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2007.12.28

今年の海外ドラマを振り返る

 年末恒例、今年の海外ドラマを振り返る、です。

※ ドクター・フー
http://www3.nhk.or.jp/kaigai/doctorwho/

 火曜日NHK教育夜7時。この秀逸なSFドラマが、ヲタの間で「レッド・ドワーフ号」(~_~;)扱いされているのは、激しい誤りだと思う。
 確かに低予算番組ですから、仕掛けはチープです。レッドドワーフよりは金掛かっているけれど。そこがちょっとハリウッドの最新技術を駆使したものでないともう身体が受け付けない、という人々には受けないかもしれないけれど。
 まず脚本が良い。タイムマシーンで未来に飛ぶ話は、正直ありがちな展開ですが、過去に戻って歴史上の偉人や事件を扱う時の脚本は、さすがシェークスピアを生み出した国のドラマだな、と唸らせるものがある。イギリスドラマの良さを知っている人々にもお勧めできるドラマです。

※ バトルスター・ギャラクティカ
http://www.superdramatv.com/line/galactica/

 もう語るまい! ヲタならただ黙って見ろ、としか言えない。とにかく、われわれの世代の記憶にある「宇宙空母ギャラクティカ」とは全くの別物ですから。
 仇役のサイロン帝国の描き方が興味深くて、今度は仲間の中に潜んでいる人型ロボットも出てくるわけです。リメイク版で描かれる、人類の科学が自ら生み出したサイロンは、アルカイダのメタファーなんですよね。われわれ現代文明が生み出したモンスター。そして、われわれの隣りに良き隣人を装い潜むテロリスト、としての象徴が完全人型サイロン。

※ コールド・ケース
http://www.axn.co.jp/coldcase/index.html

 今週の土曜日からいよいよ集中放映が始まります。未見なので評価は全く出来ないのですが、全米では未だに視聴率ベスト20に入っていますね。

※ ドクター・ハウス
http://www.foxjapan.com/tv/bangumi/house/

 今年、国産を含めて、スカパーで最も視聴率が良かったドラマが、これです。やっぱスカパーの視聴者で、通揃いで何が良いかを解っているんですよね。大変嬉しいです。日本ではセカンドシーズンがクリフハンガーで終わった所ですが、早く次を見たいし、一日も早く吹き替えで初めて欲しいです。

※ ヒーローズ
http://www.heroes-tv.jp/

 どうしても、第2シーズンに関して語らざるを得ないんだけど、不評です。絶不評です。何しろ番組プロデューサーが「つまらなくて御免ね」という前代未聞な声明を出したほどですから。去年、最も期待されるドラマのベスト2位だったのに、今年は30位代に甘んじてしまった。
 ただ、第1シーズンのクオリティの高さを考えると、そりゃどんな天才がいても、第1シーズンのクオリティで、その次を書けなんてのは無茶だと思う。ちなみに年明け最初のエピソードは、ジョージ・タケイが、マシ・オカの父親役で出演します。
 話はね、南総里見八犬伝(~_~;)。いろんな超能力を持っている人々が三々五々集まって来て、世界を救うと。

※ 「キッドナップ」
http://www.axn.co.jp/kidnapped/index.html

 つい今週からDVDレンタルも始まりました。硬派のサスペンス・ドラマなのですが、とにかく無精髭を生やしたハードボイルドな主役が格好良い。脇役も良いし。子供が誘拐されてから解決するまでを、10数話で描いている。ハードなサスペンスを楽しみたい人にお勧めです。

※ ミディアム
http://www.paramount.jp/medium/

 このドラマの評価は難しい。透視能力を持つ家庭の主婦が事件を解決していくというお話しで、ただ全然重くないんですよ。わりと軽いテンポで話が展開する。ながら見するには格好のサスペンス・ドラマだと思います。吹き替えもあってお手軽に付き合える。

※ スーパー・ナチュラル
http://www.superdramatv.com/line/natural/index.html

 心霊探偵ものですね。第1シーズンは面白かったですよ。このドラマの唯一のウイークポイントは、次長課長の最低最悪な吹き替え。何を企んだのか知らないけれど、ドラマに対する冒涜としか思えない。吹き替えにはもの凄くコストが掛かるのに、他の声優の仕事をチャラにするような真似は二度と止めて欲しい。

※ リ・ジェネシス
http://www.regenesis.tv/

 12chで金曜早朝2話ずつ、現在放映中です。私は同系統の「M.I.緊急医療捜査班」に付き合った人間なので、脚本の良さに満足しています。
http://foxcrime.jp/bangumi/mi/index.shtml (「M.I.緊急医療捜査班」)

 第2シーズンは更に面白いらしいんだけど、基本的に一話完結ではないんですよ。話が3話くらいに渡って続く。その辺りが、腰を入れて観られない人には辛いかも知れない。ただ主人公のキャラクター設定が良いし、吹き替えも良いです。バイオものが好きな人にはお勧め出来ます。

※ グレイズアナトミー
http://www.wowow.co.jp/drama/grey/

 これも今あちらで視聴率が良いですね。最近の洋画のレンタルディスクのおまけとして、一話入っていたので見てみましたが、ERの初期の頃を彷彿とさせるドラマですね。向こうではスピンオフ・ドラマもベスト10をキープしています。

※ 以上、一応なるべく新番組ということでピックアップしました。この他にも、何処から見ても楽しめる「CSI科学捜査班」各シリーズは、北米では相変わらず視聴率を独占しています。何が面白いのかさっぱり解らない「Law & Order 」も高視聴率をマークしていますね。スカパーでは、いよいよ年明けから第2シーズン放映開始です。またあの字幕に付き合わなければならないのかと思うと憂鬱ですが、なぜ見続けるのかって? このドラマがなぜアメリカで高視聴率をマークしているのか理解したいから(~_~;)。

 アメリカドラマの最新の傾向としては、相変わらず「スーパー・ナチュラル」ものの流行が続いているということです。視聴率のベスト20とか見ると、上位に来ているのは、医療ドラマのグレイズ・アナトミーであったり、CSIであったり、更に現実性に拘ったLaw & Orderであったりするわけです。そういう部分では、本来の意味でのリアリティ・ドラマが高視聴率を稼いでいるけれど、二番手には、超自然現象ドラマがずっと良い位置をキープしているんですよ。ここが日本と決定的な違い。
 日本の場合は、30歳代以降の主婦やOLしかテレビを見ないから、相変わらずトレンディ・ドラマが幅を利かせているわけですが、向こうでは、まだまだ野郎も若者もドラマを見ている。そこにマーケットがあるから、そういう、日本では考えられないようなドラマがヒットする素地を持っている。羨ましい限りです。

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コメント

ギャラクティカはパイロット版のDVDを購入して視聴して気に入ってからアマゾンで米版DVDを購入したり色んな手段で見ていたので今回の日本での放送は大歓迎です。
ドクターフーはセンセイの気に入らない未来の話のほとんどは過去の1~9代目までのドクターの歴史を知らないとほとんど面白みも感じられないかもしれませんね。例えるならダーレクはウルトラマンでいうところのバルタン星人ですし、サイバーマンはヤプールってところですか。
しかし先生はスターゲイト系は無視なんでしょうか?また、24やらプリズンブレイクも無視なんですね。

投稿: | 2007.12.28 21:42

 今年はヒーローズで決まりかと思ってましが、押し迫ったところで物凄いダークホースが出てきましたね。
>バトルスター・ギャラクティカ
 これに関しては文句は無いでしょう。これ程の出来とは思ってませんでした。
 パイロット版で燃え尽きないことを祈るだけですよ。

>ヒーローズ
 ギャラクティカの前では色褪せちゃいました。かなり面白いんですけどねぇ……

>リ・ジェネシス
 コレ、かなり風変わりですね。にしても、何であんな時間に流すんだか。TX


>Law & Order
 私しゃ、『ホミサイド』とのクロスオーバーの回を見るために見ています。

 一年通して省みるに、米国製ドラマだけではなく、『チャンネルNECO』でやっている中国武侠ドラマにもはまった一年でした。面白いですよ、武侠ドラマ。
 
 海外ドラマといえば、正月早々superdrama TVで『プリズナー№6』の一挙放映がありますね。

投稿: 名無し二等空士 | 2007.12.29 01:35

こちらの米が寂しいようですので~(+_+)

》 コールド・ケース
WOWOWで見ていたのですが、第一シーズンは間違いなく良かったです。
第二シーズン以降は回によってはかなり失速したものが混ざりますがorz

》 ミディアム
これをサスペンスと捉えるか、変な能力を持った嫁さん中心のホームドラマと捉えるかによって、いろんな見方ができそうですね。
ワタシは後者寄りなんですが、「向こうは両親が裸でベッドに入っている状態(事後、早朝)で子供を寝室に入れるのか?」と見ていて驚いたことがありました。

投稿: 酢昆布 | 2007.12.29 19:07

>ギャラクティカ

 昔から疑問なんだが、アメちゃんは日本語で言う艦種「空母」の意味で、「バトルキャリア」(旧作)なり「バトルスター」を使っているんだろうか?ヤマトだって「戦艦」のくせに艦載機ぎょうさん載せているし、マクロスもしかり(あれは要塞だが)。
 谷甲州が言っていたが、宇宙艦にとっての搭載機は、空母にとっての航空機ではなく、水上艦にとっての艦載艇。となると、やはり宇宙では「空母」は相応しくない。せいぜい「宇宙母艦」がいいとこ。やはり新作の邦題は、「宇宙母艦ギャラクティカ」だべさ。で、伝説の地への脱出となると、やはり新旧共通して話のモデルは旧約聖書なんだろうな。

 関係ないが、『ミッドナイトイーグル』のロケ地に行って来た。

投稿: 土門見人 | 2007.12.29 19:57

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