さ、今日は月代わりの週末ですから、有料版に乗り換えましょう(^_^)/
※ 新刊に関するお詫び
大変申し訳ありませんが、遅れに遅れて、それでも週明けに出る予定だった「半島有事2」ですが、諸般の事情により、今月末の刊行予定となりました。各方面にご迷惑をおかけしたことをここに謹んでお詫び申し上げます<m(__)m>。
何があったのか? 有料版メルマガをご購読の皆様には、すでに度々ご報告済みなのですが、ここに改めてご報告します。
それはA long long time ago…、ではなくて、つい昨日のまだ猛暑の盛りのことでした。朝の10時過ぎ、私がたぶん日記をアップし終えて、倒れるように寝込んだ直後のことでした。12時を回った頃、私は担当編集からの電話で起こされました。「今夜からホテルに籠もって頂けませんか?」と仰る。いわゆる缶詰という奴です。前々から、缶詰というニュアンスではなく、何処かホテルに籠もって気分転換でもしましょうか。なお話はありました。
私は電話口で話しながら、この状況下で何を仰っているんだろう、この人たちは……、と思っていました。ホテルに行くにも準備が必要で、そのために今日は半日潰れることになるんだけど、それは良いんだろうか? とも思った。しかし状況が極めてクリティカルなことには変わりなくorz、かといって、マックにパソコン抱えて出かけるのとは訳が違うので、どうにかその場は取り繕い、「明日からということにしましょう。どこか近隣で探して下さい」という形で、電話を切りました。
しかし結局そのまま起きてしまい、今夜から行くしか無いな、と決意して、近隣のホテルを探し始めたんです。睡眠不足なせいで、全く判断力が低下していました。後になって思い返せば、二重三重の判断ミスが事態を悪化させて行った。
これは大変なことになったぞ……、という思いが8割ほどでした。
ネットで探し当てたのが、武蔵小杉に新しく出来たビジネスホテルでした。何しろ、急なことで、必要な荷物や資料を完璧に用意できるわけでもない。挙げ句に生活リズムはぐちゃぐちゃなので、電車が動いていない時間帯にも、家との間を往復できる距離が良いと思った。
それから午後一杯を費やして、準備したわけです。着替えや一週間分の薬を纏めたり。頭の中で、あらん限りのアラームが鳴っていました。この状況下で、旅行の準備なんかしている場合じゃないだろうと。パソコンだって、旅行用の環境整備が必要になる。昔みたいに原稿用紙と万年筆が一本あれば済むわけじゃない。ただそれでも、その時は、ホテルを取ってまで仕事させよう、という編集部の熱意に答えなければならないという焦りと意欲の方が上回っていた。
もちろんこの缶詰は、私の都合は一切お構いなしでした。一応私は所帯持ちとして家族の予定も抱えているわけですが、尋ねられもしなかったような(^_^;)。とはいえ別に予定を抱えているわけでもない私が、たまたまその日の夜、子ども達との花火を約束していたものですから、それが終わってからという形で編集者と連絡を取り合い、ここのホテルでどうだろうか? ということで、じゃあ夜にフロントでということになったんです。
20時半頃、ザックを背負い、両手に荷物を抱えて家を出て電車に乗りました。普通なら、荷物もあるだろうからお迎えに上がります、タクシーでご一緒しましょうな話になるでしょう? そういう話も一切無し。私は私で電車族だし、運動が必要だから、別にそれが必要だと思わなかったけれど、いずれせよ、手で持てる荷物など知れているから当然資料の類は持ち出せない。
ちなみにその計画が別な予定で粛々と進んでいた時には、私は、必要なものは宅配で送ればいいやと思っていたんです。
小杉駅で降りたら、延々真っ暗闇な場所を汗だくで走り回る羽目になってやっとホテルに辿り付いたのですが、そこが陸の孤島だと気付くのはずっと後のことだった。
私がロビーに現れたら、編集者は荷物の量に驚いていたんだけど、この人たちはまじで私がパソコン一つで現れると思っていたらしいorz。そういう意識のずれが、作戦としてうまく噛み合わなかったことの原因のひとつだったことは明らかでした。
ホテルは、真新しくて良い部屋でした。有線LANがちょっと大変だったけれど。ただ後になって思うと、部屋のエアコンの調節機能が、一度単位で設定できることになっていたとはいえ、実際には、ぴたりな所でなかなか止められなかったりして、だいたい寒いんです。高層ホテルなのにエレベータの数が少なくて、外出するのも段々おっくうになって行きましたが。
明らかに寝不足だったので、入ってすぐは仕事にならないわけですね。後で追い上げればいいや、とその時点では思っていた。一方、やっぱりキーボードとかしっくり来ないので、その翌日の夜、晩飯を食べに帰宅した時、結局東プレのキーボードも持参することになった。
睡眠リズムが崩壊している上に、寒くて熟睡できない。何か一日中気圧が低い飛行機の中にいるような感じでした。終日頭がぼんやりしている。
三日目辺りから、本来ならホテルライフにも慣れ、エンジンが掛からなきゃならないんだけど、逆に、これは拙いぞ……、と思うようになった。朝飯(その時点での生活リズムでは晩飯)を食べに朝7時前に降りていったら、テーブルが一杯なんですよ。前日、掃除をキャンセルしたので、それも入れなきゃ拙いな、と思って、部屋を綺麗にして、暑い中を歩いてマックまで避難する。それで3時間4時間潰れるんです。
朝飯を食べて部屋に引き上げると、昼前には掃除して貰わなきゃならないから、部屋を片付けなきゃとそわそわし始める。仕事なんか手に付かないですよ。日記を書いているんだけど、それでもいつもの環境じゃないから全くスピードが出ない。結局、マックに行って、続きを書いて引き上げてまたパソコンをセットアップしてアップロードする。挙げ句にもう眠い時間帯になる。
時間を取って仕事に集中できない。毎日がその繰り返しでした。
三日目が終わる頃には、これはとんでもないことになった! という自覚がありました。晩飯を食おうと、レストランに向かったら、「今夜は貸し切りです」な貼り紙があったりして、ホテルの中ですら飯は食えない。ルームサービスがレストランに連動しているのか、それも取れない。ビジネスホテルというのは、そういうものだろうとは思うけれど。
それまで近隣での食事はずっと吉野屋とかでチープに済ませていたんですが、四日目にはすでにキャッシュも切れて、挙げ句に朝飯は、朝一の6時半に入らないと行列する羽目になるしで、しかも週末はレストランは閉まったりしてて、とうとう、おやつ代わりに持って来て、そのまま持って帰るつもりだったカップヌードルや、一週間前買った子ども達が食べ残したパンを食べる羽目になった。
本来なら、三日目辺りにこれは駄目だと解った時点で、ホテルを出るべきだったんだけど、たまたま週末に掛かったせいで、身動きが取れなくなった。週末に、こういう状況なのでどうしようか? なんて編集者を煩わせたくないですから。
当初の予定では、月曜日にそこをチェックアウトして、また別のホテルを探しましょうな話になっていたのですが、当然それはキャンセル。私は古いパンを食べたせいで当たって酷い水下痢。朝飯なんか要らないから、さっさと帰宅して状況を立て直したかったけれど、何しろチェックアウトするのは会社だから、編集者が来るまで待つしかない。部屋を片付けながら、「とんでもないことになった(>_<)」とそればかりでした。とんでもないことになったと解っているのに、ここから脱出できない。
編集者が現れてチェックアウトして、当然その五日間の間に増えた荷物をザックと両手に抱えて、また私は電車に乗って帰ったわけです。チェックイン日の準備も含めると、6日間が無駄になりました。全く仕事にならなかった。日記を書いただけ。
いろいろ小さな障害が重層的に関与して状況を悪化させました。まず、生活リズムがぐちゃぐちゃな時に無理に起きて出かける羽目になったし、ホテルで飯食えるだろうと思っていたら、そうは行かなかった。これは自分が決めた計画じゃない、という部分も最初から引っかかっていた。
昔は、ホテルの缶詰と言えば、編集者もつきっきりだったんです。だいたい作家は夜逃げ出して、飲みに行ったりするから。最低でも晩飯には編集者が付き合って原稿を持って帰って監視する。そこに泊まっていた5日間、編集者とやりとりしたのはメールで一回だけでした。会社からは遠いし、私自身がいつ起きているのか解らない状況でホテルに入ったので、そこは致し方無い部分ですが。
※ もう済んだこととはいえ、未だに後悔の念が消えません。むしろ日に日に大きくなる感じで、ぼんやりしていると、いつもそのことを考えているんです。なんでこんなことになったんだろう。なんでこんなことに乗ったんだろうと。後になって、冷静に考えてみれば、上手くいく要素など微塵も無かったのに。
私はそもそも外では仕事しない人間なのですが(マックは基本的に気分転換)、それは、自宅の作業環境を、余所で再現出来ないからです。それを再現するには、せめてNECのパソコンと、東プレと、外付けモニターを持参する必要があるけれど、持ち出せるのは東プレのキーボードまで。それで再現できるシステム環境は、せいぜい6割程度です。パフォーマンスとなるとさらに落ちる。
もう決して新しくは無いけれど、乗り慣れてチューンナップし癖も知っているDDの艦長に、今日からイージス艦を与えるから早速戦場へ行ってくれ、と言っても無理でしょう。
私の中では、当然それが分かっているから、少なくともスピードを出さなければならない局面で缶詰なんて論外だ、という認識がありました。ホテルで云々という話は春先からあったんだけど、私としては、まあ一冊抜けた所で、休暇を兼ねて、みたいに思っていました。まさかこんな状況で、突然そんな話になるなんて夢想だにしなかったわけで、ここは、そういう現場というか当事者の状況というのを前もって明確に意思表示しなかった私のミスです。それを持ちかけられた時に、「何考えてんですか、そんなの駄目ですよ」と断れなかった私の意志の弱さが原因でした。
でも全く駄目だという予感があったかといえば、そうでもない。皆さんもご経験があると思いますが、何かのプロジェクトが煮詰まっている時に、こういうアプローチもあるんじゃないか? と提案を隣りから受ける。冷静になって考えれば、今のやり方を変えて上手く行くはずもない、いやひょっとしたらそれで上手く行くかも知れないけれど、少なくとも納期が迫っているこの時期に方法を変えるにはあまりにリスキーすぎる。
けれど、人間切羽詰まっていたりすると、それで上手くいくかも知れない、という誘惑に駆られてしまうわけですね。これはたぶん駄目だろうという懸念を持ちつつも、「よし、それでやってみましょう!」と笑顔で応じてしまう。
本来、朝飯食べて、(一応夜もレストランは開くけどテンポラリーだしメニューに期待しちゃ駄目よ)寝に帰るだけのビジネスホテルの部屋で、私は毎日、孤軍奮闘でロジスティックスの確保と維持に追われていました。今にして思えば、自分があそこで強いられたのは、仕事ではなく、何の準備も作戦も無く放り込まれた都会のジャングルでの孤立無援なサバイバルでした。
私らが泊まるロンドンやパリのホテルの部屋なんて、そのビジネスホテルより酷いけれど、それでも金を出せばルームサービスは取れるし、もちろんレストランは普通に夜は開いているしバーもあるし、ホテルの中に売店はあるし、ホテルの直ぐ前にドラッグストアがあって、生活に必要なものは全部そこで手に入るし、ファーストフード店も目の前に軒を連ねていて日付が変わるまで開いている。
いざ缶詰という時に、そこに、ホテル内で日常生活を完結するシステムは無く、ロジ支援も得られなくて、途方に暮れたんです。普段自宅にいれば何でも無いことが、もの凄い障害になって足を引っ張るしで。
ここ20年くらいで、最低最悪な経験でした。今でも悪夢のように蘇る。普通に考えれば、上手く行く要素なんて微塵も無かったのに、なんでこんな馬鹿げたことをしでかす羽目になったのか、当分立ち直れそうにないです。
※ 「尖閣」、日本人は怒りを忘れてしまったのか
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100929/246798/
これは私も不思議。日比谷公園辺りで10万人くらいのデモがあっても全然不思議じゃないのに、なぜか世論はネットの中と新橋駅前にしか存在しない。
※ ジョンウン氏、髪型は祖父似 拍手の仕方は父親似
http://www.asahi.com/international/update/0930/TKY201009300524.html
独裁者は何代続いてもただの肥えた豚ですな。
※ 朝日新聞へのリークに関係か 大阪地検「美女検事」怒りのわけ
http://www.j-cast.com/2010/09/30077154.html?p=1
これ発端は、この女性検事が同僚と二人して、相手は副部長だったのかな、直訴したのが検察内部での発端だったんですよね。臭い物に蓋をして挙げ句に二人を左遷したことが検察としては裏目に出たわけです。
※ エクソン、国内GS撤退…営業権を順次売却
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100930-OYT1T01245.htm?from=top
私の散歩コースでも、GSの閉鎖は目にするけれど、新規開店は全く見ないんですよね。そのうち、「GSが近所に無いから」という理由で一気に電気自動車の普及が始まったりして。
※ 「粘菌で鉄道網整備」受賞 イグ・ノーベルで中垣氏ら
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010100101000164.html
おお! 4年連続で面子を保った。
※ 地球に最も似た惑星 生命存在の可能性も 米研究チーム
http://www.asahi.com/science/update/0930/TKY201009300367.html
そのくらいの質量での重力がどのくらいになるのか興味がありますね。
※ 前日の空虚重量70.0キロ
今週初めて4時間を超えて寝る。
※ 有料版おまけ ア○ルトグッズは進化していると言えるのか?
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