« バブルの残滓 | トップページ | 人口オーナス? »

2010.12.27

スカパー今年の海外ドラマ反省会

 さ、今年もとうとうこのシーズンがやって参りました(^_^)/。良いものだけをスカパーから。今年の海外ドラマを振り返るエントリーです。

※ glee/グリー 踊る♪合唱部!?
http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/891

 今年のベストドラマです。お前こんなの見てんのか!?(^_^;)という罵声が飛んできそうですが、実は見てます。ミュージカルの素養とかあんたあんの? いえ全くございません(^_^;)。そらもう田舎もんのオヤヂにミュージカルなんて解るはずがないじゃございませんか。

 最初、パイロット版を見た時に、もう全く馴染めなかったんですよ。正直、ナニコレ? 状態でした。所がFOXで、日に三度も再放映をやっているものだから、ザッピングの度に引っ掛かるんですよ。そうこうしている内にはまってしまいまして。

 とにかく凄いです。落ちこぼれを集めた合唱クラブを舞台にした学園ミュージカルなのですが、本人が歌っているのかプロが声を当てているのか、もう歌って踊って、その上に演技までするんですよ。
 たとえば、マドンナのナンバーが、一時間番組の中に7曲も8曲も出て来て、その全てにオリジナルの振り付けと衣装&舞台が出て来て、しかもそれぞれの曲を繋ぐちゃんとしたストーリーがあるんです。このたった一本を撮るためにいったい何週間費やしてトレーニングしたんだろうという力作ばかりで。オリビア・ニュートンジョンの出演もありました。オールディズをテーマに歌うので、中年以降も十分楽しめます。

 もう破天荒に、人手と金と時間が掛かったドラマで、それを高校生で通りそうな若いアクターたちが演じているわけです。日本でメジャーな役者はそんなに出ていません。プッシング・デイジーで去年助演女優賞を貰ったクリスティン・チェノウェス(ウエストウイングでブレイク)が端役で時々出て来るのと、教師の妻役でボストン・パブリックに出ていたジェサリン・ ギルシグが出ている程度です。

 今週いっぱい、シーズン1の後半をFOXで週三回再放映しています。DVDは、年明け早々7日のリリースです。日本語吹き替え版のキャストがまた豪華絢爛で、FOXの力の入れようが解ります。
 とにかく、他国がどんだけ追い上げようが、アメリカ経済がどれだけ落ちぶれようが、俺たちはどんどん先に行かせて貰うからという、アメリカ・ドラマ界の底力がみなぎる大作です。

※ フリンジ
http://www.fringe-tv.jp/

 今年最大のがっかりドラマでした。エイブラムスの手抜きが酷い。これはDVDリリースの方が早くて、その頃から単なるXファイルのパクリだと言われていましたが、Xファイルのレベルに遠く及ばない。全く見る必要はありません。
 唯一、面白い所は、博士役のキャラクター設定がちょっとコミカルな所でしょうか。ヒーローズが転けた後のスパチャンの目玉作品だったのですが、これも駄目でしたね。最近スパチャンはろくなドラマを買っていない。

※ フラッシュフォワード
http://axn.co.jp/program/flashforward/

 「LOST」の後にABCで鳴り物入りで始まったのに、シーズン1で打ち切りになりました。AXNでは年明けの9日が最終話放映になります。今日27日から初回を含むマラソン放映が始まります。結構良い出来だったと思います。着想も良い。人は自分の未来を垣間見たらどう行動するかをドラマチックに描いている。

 竹内結子は、「君の名は」的な登場をして、運命の男性といろんな形でずっとすれ違いを演じるんですよ。なかなか会えない。いよいよシーズン2でフル出演か!? と思わせた所だったのに残念です。ただそのオリエンタルな美しさは、アメリカの視聴者に焼き付けられたはずなので、彼女が北米を活躍の舞台にするならチャンスがあるでしょう。ぜひ頑張って欲しいです。
 シーズン後半から登場したキャラで、ギャラクティカのバルター博士の中の人が、サバン症候群の男性を、れいによってトリッキーに演じているんですよね。
 ただ、シーズン1の尻切れで終わると解っているドラマを、今から見る価値があるかと言えば、ちと疑問です。打ち切りになったのはつくづく残念。
 駄目な要素は脚本にあって、典型的なのは竹内結子の描き方。フラシュフォワードの夢の中で出会ったアメリカ人男性を捜し歩くんだけど、あと一歩の所で出会えないすれ違いを延々と繰り返す。日本の昼メロならともかく、今のアメリカの視聴者に、あの焦らし方は受け入れられないでしょう。

※ LOST
http://axn.co.jp/program/lost/

 とうとう最終回が終わりました。謎解きは一切無かったと言って良いでしょうが、ラストは上手いこと纏めたと思います。ただこれも、今から追いかけて見る価値があるような作品ではないです。

※ Dr.HOUSE シーズン5
http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1065

 先週、とうとうハウスがカディと寝ちゃった後に、とんでもない展開になってシーズン5が終わりました。紆余曲折はあれど、未だに面白いです。

※ トーチウッド
http://www.superdramatv.com/line/torchwood/index.html

 もう主役の中の人がガチなもんだから、野郎同士での舌の絡み合いがうんざりするほど出て来ます。正直、これを放映するならドクターフーの続きを見せて欲しい。ドラマとしての出来映えは、ちょっと波があります。いかにもシェークスピアの国と唸らせる脚本もあれば、何がしたかったのか解らないような話もあります。

※ レバレッジ ~詐欺師たちの流儀
http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/951

 シーズン2の放映が始まったばかりです。頭を空っぽにして見られる特攻野郎Aチーム、もしくはスパイ大作戦。

※ MI-5 英国機密諜報部 シーズン5
http://tv.foxjapan.com/crime/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1164

 相変わらず面白くて脚本の質も高いんだけど、とにかく配役がバタバタ死ぬんです。太陽に吠えろ形式でバタバタ死んでいく。それが玉に瑕ですね。

※ ザ・ユニット シーズン4
http://tv.foxjapan.com/crime/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1126

 とうとうシーズン4で終わりです。シーズン4で、女隊員が登場したり、家族がスパイの真似事をしたり、大佐殿の不倫がばれたりで、ちょっと脱線気味ですが、まだまだ十分見られます。

※ フラッシュポイント -特殊機動隊SRU-
http://tv.foxjapan.com/crime/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/921

 第1シーズンはどうかと思ったけれど、第2シーズンは良かったですね。ヒューマンで、泣かせる脚本が多かったです。お勧めと言って良いでしょう。

※ ボストン・リーガル シーズン5 【ファイナル・シーズン】
http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1142

 これもファイナル・シーズンです。これでウィリアム・シャトナーの名演技を見られなくなるのかと思うととても残念です。

※ ハーパーズ・アイランド 惨劇の島
http://www.superdramatv.com/line/harpersisland/index.html

 ホラーなんだけど、ちょっとどうかなという感じですね。ただ、主役を含めて、何処かで見たような役者が多くて、しかも彼ら彼女らの今後の成長が楽しみな配役になっています。ちなみに、男の方の主役は、オデッセイ5の息子役の中の人です。

※ 女検察官アナベス・チェイス
http://www.superdramatv.com/line/annabeth/index.html

  ジェリー・ブラッカイマーが製作総指なので、破綻は無いです。警察ものが好きな人は、見て良いでしょう。

※ メンタリスト
http://www.mentalist-tv.jp/

 刑事コロンボを今風にアレンジしたドラマですが、毎回毎回そんな上手い話はないって、という感じの展開ですね。何も考えずに見られる所はお勧めですが。

※ クリミナル・マインド
http://www.superdramatv.com/line/criminalmind/index.html

 WOWOWの方が相当先行しているのですが(あちらはシーズン5)、今年、刑事ドラマとして一番面白かった作品です。CSIに飽きた人にお勧めです。難点は、ちょっと猟奇的な事件が多すぎることでしょうか。

※ NCIS:LA ~極秘潜入捜査班
http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1148

 NCISのスピンオフですが、全然駄目です。主役の二人の男性が、肌の色が違うだけでキャラが被っているし、ヒロインがまだ登場しない。なんでこんな中途半端なドラマなのか理解に苦しむ。

※ ヘイヴン-謎の潜む町-
http://universalchannel.jp/series/haven

 S・キングものです。キングらしさは出ていて、小さな漁村の風景も美しくて良いんだけど、良くも悪しくもキングなんですよね。始まって5分で展開が見えてしまう。

※ シャッタ-ド-多重人格捜査官-
http://universalchannel.jp/series/shattered

 イギリスのドラマだろうと思っていたらカナダなんですよね。主演はカラム・キース・レニー。バトルスターギャラクティカで、ヒト型サイロンを演じた人で、刑事が多重人格に悩みつつも、それを武器に事件を解決して行くという所が斬新です。ただ面白いかどうかは疑問ですが。

※ マーシー・ホスピタル
http://universalchannel.jp/series/mercy

 湾岸から戻ったPTSD気味のナースが主役で、ジェンウェイ艦長の中の人が、ちょっとぶっ飛んだ母親役を演じています。また同僚ナースとして、バフィーの妹役を演じたミシェル・トラクテンバーグが大人になって頑張っています。肩の凝らない病院ドラマですね。

※ THE TUDORS~背徳の王冠~
http://mystery.co.jp/program/tudors/

 うっかりシーズン3を見逃したのですが、年末年始に全シーズンの放映があります。イギリス史が好きな人だけに。

※ ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 完全版
http://mystery.co.jp/program/millennium/

 ベストセラーの完全映像化なのですが、もう身も蓋も無いドラマでして、原作ファンにしか薦められないです。

 番外編。

*ステート・オブ・プレイ~陰謀の構図~
http://mystery.co.jp/program/state_of_play/

 年明けは、これがお勧めですね。BBCだし、ライフ・オン・マーズの主役の人がまた主役を演じるみたいで。

*ビッグバン★セオリー
http://www.superdramatv.com/line/bigbang/

 相変わらず面白いです。もうこの高尚なコメディを見た後では、吉本のチープなお笑い番組なんて絶対見られないですよ。

*スターゲイト・ユニバース
http://stargate.mgm.com/

 スターゲイト・アトランティスが間もなく終わるので、恐らく、来年中に、これが始まるでしょう。スターゲイトを舞台にスタトレ・ヴォイジャーとギャラクティカをやりたかったという暗いドラマですが。
 残念なことに、今アメリカで放映中のまともなSFドラマって、もうこれしか無くなったんですよね。

 来年は、すでにDVDはリリースされていますが、年明け早々21日から「スーパーナチュラル」のシーズン5も始まります。スパチャンでは、スパイ・コメディの「チャック」の第2シーズンも始まりました。私は見るつもりは無いけれど、向こうでは評価が高かった「マッドメン」も始まります。今年は、フラッシュフォワードという大作があったけれど、来年の海外ドラマはあまり期待が持てそうにないですね。不況のせいで、アメリカのドラマ界も元気が無いです。

|

« バブルの残滓 | トップページ | 人口オーナス? »

コメント

クリミナル・マインド

おもしろいですね。最初、俳優たちの顔色があまりにも悪いので、
イギリスドラマか?と勘違いしてしまいました。
(私は、イギリスの俳優はみんな顔色が悪いという偏見を持っています。
すいません)。

スピード感がありながら深く考えさせるシナリオが秀逸です。

投稿: | 2010.12.27 16:38

古い話ですが先生が見る必要なしと言ったサムライガール見ました。ほんとに見る必要なしでした。特に5話があきれ返りました

投稿: ガンマ | 2010.12.27 20:58

う~んギャラクティカ綺麗にまとまったのにエントリー無しですか。
それとスーパドラマTVとかCSばかりじゃなくてもNHK教育とか最近ではカイルXYとか。
そうそうNHK総合でもブライミーバルとか。

投稿: | 2010.12.28 08:55

今年もありがとうございますm(._.)m感謝です。
フリンジは次に見てみようと思っていたので、参考になりました。
個人的にはですが、ザ・プラクティスが今年DVD化されたのがうれしかったです。
まぁ「そんな都合がいい」と苦笑することもありますが、法廷のギリギリした緊張感は良かったです。ボストン・リーガルも終わりですかぁ…う~ん残念。
年末年始は何見ようかな?途中で見る時間が無くなったギャラクティカでも追いかけようかな


投稿: 予防注射の病気に罹ります | 2010.12.28 09:26

>ギャラクティカ

 の放映が終わったのって今年だったけ? なら書いておきましょう。
 基本、ここで扱っているのはスカパーのドラマです。
 プライミーバルはここでも何度か取り上げたし、「カイルXY」は論評するに値しない! なんでNHKがあんな退屈なドラマを放映するのか理解に苦しむ。

 ギャラクティカは、中だるみはあるけれど、追いかけてでも見る価値があるでしょう。ザ・プラクティスは、ぜひあの面子でもう一度創って欲しいですよね。アラン・ショア抜きが良い。
 クリミナル・マインドはやっぱりネットが創っているだけに脚本のレベルが高いですよね。最近流行のCSIみたいに科学ではなく人間力で事件を解決していく所も良い。

投稿: 大石 | 2010.12.28 11:18

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: スカパー今年の海外ドラマ反省会:

« バブルの残滓 | トップページ | 人口オーナス? »