公的部門への期待度
不況をどう捉えるか、という問題は、人それぞれ、企業それぞれあるだろうと思います。先日、「軍事研究」の巻頭コラムで、志方元陸将の文章を読んで、印象深いものがあったんですよ。志方さんの考えによると、アフガンとかテロの問題とか、これは放置してどうなるものではない。立ち向かって解決するしかない。でも、景気には必ず浮き沈みがある。景気循環。下がったものはいつかは戻る。そんなの放っときゃいい。そういう主旨で、なるほどなぁ、と思った。
戦後最長の景気拡大とか、もはやニューエコノミーは景気循環という言葉を死語にした、と言われた頃があった。でも景気はやっぱり浮き沈みするんです。株価も全く同様。沈んだものはいつかは戻ります。これまで3年置きに買い換えていた車をもうちょっと乗るしかない、と思っている人も、景気が戻るという実感があれば、意外に早めに買い換えるかも知れない。設備投資だって、より早く設備投資した企業がシェアを取るとあっては、遅れを取るわけにもいかない。景気の戻りに企業は敏感にならざるを得ない。
日本は前世紀のバブルであんなに痛い眼に遭ったのに、つい昨日不動産市況で起こっていたことは、紛れもなくバブルでした。この不況から脱した後、マイカーを手放したまま、要らないと言えば要らないよな…‥、と呟いている国民は一定数いるでしょうが、それでもいつかは景気は戻るんです。アメリカがパニックに陥るのはある程度解らないでも無いし、外需頼みだったトヨタの慌て様も理解できないではないけれど、それにしても、日本の経済界はパニックに陥りすぎですよ。
麻生さんの昨日の政策会見は良かったと思いますよ。誰かさんに台無しにされましたが(^_^;)。きっともう、あんな立派な図表まで作って受け答えのリハーサルとかしただろうに、たつた一人の目立ちたがり屋に台無しにされた。麻生さんとその周辺は激怒していると思いますね。
だって、あの予算編成の中身をまともに報じたのはNHKだけでしたよ。民放各局、ワタナベワタナベ! の連呼だもん。財政赤字を甘受して予算を組みました、というとてつもなく大事なニュースをあそこまで徹底して黙殺する民放さんの度胸に逆に感心してしまう。マスゴミさんを敵に回すと恐いですね。しかも飯島さんのニュースは何度も差し挟まれるし。
いわゆる非正規雇用に関しては、いま政府が出来うる最大限の措置が盛り込まれたと思います。社会保障予算関係の増額分に関して、多寡の不満はあるでしょうが、補正予算とては十分合格点でしょう。
ただ、国民や経済界へのメッセージがそれで十二分に伝わったかですよね。何しろニュースを持って行かれちゃったから。本当にお気の毒というしか無い。
※ イギリスの公共医療サービス
ロンドン在住の友人が、珍しく帰国するということで、ここ数日メールのやりとりをしていたんですよ。それでついでだからそっちの医療制度は本当はどうなのか教えてくれと返事したのですが、帰国前に片づける仕事が山積みで、それ所ではないみたいで。もし会う暇があったら聞いてみます。
それで、イギリスの医療制度に関してググると、頻繁に「医療へのフリーアクセス権」と「ゲートキーパー」というフレーズが出てきます。イギリスの公共医療にフリーアクセス権はありません。つまり日本みたいに、具合が悪いからと言って、検査設備が整うそこそこの病院に行っても受け付けては貰えません。必ず家庭医の診療を経て、そこからの紹介が無ければならない。たいしたことないから帰れ、と言われれば、帰って堪えるしか無いんですね。
日本人がそれで酷い目に遭った経験談がいくつかネットにありますが、これは当然です。連中にとっては日本人なんて所詮、俺らの上前はねてとっとと財産持って帰国するイエローモンキーですから。まともな扱いを期待するのは無理だと思います。イギリスは何だかんだいっても、階級社会、差別の国ですから。自由が丘辺りで、京都人が番頭を務める一見さんお断りの茶屋にインド人が突然入って来たようなもので、ぶぶ漬けも出ずに水掛けられました、というような話でしょう。
では、イギリスの公共医療制度が機能していない、そんなに酷いか、というと、私はそうは思いません。というのは、日本人とイギリス人。というより、日本人とヨーロッパ人が公共サービスに期待しているレベルが全然違うからです。
鉄道発祥の地のイギリス人は、山の手線のダイヤにクレイジーでミラクルだと驚きます。日本のお役所で、「この問題は何処に行けば良いんでしょう?」と尋ねたら、必ず目的とする役人に会えて、どんなに忙しかろうが話を聞いて貰えるでしょう。でもヨーロッパでは、「そんなの俺知らないよ」という返事が普通にある。日本だったら市長への投書、新聞に載り袋だたきですよ。
フランスでは、飲酒運転の取締が出来ません。なぜなら警官自身が真っ昼間から飲んでいるから。彼らは、公共サービスになんか期待していないんです。その代わり政権をしょっちゅうひっくり返すけれど。フランスは官僚国家ですが、エナルクみたいなエリート社会が、またフランスの官僚制度の全てじゃないんですよね。
しかし、だから彼らは駄目なんだ、というのは間違いです。それは彼らなりの社会合理性があっての公共サービスなんです。だろうと思う。アメリカの医療崩壊の現実だって、当然イギリス人は知っている。きっとアメリカに比べれば、我が国の医療サービスは圧倒的に上手く行っていると思っているはずです。逆に彼らが日本の状況を知ったら、いったいこの恵まれた現状にどうして不満があるんだ? と驚くかも知れない。
NHKがあの番組で、患者にフリーアクセス権が無いことや、ゲートキーパーとしての家庭医の存在に触れなかったのは、明らかに意図的な行為でしょう。あの番組に作為はあったということです。
そしてもう一つ言えるのは、ゲートキーパーやフリーアクセスの問題は、これはこれで、真剣に検討する価値があるということです。国民の意識改革という部分で。
医療改革でたびたび話題になる「鹿屋方式」というのがあります。爺さんが、たまたまその中核医療病院に入院していた頃、真夏の暑い時期に看病で帰省して通っていましたが、丁度鹿屋方式が話題になり始めていた頃のことで、たしかに待合室は、この大病院にしてはと思うほど、人は少なかった記憶があります。
先日の日テレの医療改革レポートで、小児科を巡る鹿屋方式の取材がありました。あれも緩やかなゲートキーパー方式ですよね。大病院に負担を掛けない、町医者がコストを分担するという。これがどれほど画期的なことかと言えば、夜勤が嫌だから開業するのに、その開業医が何の義務もないのに単に使命感から、じゃあ夜の救急医療を皆さんで分担し合いましょうということですから。
実はあそこで取材を受けていた小児科医は、私の同級生でした。医学部に行ったことは知っていたけれど、何しろ私も鹿屋ではよそ者で、東京での同窓会のつながりは強いけれど、田舎でのそれは私の場合ほとんどなくて、むしろ地元組の方が消息を知らなかったりするんですよ。向こうは凡才の私のことなんか覚えていないと思うけれど、地域医療に尽くす姿を非常に誇らしく思います。
ただ以前、ここで書いた記憶がありますが、一時期その鹿屋方式が、その小児科医の負担があまりにきついということで崩壊し掛けているという話を書きました。どこかで会う機会があったら、ぜひその辺りのことをインタビューしたいと思います。
↓その他の話題はメ-ルマガジソにて
※ 元タレントの飯島愛さん、都内マンションで死亡
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081224-00000045-yom-soci
※ 【腐敗水点滴】「入院直後から不審行動」病院、母親をビデオで監視
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081224/crm0812241420015-n1.htm
※ 滝川クリの「モナリザ」ポーズ その角度の「秘密」が明らかに
http://www.j-cast.com/2008/12/24032777.html
※ 前日の空虚重量70.2キロ
6時間置きにちょっとずつ食べて夜が明けて昼になり、また夜が来て仕事は片づかないまま眠りに就くorz。
所で昨日お伝えした農業改革の番組、あれは一ヶ月前の放映だったらしい(^_^;)。番組を見ていて何となく違和感はあったんですけどね。冒頭がリクルートの風景だったりして。普通、経済指標とかで気づくだろう? そこは飛ばして見たので。パソコンのワンセグ放送で画面は小さいし。
※ 有料版おまけ クリスマス終了のお知らせ
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コメント
麻生総理のしゃべり方が気に入らないのでどうにもなりませんね。
あの語尾を全部延ばした言い方はどうにかならないものか。
何であそこで全部語尾を延ばしますかね?
「使ってください~~~」「と思います~~~~う」
はっきりと言い切らないからどうにも胡散臭い。語尾を延ばさないときは「などなど」「とうとう」と語尾を濁すし。
自身が無いのかねえ?それに記者に何度も方針転換か?と質問されても財政再建路線2006年骨太の方針の放棄ではないと最後まで認めなかったし。
あそこで2011年度のプライマリバランスの黒字化の延期を宣言すればまだ民放でもトップニュースになったでしょうよ。
投稿: | 2008.12.25 11:18
>ゲートキーパーやフリーアクセスの問題は、これはこれで、真剣に検討する価値があるということです。国民の意識改革という部分で。
イギリスのNHS制度に於いては、優先的に受診、検査を受けられる、ましてやセカンドオピニオンなんて全額自費負担のクリニックで受けるべき、有料のサービスという事なのでしょう。
日本に於いても、こうした”サービス”は病院のインカムに結び付くというか、むしろ体力を削っている状況を思えば、今行うべきは、医療関係者に声高に要求・糾弾することでは無く、地域で支え、負担を減らす為に、自分たちに何が出来るか?を考えるべきで、それが地域毎の事情に応じて、鹿屋方式であったり、柏原病院方式であったりするのでしょう。
さすがに、医療費総額抑制の為に、NHS制度を導入するとなると、ディストピアな未来像しか思い浮かびませんし(T_T
投稿: yossi | 2008.12.25 12:40
麻生関連:
パネルを使っての説明は世間では常識レベルなんで、頑張ったとはいえ特に評価するほどの事でも無いでしょう。
あと、マスゴミ対策は劇場型が基本でしょう。造反はドラマだけど、予算はドラマにならないですから。2chの関連スレも閑古鳥が鳴いてますし。
真面目に仕事をやっても評価されないという典型例でしょうね。
ところで、物事の捉え方として、衆院解散決議案は野党の結束にひびを入れた上に渡辺氏を孤立させたと見る事も出来ると思うのですが・・・そうでもない?
投稿: 黒煎りゴマ | 2008.12.25 15:56
>必ず家庭医の診療を経て、そこからの紹介が無ければならない。たいしたことないから帰れ、と言われれば、帰って堪えるしか無いんですね。
この日本で風邪様の症状の病気で家庭医(町医者)の誤診があり、その後長い闘病生活を送った自分としては絶対に賛成できません。
(小学生なのに出席日数ギリギリで留年しそうになった。)
セカンドオピニオンは贅沢ですか、そうですか。
先日の細菌性髄膜炎にしても家庭医の予約診療という段階、時間を経ることで死亡、後遺症が残る子供がでるでしょう。
「命」がかかっていることなので、イギリス人は自国民ならどうのこうのということよりもなるべく適切な医療を受けられる機会があることを考えるべきではないですか?
投稿: | 2008.12.25 16:29
>あそこで2011年度のプライマリバランスの黒字化の延期を宣言すればまだ民放でもトップニュースになったでしょうよ。
「無駄遣いを改めることなく安易な財政拡大路線に走った」と非難轟々の「トップニュース」でしょうね。
マスコミに叩きネタを提供するに過ぎません。
白か黒かよくわからんような対応しかできませんよ、このメディアスクラムの状況下では。
投稿: | 2008.12.25 16:48
今回の景気の落ち込みを過去の経験で語るほどおろかなことはありません。
自動車ひとつとっても10月比で11月は生産台数が三分の一に落ち込んでいるのに。
自動車だけでなく建機なども同様。造船なども一部にはキャンセルが出つつあるのが現状なのに。
楽観論を述べるなんて論外。
百年に一度どころか過去に例の無い落ち込みですよ。自動車産業はバブル崩壊後に各社とも正社員の削減に取り込み出血してきました。
その後、安全弁として採用した派遣社員をこの1ヶ月で三分の一まで落ち込み、十二月も回復の兆しも無く、
それが来年も続こうかという現状で内部留保金を吐き出して派遣社員を救えなんてバカも休み休み言ってもらいたい。
派遣社員のことは派遣会社が考えればいいこと。製造業は各社とも来年一年の生き残りだけしか考えられません。
トヨタにしたところで去年の好調期でも年間売り上げはせいぜい25兆円で利益が1兆円しかない世界。
生産台数が半減必至の状態で内部留保金なんかで派遣の面倒まで見れません。せいぜい契約期間内一杯まで伸ばすのが自動車業界に出来る限界。
契約期限がきたらもう道義的な責任も果たしたといえるでしょう。それ以上面倒を見る社会的義務も無い。
投稿: | 2008.12.25 16:55
>せいぜい契約期間内一杯まで伸ばすのが自動車業界に出来る限界。
契約期限がきたらもう道義的な責任も果たしたといえるでしょう。それ以上面倒を見る社会的義務も無い。
仰せのとおりです。いま、マスコミすべてが騒ぎ立てているのは、トヨタ、キャノン、いすずが契約期限前に、一方的に契約解除しているからだと私は理解しています。
これは、罰則規定はないけれど、法律違反ですから。
契約満了後の雇用調整にまで、マスコミが批判・非難し出したら、マスコミ自体の多重層の下請丸投げ・低賃金構造に国民の視線が向けられ始めるでしょうね。
投稿: MI-6 | 2008.12.25 17:34
>※ 【腐敗水点滴】「入院直後から不審行動」病院、母親をビデオで監視
>ミュンヒハウゼン症候群
このケースでは、「代理によるミュウハウゼン症候群」の方が適切なよーな?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E7%90%86%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%83%92%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%BC%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
>セカンドオピニオンは贅沢ですか、そうですか。
truly_false さまや番場蛮 さまが紹介された以下の事例を読むと、英国のNHS制度は「あまねく国民に、平等に均質かつ低レベルの医療を提供する」事を目標にしているような印象を受けます。
http://www.geocities.jp/jgill37jp/index.htm
それが嫌なら各自の負担で好きなクリニックなりを訪れるようにしなさい、という事なのでしょうが、先生の仰る公的部門への期待度だけでなく、”サービス”というものへの意識の違いも有ると思われます。
しばしば日本人は”サービス=無償の奉仕”よって受益者は提供者より上の立場、と考えがちなのに対し、欧米では”サービス=対価に応じる奉仕”よって受益者と提供者は対等、端的に言えば、「心付け」と「チップ」は同じ行為に見えても、送る方受け取る方合せて、双方の意識の違いは厳然として有ると考えられます。
実際、現状の医師不足というより偏在は、リスクを避けてというより、正当な対価を求めてクリニックや自由診療の多い科へ流れているとみれば、納得がいく様な気もします。
>せいぜい契約期間内一杯まで伸ばすのが自動車業界に出来る限界。
>契約期限がきたらもう道義的な責任も果たしたといえるでしょう。それ以上面倒を見る社会的義務も無い。
この方の主張を読むと、夜の女を買って妊娠させた、でも責任は「お楽しみ」の代価に払った分で充分であるという主張にダブって見えるよーな気がしますが、
その一方でこんな話も。
「働かない中高年リッチ解雇せよ 「正社員」保護しすぎ論が台頭」
http://www.j-cast.com/2008/12/20032296.html
実際、現場で組み立て担当は派遣、それを監督するのが主要業務の20~30代の正社員、サラリーが高く、激務に就けられない40~50代の正社員は、その間を縫って部品の配膳、なんて光景を見ると、加齢給いや年齢給の負担が企業に重く圧し掛かっているよーな感じもします
投稿: yossi | 2008.12.25 21:01
>夜の女を買って妊娠させた、でも責任は「お楽しみ」の代価に払った分で充分であるという主張にダブって見えるよーな気がしますが、
申し訳ない。
相手の合意での中田氏の結果であれば、それが「夜の遊びのルール」ですよ。
だから本番系風俗は高コストだし女の子のバンスも厚いのです。
女の子からすれば「ハイリスクハイリターン」と言うわけです。
「だったらバンスの薄い派遣はどうなるんだ!」という意見もあるかもしれませんが・・・・・・
でも派遣ってのは好んでなった方達ばかりじゃないにせよ、「ハイリスクローリターン」ってのは判っていたのではないかと。
投稿: 営業マネージャー(所長) | 2008.12.25 21:35
>雇用対策
現在、政府が取り組んでいる雇用対策は、前代未聞といっていいほどの内容です。でも、何故かTVはまともに報道しません。新聞はきちんと書いていますけど。TVメディアは、麻生政権に対して高評価を与えるのがよほど嫌なのでしょうね。
投稿: ペンチ | 2008.12.25 21:55
>ペンチ様
新聞まともに書いていますかねぇ・・・?
少なくとも民主党の無茶苦茶な内容は完璧に「なかったこと」にしているのはわかりますが。
>黒煎りゴマ様
元から孤立していましたよ。渡辺氏は。
地元には「ようやった」という電話が多数来たそうですけど、そりゃ命綱付けずにバンジージャンプやらかせば拍手喝采は起きるでしょうね。その後がどうなるかは観客にとっては興味の対象外なんですけど、本人がそのことに気付いているのかどうか・・・。
それにしても、今一番頭抱えているのは中川さんじゃないですかねぇ。
これまでのパフォーマンスの遣り過ぎで、各派閥のトップからは村八分状態になるわ、自分についてくるだろうと踏んでいた議員は、蓋を開ければ1/3程度(しかもまだ減少中)
中川さんにしろ、渡辺氏にしろ、加藤や山崎と同じ道を歩んでいるようにしか見えないんですけどねぇ。(かと言って、党を出たとしても、ジリ貧になることは確定ですし)
投稿: | 2008.12.25 22:37
>麻生政権に対して高評価を与えるのがよほど嫌
まともなテレビが何なのか皆目わからないですが、多分権力の監視・横暴抑制ですな。だったら今日本で一番不遜な権力者の、暇なので朝みのあたりを見ている連中をどげんかせんと。
まぁ政策について勉強不足なのは、マスコミの専売特許でもないですし。「政策通」がもてはやされるのは、裏返せば「知っているのは政局だけ」
がいかに多いかと。
橋龍~小渕のときと、小泉時代の財政を比較したらわかりますよ。出す量を減らしても、入る量はうんと減ったら民営化しようが公務員削減しようが全く意味が無い。幾度と法人税が減税されても、ストックオプションに消え、飼い犬になんとかじゃないが、法人税の行政訴訟は増える。これのどこが健全な市場なのか。不経済は必ずしも不健全ではないことが、都合よく忘れられている。
ロンドン地下鉄なんて初乗り700円でしょう。先生の言説ならばそのおかげであそこは座って通勤できるんでしょうが、こちとら生憎アングロサクソンじゃないもんで、価値観を合わせることが難しいですなぁ。
…て、移民話になりそうだから、やめます。
投稿: さいとー | 2008.12.25 22:47
※これ2004年の「教えてgoo!」
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa876700.html
現在年末に首切られて、新たな職も住居もないと困窮を訴える派遣の方々も一つの側面ですし、上記参照のような認識であったのも一つの側面。
下を見ればきりがないとか言われますが、
我らが地方庶民の大半は中小零細企業に勤めております。正社員と言っても今世間を賑わしてる派遣君達と、その身分は何ら変わりません。会社の経営が苦しくなれば解雇です。社保はありますが、会社が次の職場や住居を世話なんぞしません。
まっ、ミクロな話ではありますが。
投稿: nao_c/w | 2008.12.25 23:32
今後も複雑性という概念が役に立つのだろうが、今の一見不可解な現象は最も単純な構造をしているというのが某科学者の考察。
今年はいろんな場面で自然科学の偉大さを実感させられる一年だったのではないか。
投稿: | 2008.12.25 23:43
>営業マネージャー(所長)さま
”労働力の遊女化”というフレーズを某所で見掛けたのですが、言いえて妙なりというか、ただ「夜の遊びのルール」に当たる物が、オトコとオンナの有史以来の長い駆け引きで醸成されてきたのに比べて、まだまだ練れていない感じですよね。
本来なら置屋に当たる派遣会社と、労働分配率の適正化(リスクに応じて「バンスを厚くする」)や次の派遣先探しの交渉、雇用保険の適用などに注力すべきなんでしょうが、現在の法律で頼る術は、派遣先に対して「臨時の労働力ではなく、継続して使用の状態が続き、直接雇用の申し入れ義務が発生する」状況に有る事で地位確認を求めるような方向で無いと、有意義な交渉、拘束力の有る回答を得るのが難しいのだと思われます(相談を受けたユニオン辺りの指導によるものかも知れませんが)。
又、不利は承知の上で、望んでなったのだとしても、専ら派遣だ、偽装請負だの二重派遣だの違法・脱法は薄々感じていても、今働いている所に居られる事を優先して口を噤んでいるか、自分が請負なのか派遣なのか?すら判らないヒトも多いと思われます。
http://nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/topics/20081221/20081221_0001.shtml
勿論、ヒトそれぞれ守るべきものが有り、その優先順位が有る事は承知していますが、来る不況に怯えるのは個人も大企業も同じながら、沈むフネから「ワタシは多くの株主と社員、協力会社を抱えているので、お先に救命ボートで失礼するよ」(トヨタ)、「今から俺が助かる為に他のヤツを放り出す、浮き輪を用意しとけ!」(日産)と逃げ出す、モラルの崩壊を見逃したままでは、次に社員や協力会社のクビに手が掛かった時に、紳士的な対応は到底期待出来ないでしょう。
所で、B787遅延の影響がこんな所にも?
「人材派遣会社テクノプレーンの“解雇”に抗議行動」
http://www.news.janjan.jp/living/0812/0812190777/1.php
派遣先(元親会社?)デックササキのHPを見ると、
http://ssk-gp.jp/tech/koukuki.html
”航空機では、米ボーイング社(B767、B777、B787)、加ボンバルディア社(CRJ、DASH8、GX)等の構造組立を行っています。”
とあるので、予定遅延で人員が浮いてそうなのは、やはりB787関連ですかねえ?
投稿: yossi | 2008.12.26 00:17
派遣失業者対策もせいぜいセーフハウスくらいまででそれ以上は
何処の政党案だろうが不必要です。
今までの失業者やホームレスをあそこまで突き放していたんだからそれと同程度の処理で十分。
対応?派遣会社が存続する限り派遣会社が対応すべき問題ですよ。
だいたい1年未満の失業でも失業保険の給付するなんて何でそんなバカなことをするのか?
もともと1年での期間区切りは短期で退職と失業給付を繰り返す下種を排除する為だったのに。
投稿: | 2008.12.26 06:57
>いま、マスコミすべてが騒ぎ立てているのは、トヨタ、キャノン、いすずが契約期限前に、一方的に契約解除しているからだと私は理解しています。
>これは、罰則規定はないけれど、法律違反ですから。
景気が悪化したら解除できると言う特約付きの契約を結んでいただけでしょう?
契約の範囲内だと思いますが。法律違反と言っても派遣法で許容されているんですよね?
それが特約事項に決められた範疇の悪化なのか、と言うので争う余地はあるでしょうが、争うのは派遣元と派遣先で派遣社員と派遣先ではない。
まあ実際は「雇い止め」の方が余程影響は大きいんでしょうがね。
投稿: 紅 | 2008.12.26 07:08
>飼い犬になんとかじゃないが、法人税の行政訴訟は増える。
連結納税だの研究開発減税だの移転価格税制だの
新たな制度で運用が良く判らなかったり実務的なやり方が一切不明だったりそもそも課税当局の主観で恣意的に認定されたりする制度が続々と導入されたからですよ。
税務当局に事前にどうやるのか問い合わせても責任ある回答は来ず、税務調査になってから突然7年遡って追徴される(去年までは当の調査でも全く問題にならなかったのに!)と言う、日本の制度の問題です。
特に移転価格税制では、どこも血を吐くような不条理な目に会っている。
まあ「お上の言うことなんだから飼い犬は従え」と言うならばそれはそれで結構でしょう。
ロシア並みの法的インフラしか期待できないならば日本に固執するメリットは無いというだけですから。円高なんだし海外に逃げるだけです。
投稿: 紅 | 2008.12.26 07:21
yossi様
>しばしば日本人は”サービス=無償の奉仕”よって受益者は提供者より上の立場、と考えがちなのに対し、
確かにそういう考え方もあると思います。
が、ガキの頃から体が弱く命を救ってもらった身からすれば、誤診があっても、医療関係者様々、まさに命の恩人。
yossi様にいわれるまでサービス業なんておもってもみませんでした。
多摩地区の杏林大学付属病院は、割り箸事故等も起こしましたが、高度医療機関を標榜していて、初診時、医師による紹介状がない場合、利用料だったか+1000円程度を徴収しています。
行き過ぎたイギリス型よりも抑止になっているしこの程度でよいのではないかと思います。
投稿: | 2008.12.26 08:59
>マスコミに叩きネタを提供するに過ぎません。
どっちにしろ叩かれるんなら市場に明確なシグナルを送るべき。
それをしなかったんだから、所詮は麻生も民主党と似たようなもの。
政策よりも政局派に過ぎない。
それに比べてどんなに批判されようが平然と行動した小渕は立派なもんだ。
結果はあの低支持率からひたすら支持率上昇していった。
投稿: | 2008.12.26 09:33
>契約期限前に、一方的に契約解除している
とある自動車メーカーの労組の方のお話だと概ね契約「更改」されないだけで円満な契約満了の形はとってますよ。いくら関係のない労働者とはいえ同じ経営者が違法行為を堂々とやってるのは見過ごせませんし、いつ我が身に降りかかるかと戦々恐々とされてますからね。
ただ、いすずは契約途中の解約を撤回したという報道してました。
また経団連も内定取り消しや派遣契約の中途解約を行うべきでないと一応言ってる。
投稿: たつや | 2008.12.26 09:36
>2008.12.26 08:59 さま
>行き過ぎたイギリス型よりも抑止になっているしこの程度でよいのかと思います。
ワタシもなるべく現在のシステムの美点を活かした形での存続を望むので、杏林大学の様なやり方もアリだと思います。
ただ、現在の保健医療を支えている関係者の熱意や努力というリソースも、無限では無いでしょうが、それに報いる対価は色々な形が有ると思うんですよね。
先の鹿屋方式のレポートでは、医療センターのドクターが、先生の同級生の方のような開業医が、軽度の救急患者を受け入れてくれる事で出来る精神的余裕が大きな支えになっていると、語っておられたのが、印象的でした。
投稿: | 2008.12.26 12:28
済みません、上のコメントはワタシです(^^;
投稿: yossi | 2008.12.26 12:33
>志方さんの考えによると、アフガンとかテロの問題とか、これは放置してどうなるものではない。立ち向かって解決するしかない。でも、景気には必ず浮き沈みがある。景気循環。下がったものはいつかは戻る。そんなの放っときゃいい。そういう主旨で、なるほどなぁ、と思った。
その「いつか」が3年先か10年先かが分からないのが問題です。
ケインズが「長期的には我々は死んでいる」と言ったのがそう。
1930年代の世界恐慌はまさに、フーバー大統領が「ほっときゃいいや」と放っておいたから、景気後退から大恐慌へ悪化していったのです。
同じ間違いを繰り返さないように、今回はFRBとアメリカ財務省が素早く動きました。
自衛隊の中では経済学を教えていないのかなあ。
投稿: | 2008.12.27 08:16