今日はもう絶望的にニュースが無い一日ですね。
というわけで、先日の移民問題の続きをやりましょう。今日は、前回頂いた多くのコメントから取り上げます。
>> 1.少子化社会でも経済が回せる。
現に欧州の先進国は回ってるじゃないですか。欧州のどこに1億2千万がいないとやっていけない国があるのですか <
これはですね、たとえば「老人は死ぬんです」というコメントもありましたが、二重の意味合い、状況が違うわけですね。
一つには、老人は増え続けるのに今あるパイを縮小して生産人口を減らすことと、今すでに日本と人口差がある国を比較するのは無意味です。
年々パイが縮小する中で商売した経験が無いと、この辺りの切迫感はなかなか解らないものですけれどね。日本経済をこの10年蝕んできたのはこれなんですね。海の向こうにパイを広げられる企業はなんとかなったけど、ドメスティックな企業は、不毛なシェア争いで体力を使い果たした。出版業界はその典型です。
それに老人問題。何度も書きますが、「老人は死なない」んです。生産人口世代の人生の1/3からひょっとしたら1/2が、この世代への金銭的、あるいは直接のケアで明け暮れる。とんでもない負債を背負って経済と社会を回さなければならない。
>旧ユーゴの各国ではありますが
ユーゴと日本は違いますから。名無しさんは、そういう比較不能な状況を持ち出さないこと。
>日本の労働生産性は先進国でもそれほど高くないのだし
この問題は、農業を含めて、なぜ日本のそれはそんなに高くないのか? あるいは本当に今以上上げる必要があるのか? を議論する必要があると思う。
>移民肯定の人は、移民をロボットか奴隷だと思ってませんか?
これはあるでしょう。政策による移民なんてのは、大なり小なり人身売買に近いものでしょう。だからそれを現代、いかに人権に合致させて、お互いwinwinの関係でいきましょうか? という所で知恵が必要になってくるわけです。
>老人は、介護されるのを我慢して、子孫に広々とした国を残すべきでは?
少なくとも老人が一票持って、マスゴミが彼らの権利拡大を無制限に支援する間は、彼らが我慢する、という状況はちょっと望めないですよね。
>マイナス成長への対応は、不労所得を増やせばすむことです。つまり、金融や投資に金を注ぎ込む。労働者を輸入して、その成果を輸出しようなんていう加工貿易は効率が悪すぎてやるだけ無駄です。<
どこの国でもこれが理想ではあれど、なかなか上手く行かないのが現実ですよね。
>それがコメ欄が否定論で埋め尽くされている原因ですよ。これはサマータイム論にも、そっくりそのまま当てはまっている。<
2ちゃんねる時代の最大の弊害ですね。どちらか一方の意見が多勢だと、そのことをもってして誰かの意見が間違っていると断定する。パソ通時代にはあまりこういう人はいなかったのですけれどね。
>老人が増えるというのはいずれ時が解決します<
だから時は解決しないんですよ。今日60歳で定年を迎えた人間は90歳まで生きる。今日二十歳で就職した人間が、その世代を40年間ずっと面倒を見るということです。そしてその死なない老人は毎年大量生産され、逆に彼らの面倒を見る世代の生産力は減り続ける。
>先生に伺いたい。問題は限界集落をどう回避するかということのようですが、移民を受け入れたら、それが解決するんですか?-中略-移民だって、もっと実入りのいい仕事があればそっちに移っちゃいますよ。<
これはある。現実問題として議論して行く過程で、非常に大きなジレンマになるでしょう。
>『移民開国』より先にまず『難民開国』をすべきだと思います
これは仰るとおり。スウェーデン辺りが、そういう人々を自国の労働力としてどうビルトインしているのかぜひ知りたいですね。難民にすら門戸を閉ざして来た国が、突然移民はウエルカムですと言っても、世界は真に受けないでしょう。
これも現実問題として、ビルマ人を大量に受け入れて、最低限の教育を施して「どうですか? 日本の暮らし慣れましたか? そろそろお仕事とかどうでしょう。夕張という素敵な所がありまして。いえ、ちょっと冬は寒いかも知れませんが、雪とか見たこと無いでしょう。素敵ですよぅ」とか言ったら詐欺ですよね。
>ここ10数年で、少子化社会でも経済成長が無くても経済が回ることは立証されていると思います。私のような35歳以下の日本人は、少子化社会と低成長とマイナス成長の日本経済しか知りません。<
これは前段部分で業種毎に意見が分かれる所で、「経済が回っている」と実感出来る業種もあれば、出来ない業種もあれば職種もある。たとえば、出版業界で言えば、出版社は、店頭に陳列しきれない大量の商品を生産することで、ひとまず売掛金を回収して、会社を回すことには成功して来たんです。それがこの20年の実態です。でもライターはそれは出来ないわけですよ。手は一つしかないんだから。どんどん割りを食って来た。
中国へ出て行けるという業種は別にしてパイが小さくなることで、もういかんともし難い業種というのは一杯あるんですね。そんなのは潰れてしまえば良い、というのも一つの意見ですが、所が困ったことに、今年それらが潰れたら、来年はもうみんな無事かといえば、決してそんなことはないんですね。来年は来年でまた潰れる業種が出てくる。
そういうマスナスのスパイラスに陥ってしまうと、結局は人口が100人に減るまで、延々とそれを繰り返す羽目になる。
>アメリカの老人福祉はかなり劣悪で、歩けなくなれば地獄が待っているという点があります。歩けるうちは蓄え、ソーシャルセキュリティ、メディケア、老人就労で何とかなりますが<
初めてフロリダのディズニーワールドに行った時に一番びっくりしたことは、お年寄りがキャストとして、あの白い繋ぎを着て元気に働いているんですよ。こんな歳になってまで、外人の相手なんかして仕事しなきゃならないかなぁ……、と最初は思ったけれど、あんなハッピーリタイアメント・パラダイスで、なお働ける環境があるというのは、アメリカ社会にとっては天国のようなものなんですよね。
モスバーガーが最近それでニュースになりましたけれど、もちろん老人をもう一回労働現場、それも接客業的な所に呼び戻す政策は必須でしょう。
>>人口減は経済の縮小をもたらす深刻な事象
これが完璧に間違っているのですが、旧来思考から逃れらない、こうしたどうしようもないアホが、ロクでもない移民論をぶち上げているんですよね。<
さて私は、人口減が経済の縮小をもたらさない、という確固とした論説に接したことは無いのですが。たとえば、日本の人口はマイナスに転じたわけですね。その中でもGDPが、仮に1%でも毎年伸び続けていれば、それは経済が拡大していると言えるのか? 残念ながら、これはまだ始まったばかりなので、結論を出すにはもう10年は待たなければならないでしょう。ただ一つ言えることは、人口が増えていた頃より、経済を成長させることが難しくなったことは否めない、というより、そこはもう明かなわけです。それはもう、過疎に喘ぐ地方経済を見れば一目瞭然なわけですから。公共事業無くして支え切れない。それを含めたとしても、「人口が減り続けている地方でも経済の縮小は無い」、と断言できるのか?
一人辺りのGDPは、今後とも生産性の向上や、外資の注文で上がり続けるでしょう。しばらく、むこう4、5年は、鈍足且つ、この経済状況でもGDPは+を維持できるかも知れない。
ただ私はずっと主張してきたように、「老人は死なないんです。増えることはあっても決して死なない」し、やっとその世代が鬼籍に入ったと思ったら、今度は、無年金のワープア世代を数百万、現役世代が抱え込むことになる。
もちろん、移民を入れるコストを考えたら、女性の労働環境を改善すべきだ。子育て支援をすべきだという筋論はあるわけですね。日本では出産費用すら無料ではない。不妊治療だって無料化すべき。何なら「独身税」を掛けても良い。もちろん、老人医療の自己負担率も徹底して向上させる。
その程度のことすらしようとしない自民党の念頭にある「移民」なるものが、いったい何を意味しているかは推して知るべしです。
経済を活性化、老人医療問題の抜本的な世代間解決、現在ワープア世代を四半世紀後お荷物にしないための労働政策年金政策の改善、生産性の向上etc……。これらによって、実はこの後、半世紀前後、人口減を吸収しつつ、老人問題も解決して十分なGDPの成長を確保できる可能性はある。
ただいかんせん、年寄りは強欲です。特に、今の右肩上がりの経済成長しか知らない年寄りは、本当に強欲です。その強欲さを当たり前に「お年寄りの権利」として煽るメディアがいて、それに乗っかるしかない政治家がいる。
いまの日本人には無理でしょう。そういう改革は。
総じて、このコメント欄で言えることは、老人は増えるだけでまず死なないのだという現実が見えていない。
そして私自身が、限られたパイの中で商売しているわけですが、はたしてそういうパイの増減が自分の稼ぎに影響するような仕事をしている皆さんが果たしてどのくらいいらっしゃるのだろう、と疑問に感じる所です。景気浮揚に関して言えば、今のワーキングプア世代を救うだけでも、実はもの凄い景気浮揚効果が見込めるんですよ。突如として1千万の移民が出現した所か、一千万のマーケットが出現したくらいのインパクトを日本経済にもたらすでしょう。
だって昨日まで、携帯命で、派遣先のアパートを点々とするしか無かった若者が定住し、テレビを買い、休日にはレジャーに出掛けて財産形成へ向けて一歩ずつ踏み出せるんですから。その程度のことすら解らず、契約社員が居なければ中国との競争に負けるとかほざいて自分の会社の利益しか見なかった経団連の罪は万死に値する。
あんたの会社の社食でマグロ一体解体して社員に食わせるために、日本経済全体を人質に取ったわけだぁ。
※ 派遣労働者の待遇改善、マージン公開義務など与党見直し案
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080702-OYT1T00961.htm?from=top
結局、自民党が言い出している移民云々は、本音部分では、派遣に変わる低賃金労働の担い手のことを言っているんですよね。だったら正直に「季節労働者を国外から招こう」で良いじゃないですか。
※ 東証10日連続下落 証券恐慌以来43年ぶり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080703-00000054-san-bus_all
*NY株、急反落=1年11カ月ぶり安値
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080703-00000025-jij-int
*NY原油大幅続伸 時間外で144ドル台に上昇
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080703ATQ2INYPC03072008.html
※ 自民が務台氏擁立/衆院2区
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20080701-OYT8T00737.htm
※ 多用途支援機 首相、空自U4機で北京へ 五輪開会式 効率性前面に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080703-00000070-san-pol
※ 「Web図書館」 自宅で手軽に「閲覧」 複製・印刷は不可能
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080703/sty0807030748001-n1.htm
※ 前日の空虚重量68.0キロ
お昼前、まず霊園コース2時間半。日差しがある中で歩いていると、本当に良い森林浴をしている感じがする。いったい自分は何を吸っているんだろうと思えてくる。
最近気付いたのだが、霊園内にあるあちこちの小さなお社に立ち寄ってはお経を読んで帰る妙齢の女性を発見する。何かの理由があってのことだろうか。それとも単なる流行なのだろうか。
お昼過ぎ、次男が帰宅してからフラッカーズで等々力緑地公園往復。しかし多摩川のサイクリング・ロード沿いを走るロードランナーの装備っていつ見ても凄まじい。ヘルメットからもちろん車体に至るまで。この前はヘルメット装着型のバックミラーを装備しているランナーまでいた。あれはちょっと欲しくなった。
* 所で傍目から見たらこんなハードなトレーニングを私がしていることをして、自分には無理とお嘆きの皆さん。自分なりの運動法を見つければ良いんですよ。
たとえば都会なら、いつもの利用駅を一つずつずらすとか。サラリーマンの場合、どうしても外での食事で必要以上のカロリーを摂取しがちになるので、そこをどう抑えるかで工夫したり。日勤者のエネルギー消費量を考えると、毎日のカロリー摂取量を抑制するだけで、十分なダイエットができると思います。
むしろ難しいのは地方の皆さん。まず電車が無いから車通勤になるでしょう。それを自転車に切り替えられるか、と言えば、道路網が貧弱だから、自転車通勤は命懸けになる。
じゃあ近所の農道を散歩してみようかとなっても、これが農道であるが故に、たまに走ってくる軽トラックはスピードを出しまくって危険この上ない。地方には地方のそういう悩みがありますよね。
*背中の痛み、相変わらず。
※ メルマガ有料版おまけ とんでもないオチ
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