危機的な外食産業
※ 半島有事4。すでに入手報告がありますので、都心の書店では、今夕は入手可だと思います。輸送状況の問題があるので、関西圏は、運が良ければ金曜夕方から土曜日辺り、全国的には週明けということになろうかと思います。
※ 当座の資金を算出する
日本人て、基礎学力が高いから、数字を出さないと話をまともに聞いて貰えない部分がありますよね。数字を出せば出したで、そもそもお上が出す数字を真に受けない所があるから、なお話がややこしくなったりもしますが。
風評被害の直撃を受けた福島県の農業をざっくり見てみましょう。農業の産出額は2.600億円。就業者数は13.5万人(2004年。9万という数字もあり)、産出額のざっと4割が米で、耕作面積の水田率は7割。農業よりもその他の稼ぎが多い第2種兼業農家は全体の7割。
ちなみに農業県の鹿児島は、同じ年の統計で4.000億円の稼ぎがあるけれど、就業者数は実は福島より少ない9万人です。
これは、そもそも米作に適した土地も無かった鹿児島は、早くから畜産その他に転換したけれど、米作中心だった東北地方の農業が、米余りとともに地盤沈下して行ったことを意味します。
ここから、今緊急支援が必要とする農家の数を推定しましょう。米はすでに収穫を終えています。無論、田植えの時期を迎えますから、決して米作農家が安泰なわけではありません。米はなかなかお金にならないし、先日書いたように、うちの義父の実家は専業農家ですが、換金作物を米の他に作っています。
まず、第2種兼業農家を除外します。それだけで4万人に減ります。福島県のサイトには、農産物ごとの産出量の統計もあります。野菜類の産出額は518億(平成17年度)。この金額をざっくり12ヶ月で割り、仮に二ヶ月分相当の収入を緊急に手当するとしたら、必要な金額は86億円です。
もちろんサラリーマンでは無いから、その二ヶ月分の収入を貰ったからどうなるというものではないかも知れない。でもひとまずそのキャッシュでやりくりして貰っている間、中長期の支援をどうするかで知恵を出し法整備すれば良い。
*日本の農業の補助金は470種類あって、総額は毎年5兆円を超えるそうです。防衛費並ですね。
予算というのは不思議なもので、もちろん理由のないお金は出せないわけです。官僚は仕事を増やしたく無いし、そもそも法律に無いお金を出したら、法律違反を問われる。けれど、先日の専業主婦の無年金問題のように、実は官僚は、裁量の範囲内で運用を弾力化することで、無いはずのお金を何処からか持って来て、法的裏付けも無いのにばらまいて来た。彼らは、責任を負わされると困るから自分から進んで、これが出来る、あれもやりましょう、こんな方法がありますとは滅多に言いません。けれど、実はそういう知恵は持っている。あとは政治家が「俺が責任を取る」と背中を押せば良いだけ。そういう官僚の悪知恵は、こういう時にこそ発揮されるべきことです。
上記の金額はもちろん農業に限った話で、実は農家の支援に関しては、ハードルは一番低いと言えます。それはもう農協に一言、金融面での支援を万全に行いなさいと命じれば済む話ですから。こういう時のための農協でもある。それが出来ないとしたら、農協は役立たず。今度こそ農協を潰しましょうな話をしましょう。
無論、農家というのは土地という資本があってこそで、その土地が汚染されたとなれば、ことは金銭でどうなるものでもない。その絶望を非農家の私たちが理解することは不可能です。けれど国は、率先して出来る支援をしなければならない。政府として今出来ることは当事者にとっては万全とはとても言い難いだろうけれど、出来ることすらしないというのは、為政者として許し難い不作為です。
もちろん漁業、他の事業者にも資金支援となれば、その金額はたちまち千億単位になります。戦時に札束をばらまくとどうなるか? インフレになります。それもハイパーインフレになります。それはなぜかと言えば、戦時には物が窮乏して、買おうにもモノがないからですね。
今回、流通の問題さえ解決されれば、物不足は大凡、いずれ解消するでしょう。幸か不幸か円安局面に入っているけれど、幸い私たちの通貨は未だに十二分な価値を持ち、世界中から資源も食料も買える。
ヘリコプターから帯が巻かれたままの一万円をばらまいたとしても、インフレが起こる可能性はまずない。広義の意味でのモラルハザードは局所的には起こる可能性もあるでしょうが、恐らく経済全体に影響を及ぼすようなことは無いでしょう。
日銀が積極的に動いている今、全国的に、中長期でカネ余りを加速し、モラルハザードが蔓延するリスクはゼロではないけれど、ここは、被災地への緊急な金銭的援助と日本経済全体を支えるための金融緩和他は分けて考えるべきでしょう。
※ 東日本大震災:日赤への義援金594億円…配分には時間
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110331k0000m040089000c.html
日本って、こんな巨額な義援金を扱ったことが無いから、いざ集まったら配分に困りますよね。当然、利権は発生するだろうし。そもそも日赤は平素から、何処ぞの特殊法人みたいだと批判されてきた所だし。
※ IAEA原子力安全局:福島第一原発、局所的に再臨界の可能性も
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aBuGX4PoUcOQ
可能性としてはあり得るんだろうけれど、再臨界を示す核種が検出されたのだろうか。
※ ろ過装置、樹脂、ロボット…放射線封じに科学技術総動員
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E1E2E2E0EA8DE1E2E2E1E0E2E3E39793E3E2E2E2
海水をタンカーで運ぶみたいな話を聞いた時に、それは原子力船むつの漂流の二の舞になるのではと思い、今の技術で濾過は出来ないのかな、と思ったのですが。その辺りの濾過技術の進歩はどうなのでしょうね。それはそれで、仮に可能だとしても、工場を建てる必要は生じるでしょうが。
※ 「5、6号機も廃炉に」東電会見に住民怒りの声
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110330-OYT1T00876.htm?from=top
そもそも、5、6号機がどういう状態なのか? の報道が極端に少ないんですよね。お隣がああいう状態になった以上、最終的には廃炉という選択は致し方無いだろうけれど、夏の需要期を考えると、今年は無理でも、来年の夏辺りには運転して、その間、余所で火力発電所が立ち上がって、節電や停電の必要が無くなった時点で廃炉という方向が良いと思いますが。ただ、それも1年で諸々整備して、国の検査を通すのが可能かどうかを考えると、このままタイムアウトで廃炉になるかも知れないですね。
※ 米国で「東電には経営責任がある」株主代表訴訟も
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110330/amr11033022470007-n1.htm
>「誠に残念ですが、日本は貧しい国になるでしょう」。
>ローレンス・サマーズ
レイシストのサマーズはこんな時にも平常運転。本当に嫌な奴。
↓その他の話題はメ-ルマガジソにて
※ 宇宙ゴミから地球を救え、ゴミ回収衛星のモデル公開
http://rocketnews24.com/?p=82742
※ 裁判員裁判の全面無罪判決を破棄 東京高裁、懲役10年
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY201103300275.html
*取り調べ可視化の拡大求める 検察の在り方会議
http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY201103280453.html
※ 講談社社長の野間佐和子さん死去
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-30X135/1.htm
※ 前日の満腹重量72.1キロ
夕方、見本を受け取りに渋谷。センター街は全くの平常運転。若者多し。東口の文教堂と西口の三省堂を覗いたけれど、客多し。都会人が自宅に籠もるようになって書店の客が増えているというのは本当だろうか。
飲食店は壊滅状況。西武の上のレストラン街で食べたのですが、とにかく客がいない。エスカレーターを上り始めたら、6時にもう閉店のアナウンスが流れて来る。6時に閉められちゃ(1階はもう少し開いている)、OLはデパートを覗こうなんていう気持ちにはならないでしょう。
しかもレストラン街は9時前にはラストオーダーなので、事実上一回転しか出来ないんですよ。しかも客はいない。西武の上ですから、決して安くはないし、ウィークデーの中日だから会社関係の利用はもともと少ないとは言え、どこを覗いても、お客は二組いるかいないかなんですよ。
こんな状況が続いたら、東京の飲食店は二ヶ月持たずに店を畳む羽目になる。政府は一日も早く、国民に強いメッセージを出さないと。惚けた都知事も花見自粛を奨励している場合じゃないと思う。
帰路。田園都市線はまだ急行無し。もの凄く快適w。いついつから急行を再開するというアナウンスがある。東急バスは燃料入手難で空港リムジンバスをしばらく休止していたけれど間もなく再開、とモニターに。へぇ。都会のバス会社でもそんなことがあったのか。
駅で降りたら、下りエスカレータが節電中。
※ 有料版おまけ スカウトマンが声掛けする女性はやっぱり美人だった件に関して
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