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2007.09.04

アウトソーシングの脅威

  超多忙モード継続中。昨日、メルマガの契約が遂に450名を越えました。長い道のりでしたね。次は500名を目指して頑張りましょう。
 農相辞任問題。起こったことは事務所費の誤魔化しよりたちが悪いんだけど、何しろ所管の省庁で起こった形になってしまったから。でも、こんな下らないことで時間を潰さないで欲しいと思いますね。
 あんた達、党利党略しか興味が無いんですか? 国会が優先して取り組むべき課題は山積しているでしょうに。はっきり言って、事務所費問題とか、国民の暮らしには何の関係も無いでしょう。

※ 人事も経理も中国へあなたの仕事が突然なくなる▽苦悩と再起の日々に密着 Nスペ

 全部は見てないんですよ。忙しいので、冒頭の20分間だけ。あとはビデオ。でも呆然とする内容でしたよ。通信販売会社のニッセンの50歳代の総務が、上司から、これからは総務も中国に丸投げします、ついては貴方は今後自分の仕事を自分で探して下さいと……。
 もう人事や総務まで中国に丸投げしてアウトソーシングしたんじゃ、こりゃ猫も杓子も公務員になりたがるわけですよ。だって、今一部上場企業が、これは言語の壁があって、中国に丸投げ出来ないけれど……、と言っていたものが、もう中国人ぺらぺら日本語喋って日本人がこなしている仕事を全部1/5のサラリーでやっちゃうんだもん。SEも人事も総務も要らないという話しになれば、僅かのエンジニアと社長さえ国内にいれば、日本人を雇用する必要は全然無いじゃん。無事に就職出来ても、10年20年後、そうなると解っていれば、誰も民間企業に就職なんか出来ないもん。
 これはいずれ、日本の税法が変わって、授業員の何割以上が日本人でない会社には制裁的な課徴金を科すという時代が来るんじゃなかろうか。
 われわれはつい昨日まで製造業の空洞化に怯えていたけれど、このままだと、四半世紀後、日本には、公務員とタクシー運転手しか仕事は残らないですよ。中国人をこれ以上入れるな、という議論が全くナンセンスになってしまう。仕事はタダ漏れして、実質数十数百万単位の外国人労働者を雇用しているのと同様の状況がすでに現実化している。ただ彼ら彼女らは、われわれの隣りにいないだけ。大陸の向こうにいて、日本人の仕事を奪っている。

 いやなんか、ニッセンを責める気はないんですよ。会社が利益を出して、株主に還元できるのであれば、それに越したことは無いわけで、しかもそれは消費者にも還元される。ただ、これって本当に良いことなんだろうか?
 それこそ、もう数年経ったら、無保険者のために、大連に飛んだら、日本で健保を払い続けるより安上がりに癌治療だって受けられますよ、という時代が来るかも知れない。われわれがここのアウトソーシングだけは無理だろうと思う病院だってそうなるかも知れない。奥さんもうすぐ臨月ですか? だったら一ヶ月くらい大連の病院で過ごして下さい。費用、全部ひっくるめて15万円、日本の半分で済みますから、という時代が来るかも知れない。
 しかしこの状況は歯止めを掛けなくて良いんだろうか? 何かとんでもなくショッキングな番組を見させられた気分でした。

※ 乙女のカリスマ・嶽本野ばら容疑者、大麻所持で現行犯逮捕
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070903i205.htm?from=main2

 どういう人か全然知らないのですが、男性? ま、本当は偶然職質したわけじゃなく、内偵が入っていたということですよね。

※ 前長野知事の田中氏に「嫌疑なし」 働きかけ問題で地検
http://www.asahi.com/national/update/0903/TKY200709030323.html

 時間的にはこんなもんだけど、いくら相手が悪党と言っても、もう少し早めに結論を出せるようにすべきですよね。

※ 米、北朝鮮の「テロ支援国家」解除へ 朝鮮中央通信
http://www.asahi.com/international/update/0903/TKY200709030366.html

 規定路線だもんなぁ。

※ 「頭蓋骨にダイヤ」作品が115億円 世界で展示へ
http://www.asahi.com/culture/update/0830/JJT200708300013.html

  新たな祟り伝説の始まりす。

※ メルマガおまけ 企業の良心

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コメント

今まで日本語がネックになって,事務系のアウトソースは難しいというのが一般的でしたが,そうでもないようですね。とはいえ,日本語ができる中国人というのも限りある訳で,いずれ賃金が高騰して,割が合わなくなるのではないかと思います。インドだって,すでにIT関連のアウトソースは人材が枯渇し始めて,問題になっているようです。

この手のアウトソースを規制すべきかどうかですが,基本的に,規制すべきではないでしょう。すでに,製造業では,数十年前に経験済みですが,付加価値の高い製品を生産する工場は国内に残り,付加価値の低い製品を生産する場合は海外という風に棲み分けがうまくできました。

製造業の就業者数の絶対数は減少したのは確かですが,これは先進国の運命と考えるしかないでしょう。

事務系のアウトソースが製造業と同様な結果をもたらすのかどうか今のところよくわかりませんが,おそれずに変化を受け止める必要があると思う。

投稿: suu | 2007.09.04 10:15

>日本の税法が変わって、授業員の何割以上が
>日本人でない会社には制裁的な課徴金を科す
大石先生、それはちょっと無理ですよ。
あえてやるなら、労働のボーダレス化に
どうやって関税をかけるかという問題だと
思いますよ。

ニッセンのような事例では、現地請負は現地法人
日本にある法人には、その人達は雇われていな
ので、日本法人の外国人はゼロでも可能。
ゆえに課徴金を科せません。

私の会社は、外国人が1/3ほどいます。
彼、彼女らは日本の大学を卒業し、定住者として
税金も納め、市民の義務も果たしています。
私の会社は大企業ではないので、こうした優秀な
人材は、日本企業から敬遠される外国人に
積極的に求めています。
仰るような案ですと、私のような会社は
まさに狙い討ちですが、事態の改善には
貢献しないと思います。

やはり、国を越えた労働力を提供に、関税を
かけられるかという問題になると思います。
 でも、製造業でも、安い家電、パソコンは
海外ODMに支えられていますので、結局は
物価が上がる、国際競争力の低下との取引と
なるように思われます。


投稿: 外資社員 | 2007.09.04 10:18

元伊藤忠商事会長の瀬島龍三氏死去
http://www.asahi.com/obituaries/update/0904/TKY200709040001.html

投稿: 半角空白 | 2007.09.04 10:21

>アウトソーシングの脅威
ニッセンの件について連投失礼します。
ここで問題なのは、中国で代わりがあるから
簡単に人を切る会社のあり方と思います。
 当社のような外資でさえ、日本の雇用習慣に
配慮し、解雇については十分猶予も挽回の
チャンスも与えて、それでも駄目なら解雇。
当然、再就職の機会や、割り増し賃金も出し
ます。 そうした問題では外資への風当たりは
厳しいので、随分と配慮しています。

コムスンにしろ、ニッセンにしろ、
最近の新興企業の方が、よっぽど外資よりも
冷たく、従業員の生活を考えていないように
感じました。

問題の本質は、そうした経営者の考えだと
思うのですが。

投稿: 外資社員 | 2007.09.04 10:29

>アウトソーシング
NECとか富士通が米国の株式市場での上場維持に呻吟していた。これは、日本の会計システムを向こうのSECが呑まず、特に棚卸し資産が処理できないから。こういった海外向けの会計・監査を日本で行う必要は無い。日本の会計システムに互換性がなければ、日本の会計システムを維持する必要はなく。それこそインド人の方が得かもしれない。
http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz06q4/516497/
これは沖縄だが、「グループの財務、経理、コンプライアンス管理」を東京から離れて行うことに、シティの日本法人は行う事にした。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709011300_01.html
中国でなくて、宮崎や鹿屋なら良い話しだと思うでしょう?工場やショッピングセンターだけでなくて、生産的なホワイトカラーを引きつけるブランド力か?そうでなければ、潤沢な人材か?自由な地方税の設定ができれば、東京のホワイトカラーが切られた方が、大石先生の溜飲が下がる場面も無いわけではない。

投稿: pongchang | 2007.09.04 11:17

>アウトソーシングの脅威
自分の職場と収入を守りたいと切実に願いますが、欧米で出来なかった事が日本だけ出来るとは到底思えません。この流れは加速する事はあっても押し留める事は困難だと思います。
なにせ「株主の利益」「消費者の利益」という錦の御旗があります。
とてもじゃありませんが太刀打ちできません。
唯一期待できるとすれば、中国国民の生活水準が向上して、コスト的な旨みが減少してくれることでしょうか。
そうなったらそうなったで、今度は更に人件費の安い北朝鮮へ、「日本⇒中国⇒北朝鮮」図式で丸投げされるのかもしれませんが。

投稿: 所長 | 2007.09.04 11:25

>農相辞任問題
県や市町村職員等にとって一番緊張するのが会計検査院の検査です。
検査前は県が指導し、事業内容が適正だったか、書類に不備はないかなどを入念にチェックします。
実際の検査で問題を指摘されれば、直ちに是正措置をとり会計検査院の了承を受けるのが普通です。
今回の置賜農業共済組合の補助金不正受給問題では、指導・監督すべき山形県と農林省が3年間も放置してきた責任も大きいと思います。

投稿: 元木っ端役人 | 2007.09.04 11:27

>「日本⇒中国⇒北朝鮮」図式

アメリカの後をおった日本がいて、台湾、韓国、フィリピンなどがどんどん追いついて既に水準は日本と差がつかなくなりましたね。
いまは労働力を求めるならベトナムと中国でしょうか。
人口規模からすると、富が行き届くのは韓国など小国は早そうですが、大国中国インドにはどれほどの時間がかかるのでしょうか。
単純比例ではないのでしょうが、ある意味全世界が同じレベルの富を持てば、労働力を買いたたかれることはないのであって。
キーはどこら辺にあるのでしょうかね。

投稿: たつや | 2007.09.04 11:40

経済の流動化が進めばこうなるってのは分かりきった話な訳で、何で政治家はそれを言わないですかね?
言えばいいのに。
「経済を活性化して、大量のスラムの上に極少数の人間だけが立つ、サイバーパンクの世界みたいな素敵社会を作る」
って。
軟着陸して「じゃんりん子チエ」みたいな世界になればいいですが、どうせそうはならないし、政治家も財界もそんなのは望んでないのですから。
人間を使い捨ての永遠ローテーションする事でコストを極限まで抑えて最大の成果を得るのが彼らの夢ですから。

>世界が同じレベルの富を持てば、労働力を買いたたかれることはない

そうなったら今度はその過程までに育成したスラム住人にその低賃金な仕事を投げるだけですよ。
かくして完全なる暗黒時代が誕生するわけです。
めでたしめでたし

投稿: 偏頭痛持ち技術者 | 2007.09.04 13:11

>すでに,製造業では,数十年前に経験済みですが,付加価値の高い製品を生産する工場は国内に残り,付加価値の低い製品を生産する場合は海外という風に棲み分けがうまくできました。

すべての製造業者が高付加価値にシフトできるわけではなく、つまり落ちこぼれはどうしても出てくるわけで、そういうところ(とサービス業)が不法残留外国人雇用を支えていたりします。

企業は国家じゃないから、国家がどうなろうとしったこっちゃないですけど、国民一人一人はそういうわけにもゆかないので。もちろん国を捨てるという選択肢もありますが、国を捨てられるレベルならそもそもアウトソーシングで割り食ったりしないわけで。

投稿: himorogi | 2007.09.04 13:36

>かくして完全なる暗黒時代

完全なる計画経済でも歩みます?
いやまぁ、春髷丼が来るから入信するんだけど。

格差は兎も角も最低レベルは上がるからいいんじゃないですか?

投稿: たつや | 2007.09.04 14:13

アウトソーシングできるようなことを企業内で正社員に高い給料を払って続けていくことはもうできない。とはいえ、経理や人事までもが外部委託できるものだったとは。
総務という仕事は会社の決まった業務のそれ以外全部ということだとすれば、ニッセンの人が仕事を探せと言われたのはもっと積極的な意味だったのかもしれない。(山口六平太か)

投稿: | 2007.09.04 15:05

>アウトソーシングの脅威

もう少し長い歴史的スパンから見れば、
かつて太平洋戦争の敗北のドサクサの状況
により国際法無視で太平洋戦争以前の権益
まで引っぺがされて大陸から放逐された
わが国が再び大陸に返り咲く好機であると
も見ることができます。
 おまけにこのままいって中国に政治的混
乱が再び訪れるような事態があればわが国
のみならず中国に投資を行い拠点を保有す
る国は大打撃をうけざるをえませんので
その場合はなんらかの政治的コミットを
行うはめになります。
 そのような状態になったとき、日本語を
流暢に話せるホワイトカラーの中国人が
大連にたくさん存在することはわが国に有利です。さらに有利に運ぶためには親日
勢力の増大を考えなければなりません。
国内の企業に制裁的な課徴金を科すよりも
よって現地労働者の生活水準アップ、給料
を日本人並みか日本人に準ずる水準にする
ような法律を作るべきでしょう。

投稿: 123 | 2007.09.04 17:00

>米、北朝鮮の「テロ支援国家」解除へ 朝鮮中央通信

で、日本はいつ「敵対国条項」解除されるの?

投稿: aka21 | 2007.09.04 18:21

まあ経営者も政治家も自分たちとせいぜい子供の世代が富にありつければ良いだけ話で、パンピーの事なんか気にもしてないのが実際の所でしょう

投稿: | 2007.09.04 19:07

>米、北朝鮮の「テロ支援国家」解除へ 朝鮮中央通信

 スーバーK:偽札(と武器麻薬輸出)の解決なくしてはまず無理。他に北朝鮮自体が外貨を稼げる産業がないのが致命的。 何かと言うと国際援助!国際援助! キックバックのために援助する役人はいても、朝鮮民主主義人民共和国のことを心底考える人々は一握り。
 これで国が栄える要素が見当たらない。組織犯罪を主産業としている限り、軍閥の域を出ない(実用的かどうかは別として)核武装を宣言しても国家としての体をなさないのだからしょうがない。

 あっ、そうか「テロ支援国家」を解除して「テロ支援団体」に看板替えるというのならアリ?

投稿: 無命 | 2007.09.04 19:45

貧困層の底上げがなされるのが先か、消費を担う層が一時的に消える事による打撃で破綻するか。
いずれにせよきわどい綱渡りですな。

>完全なる計画経済でも歩みます?

私みたいな生活に追われるだけの貧民にはそれでも何の問題もありませんね。計画経済になると真剣に困る人って、今この国にどの位いるんでしょうか。財界人と投資家位じゃないんですかね。


投稿: | 2007.09.04 21:12

>格差は兎も角も最低レベルは上がるからいいんじゃないですか?
それは
「みんな時給400円になったけど、そしたらとりあえず失業と餓死はなくなって、最低レベルは上がったからいいんじゃないでしょうか?」
というのと同義ではなかろうかと思うのですが、、、
「世界の人のほとんどの時給が200円になったけどどの国でも餓死がなくなるのだから無問題」
とか言う人もいますが、自分はそういうのはいかがなものかと思います。
餓死とか頻発する国にとっては朗報でしょうけど。

中国に対抗して労働対価が極限まで下がり、でも物価はさほど変動しなかった場合、日本人の大多数がワーキングプア一歩手前みたいな人だらけになってしまう気がするのですがというか、もうそういう未来しか自分には見えません。
中国やその他の国にワーキングシェアするのに日本人が対抗しようと思ったら同じくらいまで報酬を下げるしかないわけで(流動化というなら、こうならないとおかしい筈ですし)、でもそうすると生活コストの高い日本では生活できないですし、、、暗黒時代万歳ですな

投稿: 偏頭痛持ち技術者 | 2007.09.04 21:44

公務員だって「アウトソーシング」の例外になるとは限らないのでは?

「日本なんて、20年もすれば消滅している」なんて発言もあるくらいだし
着々と事は進んでいるのかもね

投稿: | 2007.09.04 21:52

その特集を見てないんですが、どうも文面から察するに、もはや決着がついたはずのチャイナシフト、中国凄いをNHKは再び煽りたいのかな、と。
遅いですよ、今はインド凄いって煽らないと。
日本語堪能な中国人がすべて取って代わりますって・・・
メルマガとろうかと思ってましたが、やめました。

投稿: | 2007.09.04 22:37

アウトソーシングできるのなら、別に良いことでは?
労働人口は減るのですから、日本で成り立つ仕事(高付加価値を生む何か)へ労働者もシフトしていくしかないでしょう。ただし、従業員を解雇する前に、転職支援(技術研修なり)が欲しい。
しかし、中国に外注して将来的に大丈夫なんですかね。情報漏れとか、政情不安定化とか。「当社の経理・総務部門はChina Freeです」というのも一流ブランドの証になりそうです。
#別に日本の暗黒スラム化時代到来とは思わない。いまだってウサギ小屋生活ですから。

投稿: a | 2007.09.04 22:41

>もう人事や総務まで中国に丸投げしてアウトソーシング

要するに必要な時に必要なだけの戦力を調達して、ビジネスの戦果を得るべく活動できるようになっていたわけですね。

もはや、企業という要塞を維持する必要も意味も無くなっています(機動要塞で艦隊戦を戦う連中は別として)。

新たなビジネスを創造して、経済全体のパイを増やしていきましょう。

投稿: ほるほる | 2007.09.04 22:42

経営者と一部幹部以外は海外へアウトソーシング

値段は下がるがアウトソーシングに伴う失職で国内総低所得者状態、国内消費低迷

金がないから株も買えない、一部大株主を除いて外国人株主比率が高くなる

国内で儲からないから海外に本社丸ごと移転
結局日本人経営者も首切り
日本企業の単なるブランド化

国民総失業状態
日本終了

投稿: | 2007.09.04 23:27

値段は下がるがアウトソーシングに伴う失職で国内総低所得者状態、国内消費低迷

円安で日本の人件費が割安に。

輸出産業で大もうけ。

日本の奇跡再び。

投稿: | 2007.09.04 23:48

 日本人も外国語学習に力入れて、他国のアウトソースを引き受ければいいんですよ。

 「言葉の壁」問題は日本人の方がずっと深刻です。
 「英語はこれからの国際化社会では重要」と30年(戦後ずっと?)言われてきたのに、実際に中高で行われてきたのは、英語授業時間数の削減でした。
 西欧語を日本人が学ぶのは難しいんです。言語構造がまったく違う。米英人がフランス語を学ぶのにくらべたら、何倍も時間がかかる。それなのに、たった週3~4時間くらいしかやらないんだから、できるようになるわけがない。

 パソコンの使い方を教えることが情報教育だと勘違いしている人が多いですが、違いますよ。語学こそが情報教育の要です。パソコン教育なんかやめて、その予算を語学に突っ込むべきですね。

投稿: Inoue | 2007.09.04 23:55

はじめまして。TBさせていただきました。事後になってしまい申し訳ありませんでした。

投稿: NED-WLT | 2007.09.05 00:11

アウトソーシングする理由というのは、儲けを出したいから経費を抑えるという事ですよね。
買う人、使う人がいなけりゃ儲けもゼロだと思うんだけどなぁ。
某国に行って、靴を履いていない人を見て・・「売れる」「売れない」のどちらと考えるか、という話が
ありますが、この場合人がいなくなるって事ですから絶対売れないわな(^^;
子供向けの業種が、今これに向かってますね。

投稿: | 2007.09.05 00:15

人事や総務の外国へのアウトソースは、ベンチャー企業とか小企業のようなスタートアップなところが利用するのはいいことだと思うんですが、大企業がやるのはどうかと。CSRというか社会責任ってものがあるだろと思うんですけどね。

日本がそういう社会還元を暗黙のうちにやってたときは、閉鎖的だとか言われてマトモに反論できない。

逆に日本などが効率性で攻めてくると、社会的責任投資やってるかゴルァといわれてすくんじゃう。

もうアホかバカかと小一時間(ry

投稿: himorogi | 2007.09.05 00:30

つか、しょせん人事や総務までアウトソーシングするような企業は負け組み企業なんだと思いますよ。いまどき安かろう悪かろうが売りの。知ってる本当の一流企業でそんなとこ見たこともないですね。良い悪いは別として彼らにとって人事・総務はエリート中のエリートですから。

投稿: | 2007.09.05 01:16

>アウトソーシングの脅威
後ろ向きの意見が多いようですが、「アウトソーシングできない技術」を持った人になるとか、アウトソーシング仲介業を興すとか、前向きに(脅威をチャンスと抜け目無く)考える人はいないものか。。。

投稿: a | 2007.09.05 01:24

他国のアウトソーシングを引き受けられる状態というのは、日本人にとっては
「奴隷っぽい仕事は国内にいっぱいあるよ」が
「奴隷っぽい仕事は世界に沢山あるよ」
に変わるだけでは?
しかも発注元の国の方が通貨価値が高ければいいですが、その状態という事は経済は平均化されてると思うので、報酬は大して価値は変わらないわけで。
世界中が努力論者の望む、己の力だけが頼りの弱肉強食で餓狼の群れみたいな社会になるんでしょうかね、、、しかもその大部分はワーキングプアで(日本で起きたことが全ての国で起きた場合、世界中がワーキングプアになって当然ですし)
ただ「じゃあもう日本から出て行くか」という選択肢を選べる人が増えるということでもあって、それはいいことなのかもしれませんが。

>前向きに(脅威をチャンスと抜け目無く)考える人
そういうことの出来る有能で優秀で結果を出せる人ってのは常に一握りだと思いますけどね。

投稿: 偏頭痛持ち技術者 | 2007.09.05 01:53

そもそもがそれほどドメスティケートされていたワケでもない通販会社が支那に移るってことは、それほど驚愕の事態とも思へないんですが…(中高年の雇用の問題は重要だけど)
それに、ことの性質上、支那にアウトソーズできない分野は、まだ結構あるのではないかと。防衛や防衛とか、防衛とかが。

投稿: truly_false | 2007.09.05 03:01

>しかも発注元の国の方が通貨価値が高ければいいですが、その状態という事は経済は平均化されてると思うので、報酬は大して価値は変わらないわけで。

 やれやれ、高校程度の経済学もわかってない人が多いんだね。中国の仕事を日本人が請け負ったっていいんだよ。

 自由貿易を正当化する理屈に、リカードの比較生優位説ってのがあってさ。
 たとえ、すべての財やサービスについて、A国がB国よりコストが高くても、A、Bともに、国内的に比較優位な財に特化し、相手国に劣位な産業を譲り渡す方が、双方ともに、生産量が多くなるわけよ。

 大石先生、Nスペはこの理屈をちゃんと視聴者に説明してましたか?単に不安を煽るだけだったら、もはやNスペはビートたけしの娯楽バラエティと変わらないと思います。

投稿: Inoue | 2007.09.05 04:30

>リカードの比較生優位説

 これは、昔は経済学の講義で基礎中の基礎として習うけれど、最近は何か馬鹿にする人々がいますよね。過去に当ブログでも、コメント欄で誰かが比較優位の話を持ち出したら、まだそんなもん信じてんのか、みたいなレスがあったように記憶するのですが。
 だから私は最近、比較優位というフレーズはなるべく使わないようにしているんですが。

 以下、諸兄の解説を求む(~_~;)。

投稿: 大石 | 2007.09.05 05:18

 比較優位説が成立する前提条件がいくつかあって、それが満たされることが多いという人と、非現実的だという人がいるわけですね。(イギリスに都合のいい御用学説だとか、幼稚産業保護戦略はどうなんだとかいう、開発主義的な話は、議論しようがないから無視)
 たとえば、「生産要素が有限で、完全に利用されている」という前提が必要。
 中国が大量失業を抱えていると、どんなに条件が悪くても、人を使って生産した方がましなんで、比較優位な産業に特化することはない。しかし、中国の労働力は、2015年がピークで、遠からず逼迫を始めます。ダテに一人っ子政策をやってきたわけじゃないですから。高齢化による介護労働に若い人が吸い取られて、海洋堂のフィギュアなんか塗ってられなくなるかもしれない。

 本当にヤバいのは、もうすぐ人口世界一になるインドが日本の労働市場に参入してきた場合でしょう。あちらは、2045年までは労働人口が増え続けますから。

投稿: Inoue | 2007.09.05 07:12

>リカードの比較生優位説

これは2カ国間での貿易を説明したモデルで、多国間での貿易や分業をうまく説明できないからです。

投稿: | 2007.09.05 07:26

偏頭痛持ち技術者さま

はてさて、同義とすることをいかがなものとされる理由が分からない。まるで既得権益を主張する華族のような。

生活コストは賃金が下がれば必ず下がりますよ。生産者のコストが下がることにイコールなんですから。

投稿: たつや | 2007.09.05 09:54

 企業経営に限らず、策には必ず陰陽の両面があって、全てがハッピーという選択肢というのはあり得ない。この会社の例のように、ホワイトカラーのデスクワークを中国にアウトソーシングできて、人件費が圧縮できて万々歳というのは、少々出来過ぎた話だと思う。人件費圧縮のデメリットは必ずある。それが、短期的には表面化していないだけだろう。企業が、予め新戦略の全てのデメリットを計算した上で、経営戦略を立てているというのは、幻想である。だったら、倒産する企業が出てくるわけはない。
 シャープは、従来生産拠点を中国等に進出させた結果、生産コストの圧縮というメリット個を超える重大なデメリット、技術流出があることに気づき、液晶テレビの生産拠点として亀山工場を新設し、国内で生産を完結することにした。
http://www.sharp.co.jp/kameyama/feature/index.html

 人事・経理の全てを海外に発注するのは会社の自由だが、例えば人事(総務)業務は個人情報の塊。金さえ出せば何でも売る中国人に任せて、会社の命取りにならんといいとは思うが……

 それにしても、NHKというところは、どうしてこう陰に目を向けないシナ様マンセー番組ばかりなんだか。

投稿: 土門見人 | 2007.09.05 20:43

あれ見てシナ様マンセーと感じる人なんて、中国人以外殆どいないと思いますがね。何て迷惑な国だと思うでしょう普通。

投稿: | 2007.09.05 21:30

中身ないのに長文で申し訳ないと思いつつ

>Inoue氏
不勉強で申し訳ないです。
比較優位、ちょっと調べてきました。
不得意な産業よりも得意な産業に特化することによって結果的に不得意産業よりも条件のいい得意産業の雇用がより多く生み出される、という考え方であってますか?
それがあってるなら

>前提条件がいくつかあって、それが満たされることが多いという人と、非現実的だという人がいる

というのが少し理解出来たような気がします。
自分なんかは「特化した結果余剰した人間の中で得意分野産業に就ける力のある人間がどれだけいるのかなぁ」と考えてしまうので。
インドはITの分野だけで見れば確かに優秀な人材が沢山いますがそれ以上の「そうなれない人間」を沢山抱えていますし。路上とかに。
英語さえ出来れば単純作業系でアウトソーシングされた仕事に就けるかもしれず、人間の数が多いインドはそれだけで他国にとって脅威なのかもですが。
でも日本の得意分野ってなんですかね、、、海外にアウトソーシングしたアニメ製作の仕事が戻ってきたりするんですかね?

>たつやさん
>まるで既得権益を主張する華族のような
大多数の中間層を低所得層へ圧縮して「ワーキングプア以上、じゃりんこチエ未満」な世帯を大量増産するよというのに諸手をあげて賛成するのは政治家と金持ちだけなんじゃなかろうかと思うのですがね。
それとも「国を栄えさせるために君たち貧乏になりなさい」というのに「それはいかがなものか」と主張することすら駄目ですか?

>生活コストは賃金が下がれば必ず下がりますよ。
に関しては「ワーキングプアにはならない程度まで生活コストが下がる」事を保障するものではないですよね?
それとは別に今後は凡人には餓死一歩手間程度の最低限の報酬しか与えない「生かさず殺さず奴隷方式」という企業だらけになるのではという危惧というか、経営者という人種への不信があるので、常に「お前ら何をどうしたって奴隷働きさせる気だろう?」という眼鏡がかかってしまうわけですが(汗

投稿: 偏頭痛持ち技術者 | 2007.09.05 22:20

ああ、でも結局はこう言うことになるんだから、大げさに煽るこたあないんじゃないのかなあ。
"If you achieve western productivity, you will get western wages."

投稿: y-mat | 2007.09.05 23:23

>金さえ出せば何でも売る中国人に任せて、会社の命取りにならんといいとは思うが……

ニッセンって通信販売でしょ?
下手すれば顧客の住所から家族構成から
カードの番号まで筒抜けなんだからそのうち
重大な不祥事が起きそうで怖いような。

投稿: 123 | 2007.09.05 23:43


大石先生
>コメント欄で誰かが比較優位の話を持ち出したら、まだそんなもん信じてんのか、みたいなレスがあったように記憶するのですが。

比較優位論では説明できない貿易パターンを
ポール・クルーグマンが、うまく理論化したからです。

おおざっぱに言えば、比較優位があるから貿易をするのではなく、貿易をした結果の偶然が比較優位のようなものを形づくると。

一度確立した比較優位はいつまで続くか分かりませんし、何が比較優位になるのかも分かりません。
だから、多様なビジネスを立ち上げることができない地域は先細って行くことになります。

投稿: ほるほる | 2007.09.05 23:55

「比較優位論では説明できない貿易パターンを
ポール・クルーグマンが、うまく理論化したからです。」

収穫逓増って概念のことですね。
http://cruel.org/econthought/profiles/krugman.html
「 クルーグマンの経済学における第一の功績は、貿易理論の刷新だった。1960 年代までの貿易理論は、デヴィッド・リカード の比較優位論におおむね基づいていた。なぜ貿易が起こるのか? それは各国には地理や資源面で差があるからだ。ある国はリンゴをつくるのに適してる。ある国は石油がとれ、ある国は飛行機づくりが得意。いちばん得意なものに特化してそれを交換するのが貿易だ、というわけだ。しかしながら実際の貿易は、先進工業国同士が自国でも生産するものを交易していたりするものが多い。たとえば日本とアメリカは、どっちも車を作り、どっちもコンピュータを作り、それを輸出入しあっている。また多くの産業製品は、歴史的に見ても別にその土地に生産に有利な地理条件があったわけではない。

 従来の理論ではこれをきちんと説明できなかった。クルーグマンの功績は、収穫逓増を貿易の発生条件の一つとしてうまくモデル化したことだ。地理条件や資源は同じでも、ちょっとした偶然による差が収穫逓増によりだんだん拡大して、その差が大きな貿易につながる場合もある。可能性自体は以前から指摘されていたものの、クルーグマン (1979, 1980) はそれを表現する単純なモデルを構築し、この概念を主流経済学がとりあげる突破口を切り拓いた (1985, 1989, 1999)。同時に、それを地理的な分布にプロットすることで、これまで比較的停滞していた経済地理の分野にも新しいモデルを提供し、経済地理学にも収穫逓増モデルによる新しい潮流を引きおこしつつある (1991, 1999)」

>だから、多様なビジネスを立ち上げることができない地域は先細って行くことになります。

この理解はちょっと疑問。先細ってきた地域では、多様なビジネスが立ち上がりにくいって言うのは真なのかも知れないんですけどぉ。

投稿: y-mat | 2007.09.06 00:17

あれ あがってない(汗

偏頭痛持ち技術者さま

世の中には悪いことをして儲けている人が大勢いて、私もやっかみや義憤を感じるところです。
しかし他方農家の方八百屋や魚屋の方が、本来あるべき生産活動や商業活動を通じて真っ当に生活をおくられていることに感動さえ覚えます。
そこから人生の意義や仕事の意味を考えるわけですが。

ご指摘の点については全てが間違いだとは思っておりません。事実酷い経営者も居ますし、私がその不信や危惧を払拭できるとも思えませんが、怖れるべきは視野狭窄と思い発言をしています。

変なたとえですが、ニッセンが中国でやってるのは布教活動ですよ。
どうせ投資したところでリターンしない。よい仕事のやり方を教えてさっさとそっちの仕事の質を上げて賃金上げて生活レベル上げて。日本に来て悪いことしないでくださいねと。ご指摘の通り富の偏在はいろいろ問題を生じる。

投稿: たつや | 2007.09.06 09:51

すごく浦島レスになりますが…

クルーグマン老師のミクロの教科書を立ち読み(数千円は高いので)して、「比較優位」の項目があるかどうか調べてみたところ、当然のごとく、トム・ハンクスの映画をネタにして、ちゃんと載っていました。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313834/
「クルーグマンミクロ経済学」

>コメント欄で誰かが比較優位の話を持ち出したら、まだそんなもん信じてんのか、みたいなレスがあったように記憶するのですが。

クルーグマンだけでなく、スティグリッツとかマンキューとかの最近の教科書を見た限りでは、「比較優位」と言う考え方は、まだまだ、経済学の基礎概念の一つとして残ってるみたいです。

投稿: y-mat | 2007.10.06 22:22

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