-16設計者が激怒したとか…)別物にしてしまったF-2がある訳で。
確かに設計コストは嵩んだし、レーダの統合でバグがあって改修したりとか、一機生産するごとにアメリカに開発費やらライセンスやらアメリカ企業生産分の経費やらで50億以上払わないといけないので一番高いときで130億円を越えたので調達打ち切りになってしまいましたがorz
そんなこんなや現状では技術開発用のエンジンという名目で高性能な戦闘機用エンジンを一から開発して、残るのはATD-X向けタイプのテストとATD-Xとの統合作業という所までこぎつけた訳で、戦闘機開発は一ラインではあっても戦後復活しているといえるのではないかと。
ここで戦闘機の自力量産のラインを絶えさせると、F-22の次を自力開発なりライセンス生産することになったときに最低でも数年、たぶん五年以上、実戦配備までに余計な時間がかかるでしょうね。
ライセンス生産の場合だと、自力でいじれるようになる部分がF-15Jのときよりも相当後退するでしょうね。
投稿: Artane. | 2007.03.22 01:43
>http://www.youtube.com/watch?v=RqggNvpiBlU
これを見たら、関連でとんでもない動画を拾った
http://www.youtube.com/watch?v=lxbJwZVJnh4
イジメの究極的解決方法な気がしてちょっと反省。
タミフルに関しましては、誰が必要でそうでないかキッチリ調査してほしいものですね。
中国の大型旅客機なんですが、もし出来上がっても怖くて乗れない気が……
大型旅客機とくるとオタク的発想から即座に軍事輸送機開発の前触れなんじゃないかと思っちゃいますね。
投稿: オブジェクト | 2007.03.22 07:52
>pongchang 同志
君ぃ、勉強不足だよ。何故にこのイミングでリアんなのかね?ははん、もしかして「たぬき」繋がり?うみゅ、確かに動物占いで彼女はタヌキではあるね。まぁ何だね。詰まらなくなくもないかもしれんね。
ただ彼女、日本語ブログの代書は頂けませんなあ。その点、エミリーはヘタなりに頑張ってるのに皆に虐められて疲れてしまい、現在活動休止中。険呑険呑。
投稿: H | 2007.03.22 10:02
素朴な疑問なんですが、ステルス機でインターセプトって、どうやるんでしょうか。
有視界まで近づかないと相手に気づいてもらえないんじゃ?
レーダー波反射板かなんか追加装備するのかしら。なんだかなぁ。
投稿: L-WING | 2007.03.22 10:23
>大型旅客機とくるとオタク的発想から即座に軍事輸送機開発の前触れ
こんな感じか?
http://www.gizmodo.jp/2007/03/post_1149.html
投稿: | 2007.03.22 10:28
ステルス旅客機というのも問題多ありですなぁ。
投稿: H | 2007.03.22 10:36
インフルエンザ脳症はインフルエンザが原因の症状ではありません。あれは解熱剤が原因の薬害です。
投稿: | 2007.03.22 15:23
>戦闘機
国産ならば、技術維持もさることながら、そのお金は全て日本国内に還元される。国民の税金は、国民に還元されるべきといえる。
たとえブラックボックスを組み立てるだけだとしても、それを製造し、運用を支える数多のの企業があり、使われたお金は日本国内に緩やかに還元されていくんですよ。
そして、FMS調達って部品が入ってこないんですよ部品が!!
共食いや可動不能機が増えて戦力として頼りない。
投稿: | 2007.03.23 02:06
>ステルス
F-22の前影のRCSは0.0001ぐらいとか?
今あるミサイルシーカーでは、人間の目で見える距離ぐらいにならないと捉えることが出来ません。つまり肉眼で見えるまで、武器が使えないんですよ。他方、F-22からはいつでも、自らレーダーを使用しなくても、AWACS機や囮の他機が捕らえた目標をデータリンクを使って、ミサイルの最大射程で発射することが出来る。F-22の絶対優位性ってのはそういう意味です。
投稿: | 2007.03.23 02:14
by Sasayama Web
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=717
>タミフルの副作用が報道されたことで、要員たちが、
>渡されたタミフルを、服用規則を守らずに、
>適切に飲まなかったものと、指摘されている。
ビビっちゃいけねぇ。
100名死ぬ、インフルエンザ脳症。死ねば良いけど、障害を残すと年間500万円(哭)
投稿: pongchang | 2007.03.23 20:26