民主党政治を総括する
こればかりは、年明けに書いても仕方無いので、今年の内に掃除しておきましょう。
民主党政権に抱いた希望が、完膚無きまでに打ち砕かれ、国民をアパシーのどん底へと落ち越ませた2年3年でした。
民主党が政権を奪取後、私が、どうもおかしいぞと思い始めたのは、民主党の公約として掲げていた、各省庁へ100人の国会議員を送り込むとしていたことを、小沢さんが止めた辺りからでした。
小沢さんとしては、合理性はあった。民主勝利に貢献した新人議員たちは右も左も解らない素人集団で、何の役にも立たないし、まずは勉強と次の選挙への備えが優先しただろうことは事実だし。
ただこれらの問題が、結局、鳩山政権と小沢さんの微妙な距離感として霞ヶ関に受け止められ、小沢さんが政権との距離を保つのであれば、鳩山政権に協力する必要もない、と官僚たちが見切るきっかけになってしまった。
そんな中で、普天間基地問題が、政権を揺るがすシングルイシューとして問題化してくる。酷いデタラメでしたorz。
政権内の誰一人、総理に協力しない。防衛大臣は、そんなの無理だとはなから相手にしないし、官房長官は、どうやってこの筋悪な案件を潰そうとしか考えないし、駐米大使に至っては、現地で堂々と、現政権を罵るような、総理が孤立した状況だった。
移転先の基地選定なんて、出来の悪い見合い話で、誰も本気で実現可能性を考えずに、候補地の名前ばかりが一人歩きしていた。
そうやって、ボンボンな総理大臣が孤立して放り出した後のイラ菅政権は、劣化コピーの見本のようになっていく。官房長官も総理大臣も、国政には無頓着で、小沢一郎を潰すことにしか関心がない。それが国民の支持を繋ぎ止めると勘違いして突っ走った挙げ句、財務官僚の甘言に乗せられ、不必要な消費税増税を参議院選のテーマにしようとして失敗、大敗を喫した。
その傷も癒えぬ間に、尖閣事件が発生し、これまた想像を絶する当事者能力の無さを露呈し、ここでもまた国民の支持を失う。しかし年明け、献金問題で追い詰められている最中に3.11災害が発生し、彼の政権は生き延びる。
民主党政権は、イラ菅-仙谷総統政権の出鱈目が無ければ、恐らくまだ浮揚のチャンスはあったことでしょう。あの政権の出鱈目が、全ての希望を打ち砕いた。
それを継いだ野田政権は、メディアには、近年まれに見るまともな政権だと評価が高いけれど、自民党が実は反対する気も無かった消費税増税を通すために、被害担当大臣を国会に差し出して、国民とメディアを眩惑させ、さらに支持率も落とす羽目になった。もちろん、ねじけ国会の中で、彼の選択肢は限られたけれど、原発の全停止や、外交舞台での不用意な発言、尖閣問題への対応など、とても合格点を上げられるレベルの政治にはなかった。
民主党政権は良いこともしようとしたけれど、世界不況にも足を引っ張られ、終わって見れば、悪夢のような政権だった。消費税増税論議を隠れ蓑に、財務省主導の数多の増税をデフレ下にやらせるという、素人振りも批判されてしかるべきだし。
国民が失った時間と希望と、積み上がった赤字はあまりにも大きい。そして何より、「やっぱり自民党で無ければ駄目だ」と国民の大半を落胆させた罪は大きい。
組織的に選挙を行い、自民党と唯一対抗できる政党としての役割は、残念ながらまだ民主党しか果たせない。次の衆院選挙までの間に、再起してくれることを願うばかりです。
※ 中国大使館“外交文書は参考資料”
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121231/k10014537201000.html
これは仮にも、公が使うような言葉じゃないでしょうw。しかもこれ、別に日本の外務省がそれを言ったわけじゃなく、メディアが報道したというだけの話でしょう。
今の中国を一言で説明するなら「遅れて来た帝国主義」でしょう。
戦後私たちが、全く経験したことのない新しい帝国主義に日本は直面している。冷戦時代のゲーム・メイキングがほとんど通用しない相手です。
その戦略自体は、三国志時代からのオーソドックスな手法なれど、世界経済が複雑に絡み合う今日、相手は征服すべき敵ではなく、共存せざるを得ない敵として扱わねばならない。
ただし、何度も書いて来たように、相手が理性的に抑制的に行動するだろうと期待するのは間違いです。
戦後日本は、外国から、こんなにも理不尽な恫喝を受けたことは無かった。にも関わらず、それをシャットダウンできずにいる。
日本がもし陸兵を尖閣に上げたなら、中国の世論が激昂すると言われる。それがどうした!?w、ですよ。中国の世論が激昂したら、その怒りが向かうのは、最終的には、中国政府です。上手く行けば、共産中国を打倒する切っ掛けになるかも知れない。
もちろん、われわれはそれで共産中国が倒れた後の混乱も覚悟する必要はあるでしょうが。中国との経済関係が大事であることは言うまでも無い。しかし、それは国家の原理原則を縛るほどの至高の価値感ではないでしょう。
われわれはいつか何処かで、ここから先を譲る気はない、と意思表示する日が来るでしょう。それは中国に対しても、アメリカに対してもです。
所で、今年、話題になった戦略問題でのキーワードは「AirSea Battle」でした。来年、新聞を賑わすことになるキーワードは、恐らく「Offshore Control」になります。これもちと簡潔に説明するのは難しい言葉ですが、来年は頻繁に、いろんな所で、このオフショア・コントロールという言葉が出て来ることでしょう。
※ 公務員削減見直し、官僚と連携…「脱民主」進む
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121230-00000158-yom-pol
>海上保安庁や自衛隊の定員増を検討する意向とみられる。
ああ、まんまと財務省に丸め込まれましたね。定員増なんて詐欺じゃんw。定員なんて、何の意味もない。私が防衛大臣なら、「定員なんて何の興味もないから、実数を増やせ、現員の確保が最優先だ」、と交渉します。
で、財務省に、110%の現員の予算を認めさせる。そうすれば、退職や何やらで部隊を出入りする人間を含めても、9割以上の人員を常時確保できるでしょう。
※ 防衛省、オスプレイ導入検討 13年度予算に調査費要求
http://www.asahi.com/politics/update/1230/TKY201212300266.html
*米無人偵察機を自衛隊に導入、尖閣監視強化へ
http://news.livedoor.com/article/detail/7279735/
グローバルホークというか、トリトンですが、これの導入は急がないと、現場の負担軽減に貢献するでしょう。
オスプレイの方は、戦闘機並みのお値段なのに、輸送能力はたいしてない機体をどう運用するか、使い道をそれなりに研究しないと。
尖閣云々と言った所で、制空権&制海権を完璧にホールドした状態でなければ、そもそも海兵隊すら行動しないことを考えれば、別にオスプレイは必須でもない。その予算を出せるのであれば、UH-Xの更新の方が先でしょう、ということになる。
で、そのUH-Xですが、その仕切り直しは避けられない。少なくとも、川重案+三菱製エンジンの芽は全く無くなったと言って良い。
個人的には、川重の胴体に、アグスタ等でミドルクラスに実績もあるP&Wのエンジンで良いジャンと思うけれど、実はそうなると、ドンガラはそんなに難しい話じゃないから、富士重でも何処でもヨクネ? なことになる。
国産案というのは、結局の所、川重+三菱案でこそ生きてくる計画だったわけで、その案が潰れるとなると、これはもう国産に執着する必要すらない。
国産案は、エンジンを、求められる価格内で提供する技術が無ければ、お話にならない話でもあるので、他国から買ってライセンスというのもありでしょう。
それにしても、いずれ海でも空でも使うことを考えると、最終的な調達機数はべらぼうな機数になる。恐らく向こう10年、こんなビッグビジネスはもう来ないだろう機体の数になるのに、たかが中型ヘリも国産できずに外国製で行くのか? という迷いというか悔しさはある。
これを一罰百戒とするには、失うものはあまりにも大きい。
※ 詳報 TPP、集団的自衛権、村山談話、憲法改正…
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121231/plc12123102070001-n1.htm
来年の経済ですが、落ち込みは春頃まで、数字として出て来るでしょう。ただ株高で、思ったより早く景気の底から抜け出せるはずです。
10兆円の補正予算は、何のためかと言えば、消費税の増税を判断する時期に景気を上げなきゃならない財務省と、財政出動を国民に印象付けたい安倍政権のバーターですよ。
その後に、再来年から消費税が上がれば、それまでの一年間の努力は全て水泡に帰すことになる。
来年、参議院選挙で自民党が安定多数を得ても、消費税増がもたらす景気後退で、安倍政権は保って2年でしょう。鳩山政権に抱いたような淡い幻想に、国民は再び付き合うことになる。
↓その他の話題はメ-ルマガジソにて
※ “勉強で将来よい暮らし”中高生増加
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121231/k10014537011000.html
※ 加藤嘉一「国際社会において、日本がトラブルメーカー的な扱いをされる傾向が強まっている」
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/12/30/16241/
※ 【画像あり】 復元された韓国の文化遺産「南大門」が、まったく復元出来ていないと話題に
http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-2853.html
※ 「これが日本の現状です」レコ大の服部克久氏の意味深発言がネットで話題に
http://www.yukawanet.com/archives/4368346.html
※ ゲームの達人雇い息子“秒殺”、仕事しない状況見かねた父親の作戦。
http://news.livedoor.com/article/detail/7278596/
※ 前夜の満腹重量76.7キロ
※ ブログに、「今年の海外ドラマを振り返る」をアップ
※ 日曜、珍しく例年より早く年賀状が片付いたので、午後は、以前から気になっていたニコタマのスパに出かけてのんびりするつもりでいたんだが、前日から、義父のパソコンが動作不良に。最初は、「壊れた」という話だったので、なら今年の年賀状プリントは諦めて手書きするしかない、という話だったんだが、症状を聞くと、Cドライブが溢れて作業領域が取れない感じ。
溜め込んだ写真をいくらか削るよう提案したが、方法が解らないということで、やむなくお昼過ぎ、次男を連れて電車に乗る(こういう時、リモートアクセスって便利よね!)。
着いてみたら、Windows98のCドライブの空きが80メガも残っている。どうしてこれで、たかが葉書をプリントできないのか疑問なれど、削れるファイルが無く、やむなく不要なアプリを削って、120メガほどに空きを広げて問題をクリアする。
1時間あれば帰宅できるつもりでいたけど、途中でインクタンクが切れて、Yダ電気に買いに出かける。
ついでに新しいパソコンを見たらびっくり。棚に並べられた全てのPCがWindows8パソコンなのに、モニターには全部「非タッチ・モニターです」の貼り紙。
なんだそれw。OSは8なのに、家電量販店で売っているパソコンの全てが非タッチ・モデルってどうなってんの? MSはこんな状況でWindows8を売りまくろうとマジで考えているんだろうか。
夜、土砂降りの中を帰宅。
※ 今年も、お陰様で家族全員、健康に過ごせました。世間の親が、自分の子供に関して、望むことは何ですか? と聞かれたら、大概が、「健やかに育つこと」と言うでしょう。
でも、これは嘘ですw。世間の、99.99%の親にとって、子供が大病無く健康に成長するのはデフォなことです。それが出来て当たり前。それで子供が病気して、大学病院とか通う羽目になると、子供を責め始めるんです。私の親がそうでした。
私は、自身が健康を害して苦労したので、自分の子供に望むことは、まずは健やかに育って社会に出てくれることだと、本心から思っています。
今宵、尖閣の海を守る海保隊員、その部隊を人知れず沖縄の各基地、または洋上、空から守る陸海空の自衛隊諸官、今もまだ三陸地方で行方不明者の捜索に当たる消防&警察、そして国民の生活を守る全公務員の皆様に、感謝を申し上げます。
新年は、例年通り、3日からのメルマガ&ブログのスタートになります。皆様良い新年をお迎え下さい。
※ 有料版おまけ 来年の計画
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